SSブログ
Travel ブログトップ
前の30件 | 次の30件

2009夏 一人旅・回想録 24 ( 霊場恐山 3 ) [Travel]

丘から下りて順路通りに岩石だらけの小路をポチポチと歩いて行く。
そして、大王石、無間地獄、みたま石、などと名称を付けられた岩に対して一々愚痴をこぼしながら、また、所々で地中より吹き上げる火山ガスを興味深く観察をしつつ、「ここのどこが地獄の風景と言えるのか・・・」と、思わず声に出して言った後、大きなため息をついた。

音といえばカラスの鳴く声と、耳を澄ませば火山ガスによって吹き上がる蒸気の音がかすかに聞こえるだけで、後は観光客らの話し声がやたらと耳に入ってくる。

 「 カラスがいるってことは、やっぱりここは不吉な場所なのよ! 」
 「 ここに来て、やっとおばあちゃんと会えた気がする、 あぁ、来てよかった・・・ 」
 「 写真なんか撮っちゃダメよ! 心霊写真になっちゃうから! 」
 「 なんだか気分が悪い…、悪霊にまとわり憑かれている感じ・・・ 」
 「 ここの石を持ち帰ると祟られるそうから、触るのもやめとこッ! 」
 「 ホントに地獄の風景みたいだわね~、クワバラ クワバラ・・・ 」
 「 きっとあの子(私)も、死んだ両親とか恋人とかに会いに来たんじゃない?! 」

これが、極々普通の世間の認識なのだろう・・・  何の矛盾も持つ必要のない当たり前の会話なのだろう・・・  
そんな世間の常識に…、 そんな世間一般の人々のお話しに…、 私は何をこんなにイラついて、何にこんなにも腹を立てているのだろうか・・・・・  わからないけどすごくムカムカする・・・・・

お天気は快晴! 岩の白さと、山の緑と、湖の青と ・・・  恐山はとても美しい所である。
この地に対して、恐ろしさなど微塵も感じられない。
だって、私の方がよっっっぽど恐ろしいよ~・・・  他者を嘲り、他者に苛立ち、他者を謗って、他者を疎う・・・・・
そんな自分の思いを抑えきれない・・・! そんな自分の心を誤魔化しきれない・・・!
「わたしは・・・・・  
わたしは、こんな心を持ったまま、死んで行かなくっちゃいけないの・・・?
イヤだ、 死にたくない!  わたし、死にたくない!!」
そう思ったら息が苦しくなってきて…  私は、自分の胸元を鷲づかみに押さえながらいつの間にかその場に跪きしゃがみこんでいた・・・。

一人ぼっちだと思った・・・・・
私は、しゃがみこんだまま、一人 泣いた・・・・・・
日の光を遮るものの何もない山の上で、私は一人ぼっちで・・・
悲しいのか…、恐いのか…、悔しいのか…、怒っているか…、 何もわからないまま、ただ泣いた・・・・・・

以前 Yuさんが、「死んだ者より、生きている者の方がよっぽど恐ろしい。 自分というヤツが一番恐ろしい…」 と おっしゃったことを思い出した。
「イ・チ・バ・ン、 オ・ソ・ロ・シ・イ・ノ・ハ、 コ・ノ、 ワ・タ・シ ・・・・・」
私は、それを認めたくないんだ・・・・・   でも、私は知っちゃったんだ・・・・・・
私がこれを、認めなくとも…、受け入れなくても…、その事実は存在するんだ・・・・・・

そして、それを教えてくれたのは誰?! 
世間を馬鹿に出来るだけの知恵も、こんな浅はかで愚痴な自分というものを見ることの出来る目も、惨めで孤独な私というものを拒否する心を感じることが出来たのも、誰のおかげなの?!

自問する心には何も答えぬまま、私は、汗とも涙ともわからないグチャグチャになった顔をハンカチで覆って立ち上がり、また一人歩き出した。
霊場恐山の地蔵とカラス

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 23 ( 霊場恐山 2 ) [Travel]

恐山菩提寺の総門をくぐって境内に入る。 参拝客は数人しかいない…  思っていたよりも静かだ。
永代常夜灯が両脇に立ち並ぶ参道を、一歩一歩ゆっくりと進んでいく。
山門近くまで来ると、その手前両脇の小石を積み上げた小さな山の上に地蔵尊が穏やかな表情でたたずんでおられ、その小山には何本もの風車が色鮮やかな花のように供えられていた。
山門は比較的新しく、見渡せば寺務所などの建物もあまり古さを感じさせない。
その山門をくぐると右手には薬師の湯、左手には小滝の湯と冷抜の湯があり、中を覗くと白濁色の湯が湯船いっぱいに湛えられていたが、誰も入浴はしていなかった。
さすがに観光客の行き交う見学コースで入浴する… というのは勇気がいるけど、ホントは入りたかったんだけどね・・・
参道の一番奥にはご本尊の羅陀山地蔵菩薩が安置されている地蔵殿があり、ここも改修されたばかりとみえ新しくきれな建物であった。

この時、騒がしく走り寄って来た小学生の兄弟が境内の石を投げ合ったりしてとても迷惑だったので注意をしようとしたところ、彼らの祖父らしき人が駆け寄ってきてその少年らに対して酷い言葉で叱り飛ばした。
兄弟は祖父に叱られ内心はショゲているのだろが、表面上は負け惜しみの皮を被りその威勢は止まらず、これに輪をかけて祖父の怒りは浸透し、聞くに堪えがたい言葉でその兄弟に罵声を浴びせた。
一方、兄弟の父親は何も言わず一人離れて遠目に見ているだけで、祖母と母親も少年らのことは感知しておらず二人で世間話などをしている。
その祖母が、「お賽銭は5円と相場が決まっているのよ!」と言いながら財布の中身をさばくっていると、祖父に叱られた弟の方が祖母の元へとやって来て、「どうして5円なの?」と尋ねた。
すると祖母は、「神様と幸せなご縁(5円)で結ばれますように!っていう意味よ!」と得意気に答えた。
思わずズッコケタが、私も子供時分、祖父母から似たようなことを教えてもらったことを思い出し苦笑いを噛み潰す。

その騒がしい家族の登場によってすっかり恐山気分を削がれてしまった。 それどころか世の中に対しての怒り心まで噴出し、私は無意味に腹を立てていた。
彼らが立ち去るまでのしばしの間、私は自分に湧いた怒りの心を抑えることに専念しながら、いったい私はなぜこんなにも苛立っているのだろうか…、何に対して腹を立てているのだろうか…、 と 考えてみた。
あの悪ガキ兄弟に対して…、口の悪い祖父に対して…、子供に責任を持てない両親に対して…、無知な祖母に対して… そして世間のいいかげんな常識に対して? 等々…。
考えるまでもなく、私は全部世間が悪いと思っている・・・、 自分以外の他人が悪いと思っている・・・ 
そして自分には、知識があって…、正義感があって…、モラルもあって… と、極甘の自惚れしかない・・・
そう気付くと、今度はそんな自分自身に対して怒りの心が湧き上がり、しかも、私の腹を立たせた全てのモノが悪いんだと言い切っている心は少しも衰えを見せずに、ゴチォ混ぜの怒りで私は赤面した。

あ~ぁ・・・ すっかり気分が壊れてしまった… と、本殿はそのまま素通りして順路通りに左手奥へと伸びる道を上がって行った。
その先には、 殺伐とした…、 荒涼とした…、 と 言うよりも、殺風景ながらも、どこか存在感のある岩場の風景が広がっていた。
まずは例のファミリーとの距離を広げるために、彼らとは別のルートをとって右手の山へと向かって伸びる歩道を登っていく。
そこは奥の院不動明王へと続く参道で、その小高い丘を少し上がった所で来た道を振り返ってみると裏山から見た霊場恐山を一望できて、その風景に少しずつ恐山気分(?)が戻ってきた。

恐山奥の院はその道をもう少し森の中へと上がって行った所にあって、 ・・・・・ でもね、小さな不動明王の石像があるだけで、ゴミだらけのガックリとするような場所であった。
その時、背後に人の気配がしたので振り返って見ると一人旅の男性が登ってくる姿が見えたので私は早々にこの場を後にして山を下り、その途中の景観の良い場所で再び立ち止まって遠く全景を見渡した。
霊場恐山 不動明王の丘より

何もない・・・・・・  目の前に広がる風景に、私は何の意味も見出せなかった…。
ただ、今ここにある自分と言う存在を見つめた時、・・・・・・  このままでは私の存在理由も意味を成さずに終わってしまう… と思った…。
私の存在理由って何・・・・・・・?  何なの?! 

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 22 ( 霊場恐山 1 ) [Travel]

バスの窓を開け、生い茂った青森ヒバの原始林の中を吹き抜けてきた恐山の風を頬いっぱいに浴びながら霊場恐山へと向かう。
車内では再び民謡が流され、私はそれを空耳のように聞きながら・・・、 
そのメロディーのせいだろうか…? 歌詞もわからないままに、なんだか悲しくなってきた…。

民謡の後は再び観光案内が始まって、それは恐山の随所に見られる‘積み石’にまつわる物語であった。
親よりも先にあの世へ逝った幼子が、その罪を償うために‘賽(さい)の河原’と呼ばれるあの世とこの世の境界で、父や母に詫ながら救いを求めて石を積んでいくのだが、しかし毎夜毎夜地獄の鬼が現われて、無残にもそれを崩し壊されてしまう。
その積み石の塔を崩され苛められて嘆き悲しむ幼子に、地蔵菩薩が救いの手を差し伸べるというお話であった。
そしてこの地を訪れた父母は、我が子の責め苦を少しでも軽くしてやろうと丁寧に石を積み上げていくのだとか…。

これは『地蔵和讃』を元にした仏教とは全く無関係な物語であるが、多くの人がこれを信仰している。
「 これはこの世の事ならず 死出の山路の裾野なる 賽の河原の物語 聞くにつけても哀れなる
 二つや三つや四つ五つ 十にも足らぬ幼児が 賽の河原に集まりて 父恋 母恋 恋し恋しと泣く声は
 この世の声と事変わり 悲しさ骨身に達すなり かのみどり児の所作として 河原の石を取り集め  
 一重(ひとつ)積んでは父のため 二重(ふたつ)積んでは母のため  
 三重積んでは故里の兄弟我が身と廻向(えこう)して
 昼は一人で遊べども 日も入あいのその頃に 地獄の鬼が現れ やれ汝ら何をする」

バスは、鬱蒼としたヒバの原始林の中からいきなり飛び出したかのように一転して日差しを遮るもののない湖畔沿いの道へと出た。
目の前には青い夏の空と、碧く澄み切った宇曽利湖(うそりこ)、その奥には外輪山の山並みが見渡せる。
そして左手前方に見えてきたのが正津川、通称・三途の川にかかる太鼓橋で、その朱色が風景にアクセントをもたらして良い感じ! だけどこの橋、悪人には針の山に見えて渡れないのだとか…。
良かった♪ 私には針の山じゃなく、美しいお浄土への入口にかかった橋に見えるわ!(;^-^)ゞ

とうとう着いた・・・・・   恐山まで来てしまった・・・・・

バスを降りてまっすぐに入口へと向かう。
まずは入山料(¥500)を支払って、受付所にてスーツケースを特別に預かってもらう。
そして総門の前に立ち止まり空を仰いだ。
日差しがキツイ・・・・・    それ以外のことは何も思わなかった。

恐山菩提寺恐山菩提寺の本坊はむつ市にある円通寺で曹洞宗のお寺である。 本尊は延命地蔵菩薩。
開山は約1200年前の862年に、天台宗を開いた最澄の弟子である慈覚大師円仁によって開かれたと伝えられ、円仁が中国での修行中に見た夢のお告げによって導かれこの地に辿り着いたのだとか…。
当時は天台宗の修験道場として栄えたものの、1457年には廃寺となり、1530年に再興されている。
恐山が霊場として全国に知られるようになったのは戦後のことで、当時のマスコミが「死霊の山」といったイメージで宣伝したことによって注目を集めるようになったわけだが、元々は、下北地方に昔から伝わる大漁、五穀豊穣、無病息災といった現世利益を願う「地蔵講」という習わしによって地元民の地蔵信仰の対象となった寺にすぎない。

しかし・・・・・、  なぜ私は恐山まで来たのだろう・・・・・・?

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 21 ( 恐山 へ ) [Travel]

下北駅で列車を降りて、ここからはバスで恐山へと向かう。
乗客は10名ほどで、このうち恐山へと向かった観光客は半数ほど。 その中に一組、父娘のペアーがいた。
中学生位にも見えるが、父親が持つ娘の赤いポーチから推測するに小学校高学年といったところか。
なんだか羨ましい…。 父親がアレコレとスケジュールの段取りをしたり、娘の感情にまで気を使いながら手を尽くしているその姿を見て、微笑ましいというより、羨ましいな~と思った。
当の娘は父親のそんな気遣いに気付きもせず、楽しそうに笑ったり、時には我儘を言ってみたり…、 
でも、世間ではそれが普通なのだろうな~ぁ。
御法話の中でも、「子供が親に気を使ったり、遠慮したりはしないでしょ?!」と言われることがあるけれど、私はそこの所でいつも耳を塞いでしまう。
記憶の中の私は、いつも親に 気を使って、 遠慮して、 父は私にどんな言葉を期待しているのだろう…、母が喜ぶにはどんな私でいたらいいのだろう…、迷惑をかけないように…、期待を裏切らないように…、相手の心を読むことだけに神経を集中させていたように思う。
そして、そんな張り詰めた神経を癒してくれるのは自分だけで…、私は他の誰と一緒にいるよりも一人きりでいることの方が好きだった。
もっともこれは子供時代の話で、今は、・・・・・・・・・・  
今は、わからない…、  私は何を望んでいるのだろう…

恐山行きのバスの車内では自動アナウンスによる下北半島の観光案内が始まった。
下北半島は、東に太平洋、西には日本海、南には陸奥湾、そして北には津軽海峡と四つの海にに囲まれた本州最北の地であり、その中心となるのが釜臥山(かまふせやま/標高879m)を最高峰とする恐山山地である。
私もこちらに来てはじめて知ったことだが、「恐山」という名称の山が存在しているのではなく、「恐山」とは、宇曽利湖(うそりこ)を中心とした 釜臥山、大尽山、小尽山、北国山、屏風山、剣の山、地蔵山、鶏頭山の八峰の外輪山からなる総称なのだそうだ。
私が目指しているのは恐山菩提寺のある いわゆる霊場恐山であり、高野山、比叡山と並んで日本三大霊場の一つとされている地である。

恐山は、アイヌ語で宇曾利山(うそりやま)とも称され、「ウソリ」とは「湾・入江」の意味をもつとのこと。
「人は死なば、お山さ行ぐだ…」と、下北では、「死ぬ = 山(恐山)へ帰る」と信じられており、現在でも地蔵信仰を背景に死者への供養を目的として東北各地から参拝客が訪れるそうだ…。

バスは、小さなむつの町を後に、青森ヒバの茂った山道をゆっくりと登って行く。
車中では下北、恐山の観光ガイドに続いて、その昔、恐山へ参拝する為に歩いて登った人々がその道中で歌ったとされる民謡が流れている。
現在では、こうしてバスに乗って楽々と行くことができるが、昭和初期までは道なき道を行かねばならない修行にも似た道中だったのだとか…。
車道の際に目をやると 「丁塚」と呼ばれる石柱が点在しているが、これは恐山の一千年祭 (1857~1862年)の時、参拝者の道しるべとして信者によって建立されたもので、田名部から恐山総門まで(約14km)の間に一丁間隔毎に計124基あるそうだ。

そしてバスは街道途中の‘冷水(ひやみず)’というバス停で停車した。

恐山 冷水ここは恐山の湧き水の水呑場となっていて観光名所の一つなのだとか…。 
その案内が可笑しかった。
「この‘冷水’を1杯飲めば10年長生きが出来、2杯飲めば20年長生き出来て、そして3杯飲むと・・・・・
死ぬまで長生きが出来る!」 とのことで…  これを聞いて私は、思わず声を上げて笑ってしまった。
バスの運転士さんより「下車して飲んで来てもいいよ」と言われ、私はいの一番にバスを降りて‘冷水’をいただいた。
手にすくって 一杯、 二杯、 そして 三杯飲んで、「これで私も死ぬまで長生きできるぞ!!」
しかし、四杯、五杯・・・と飲んだ場合は、いったいどんな御利益が…???

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 20 ( 八戸駅 → 下北駅 ) [Travel]

家出四日目。 今朝も4時半に目が覚めてしまう。 
毎日睡眠時間は短いものの、途中で目覚めることもなく、薬がなくてもグッスリと眠ることが出来ている。

今日…、 いよいよ今回の旅の目的地である恐山へと向かう。
なぜ恐山なのか・・・、  自分でもわからない・・・・・。 
ただ、みんなが心配してくれているようなことは考えていない。 
だって私は、“生”からも“死”からも見放され拒絶されて、何にもわからないままにただ流されているだけ・・・
自分の居場所がどこにも見つけられなくて…、 自分が存在している意味もわからない…、 ましてや自分がどうしたいのかさえもわからないまま、こんな所まで来てしまった…。

だけど、たった一つだけ変わったことがある。 それは、「帰ろう」という気持ちが湧いてきたこと。
今朝いただいた一通のMailに、私は、私の居場所を見つけた。

HOTELで朝食を済ませて、やはりいつものように少し早めに宿を発ち駅へと向かう。
天気は快晴で、早朝から肌を突き刺すような夏の日差しが痛い。
今日も鈍行列車でのんびりと目的地まで向かうが、青春18きっぷは利用せずに乗車券を購入しホームへ。
通勤ラッシュの時間帯を過ぎているからかな? 八戸駅の朝は思ったよりも静かだ。乗車予定の列車は八戸駅始発であるため出発の30分も前から乗車できたので、私はいつものように車内で新聞を広げて一通り目を通す。

今、気持ちがとても穏やかな感じ…。 
よくよく考えてみたら、私はいつも自分で自分を追い込みながら崖っぷちを息を切らして走っていたような気がする。 でも、そ~ゆ~の、嫌いじゃないんだよね…。
ギリギリの所で頑張っている自分っていうのを、自分で演出して、自分で絶賛して…、単なる一人遊びだね…。
だけど時折、自然の中に溶け込んだ時にだけ、そんな危なっかしい一人遊びを忘れて、身も心も為るがままに委ねたくなることがある。
そんな感覚とは違うけど、今は、初春に鶯の第一声を聞いた時のような穏やかさが心に澄み渡る。
ずっと、ずっと、こんな気持ちが続いてくれたらいいのに・・・・・
そう思った瞬間に、心の中には春一番が吹き荒れる…。 続くわけがないじゃん!私の心の春夏秋冬は、常に秒速の変化をし続ける・・・・・

そんな時、「今日の私も仏法チャンネルにセットされているんだろうか…」とフッと思い自分の頭の中を覗いてみたが、何処をどう探しても仏法のブの字も見つからない…。 自分一色だ。
でも、フッとした一瞬にヤツはやって来て、私の頭をかき乱すからな~ぁ・・・
「あっ!!」 ハッとした…
と言うことはつまり、私の中から御法が出てくる訳ではないのだ…。
そ~か、そ~か、私には 「仏」も 「法」も ないんだ!  そ~なんだ、そ~なんだ!
でも、何でそれが嬉しいのだろう? はて…? 私は何が嬉しいのだろう…?

八戸駅から野辺地駅までは、のどかな農村地帯の風景が続く。
野辺地駅で途中下車をして大湊線に乗り換え下北駅へと向かう列車は、陸奥湾の東側を南から北に向かって一直線に上がって行き、ちょうど下北半島を斧の形として捉えた場合、柄の内側部分にあたる海岸線近くを走行する景観のよい路線である。

大湊線野辺地駅を出てしばらくすると陸奥湾越しに、うっすらとではあるが釜臥山のシルエットが浮んで見える。
あの山の向こう側に、私の目指す地があるんだと思うと、少し背筋の伸びる思いがした。

車窓からの風景は、暴風雪林の雑木林と、その木々の間から時折覗く青い海。
快晴の夏日の海風は、私が知っている不快なものとは違って、北の地ならではの清々しいものである。
なんだか、本当に知らない土地に来たんだ~ という感慨が深まって来て、私は家出四日目にしてようやく旅行者になった気がした。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 19 ( 三日目の終りに… ) [Travel]

八戸駅に到着。 今朝、松島駅を出発してから約10時間… さすがに疲れた・・・・・
八戸の夕日
でも、八戸で見た夕日は、疲れた心を癒し、迫り来る夜闇を忘れさせてくれるほど美しかった…
八戸駅で下車した後、駅に併設された観光案内所に立ち寄って青森のガイドをいくつかもらってからHOTELへと向かった。

Check In を済ませて部屋へ入り、すぐにPCを開く。  どうしても言いたいことがあった・・・・・
自分の気持ち…、 自分の本当の気持ちさえもわからなくなっていたここ数日間…、
今だって、何が本当で、何が嘘なのか…、自分のことなのに全然わかっていない・・・・・
だけど、どうしても伝えたいことがあって、今、そのままの気持ちをしたためてMailを送る。

過去の自分の思いに居座るのではなく、過去の自分の思いと向き合った時、チョットだけ客観的に自分を見ることができた。
それは、今現在の私の勝手な思い込みかもしれないけど、あの時、何で私はあんなことを言ってしまったんだろう…、 あの時、私はいったい何に依存していたのだろう…、 そんなことを、少し時間をかけて冷静に見つめた時、その時には見えなかったものが見えてきたような気がした。

私は…、自分が全然見えていない・・・・・  これを…、認めたくない私がいるという事実・・・・・
図星! 御名答! 人から言われて傷つくのは、私の大嫌いな私の核心を指摘されるからなんだろうね…
やっぱり傷つきたくない・・・・・   自分だけは… 傷つきたくない・・・・・
だから、いつも、自分を守ることに躍起になっている・・・・・

私は…、自分を生きていなかった・・・・・  今…、それを…、認めざるを得ない・・・・・  
だって、過去の自分を振り返った時に、私はいつも相手の心ばかりを詮索していて、自分はどうしたいのか…、自分は何を思ったのかなどは二の次で…、自分というものがいつもお留守になっていた・・・・・
だからかな…? 一人になった時は、極端に自分の世界に入り込んで、今度は周りが何も見えなくなってしまう・・・・・

物心ついた時からず~っとそうやって生きて来たから、今さら変えることなんて出来ないかもしれないけど、ただ、「そんなんでいいの?」って、自分に問いかけられた…。

私は何を言いたいんだろう…、 私は何を求めているんだろう…、 こんなこと自己分析してどうなるんだろう…、 私…、無駄なことしてる…? 
ただ、明日どうなるかわからない自分だから、これだけは伝えたい…
そんな思いが、今日一日、随所で現れた・・・・・

ウニラーメンこの後、少し遅くなってしまったが夕食に出かけた。
歩き回る元気もなかったので、HOTELの近くにあった郷土料理居酒屋に入ってお勧めのウニラーメンをいただいた。 
今日は炭水化物ばかりの食事だし…、御法的な呪いのかかった一日だったし…、心身ともに不健康な感じだ!

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 18 ( 久慈駅 → 八戸駅 ) [Travel]

北リアス線 下りの終着駅 久慈に着いた。
久慈駅は、想像していたよりも広さはあったが、利用客は閑散としていて…、 天候や時刻の影響だろうか…、それとも私の心の問題なのだろうか…、少し暗い感じのする駅であった。
今日6回目の乗り継ぎとなる久慈駅でJR線に再び乗り換え、今日の最終目的地である八戸へと向かう。
時刻は17時少し前。 久慈駅から八戸駅までは二時間弱の列車旅となる。
列車内は学生が大半で、でもそんなに多くはないので余裕で座ることができた。

ここ東北の学生諸君はとても元気だ! どの列車で出遭っても、本当に楽しそうに賑わっている。
ただ、周囲の迷惑は一切考えていないので、正直、眉間にシワの因ることも多々あるが…、 自分もそうやって大人になってきたのだろうな~ぁ…、 そして今も、周りの迷惑を顧みずに生きているのだろうな~ぁ…、 なんて、ババクサイ感傷に浸る…
しかし…、これだけ一日中移動をし続けているのに、まだ岩手県を脱出することが出来ずにいるというのは、気持ち的に少し疲れる…。 東北の一県は、ホントにデカイな~ぁ。

JR八戸線の列車にはエアコンが付いていない。 座席近くにあるボタンを押すことで、天井に取り付けられたクラシカルな扇風機が回り始めるが、私は外の空気を求めて列車の窓を押し開けた。
こちらに来てから窓を開けることのできる列車と出合って小さく感動している私・・・
遠慮気に僅かに開けた車窓のその隙間から吹き込む風は、夏のものとは思えないほどひんやりとしていたが、その冷たさが今の私には心地よかった。

八戸線の列車の速度はすごくのんびりとしている。 それに各駅での停車時間もやたらに長い。
慌てず、急がず、のんびりと旅をしようよ!と思っていた私にはピッタリのはずなのに、なんだかこの暢気さにひどく苛立っている私がいた・・・ 
このイライラの原因は何なのだろうと考え時、目の前に迫った夜闇…? ではないかと思った。
私が、晴れの天気がいい、昼間のままがいいといくら願ったとしても、刻々と夜は迫り来て… その時は必ず訪れる…
これは誰にも止められない・・・・・  そして、私はその夜闇に恐れを抱いているのかも・・・・・
しかし、その畏怖する心を見たくないから…、 この苛立ちを抑えたいから…、 私は自らの空想の世界で夜闇にネオンを着飾らせて、きれい きれいと 自分を安心させるのかもしれない・・・・・。

フッと思った・・・・・  “死”って何なんだろう…  “私が死ぬ”ってど~ゆ~ことなんだろう…
ただ漠然と、世間レベルの“死”しか私には考えられない…
しかも、それは決して“自分の死”にはなっていないのだろう…
だって、いくら思案しても、真実の“死”なんて見えて来ない。 それどころか、これに目を背けている私というヤツが見えてくるだけ…
そのくせそいつは私の頭の片隅に居座ってどうしたって離れてくれない。
だから私はそいつを自分のお気に入りの花々で覆い隠すしかなくて・・・・・。
その花畑には、「私が死ねば、私は苦しみから解放され、みな幸せになれる…」と書かれたプラカードを掲げてあるんだ・・・・・・

列車は山中を通り抜け、陸中中野駅の手前辺りから海の風景へと変わった。
暴風雪林の隙間から覗く青い海と、淡い潮の香りが、優しく心を癒してくれる…。
この時間、日本海側の列車旅なら美しい夕日が見られただろうな~ぁ と、少し残念に思う気持ちもあったが、遠くに浮ぶ船が西日を浴びてキラキラと輝いている風景に、心弾むものがあった。
あれ? 潮の香りに混じって、にんにくの香りがする…  あっ、青森にんにく? やっと岩手県から脱出だ!

お天気は回復傾向!  これにつられて私の気持ちも回復傾向!
空の青さと、海の青さは全然違う。 そして西に輝く太陽と、それに照らされた光も全然違う。
だけど、青は青で、光は光なんだ…  ただ、それだけのことがなんだかとても嬉しく思えた。
そして、開けられた窓から外に出していた手が、いつの間にか 冷たく 硬く かじかんでいることに気が付いた。 

八戸線の車窓からの風景はとても快適。 久慈駅を出てから1時間半、列車は次第に北から西へと向きを変えて走る中、鮫駅からは車両の前方に太陽が見えた。 
3145069
後は言葉にならない・・・・・
列車内は通勤・通学の乗客らで賑わっていたけど、私の心は西に輝く夕日の美しさに奪われていた。
3145072

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 17 ( 宮古駅 → 久慈駅 ) [Travel]

宮古駅に着いた。 釜石から宮古まで、1時間以上も乗車していながら、何も見ずに…、そして何も得られずに過ごしてしまった…、という敗北感が残ったような気がした・・・・・

宮古駅からは再び三陸鉄道の、今度は北リアス線に乗車して久慈駅まで向かう。
この区間も青春18きっぷは利用できないので駅の券売機にて乗車券を購入する。
列車内は学生や観光客らでにぎわっていて、既に海側の座席をはじめ横置きのシートは満席だったので、縦置きシートの隙間に座らせてもらった。
列車内は南リアス線の車両とは違って、観光列車というイメージはない。

久慈駅までは1時間半の列車旅。 「久慈か~ぁ…、琥珀の産地だな…」と心の中で呟いた後で、フッと思った…
「久慈・・・ 久しく慈しむ…?」 
仏さまの慈悲のお心は久遠で無量で、そんなドデカイものが私一人の為にかけられているだなんて… 
ありえないよ… 絶対にありえない!!
そう思う心に、「でも、知っているでしょ?」と、誰かが問うた。
そうだね・・・   私は知っている・・・・・   私は、いつも聞かせてもらっていた・・・・・・・
だけど私は、自分がそう思うとか、思わないとか、 今日は感じたとか、感じなかったとか、 いつも いつも 私の‘思い’でそれらを打ち消し、いつも いつも 私の色に塗り替えてきたんだ・・・・・
何も信じない・・・  信じればいつか裏切られ、傷つくだけだから・・・
誰も信じない・・・  信じられるのは自分だけ・・・、私しか私のことをわかってあげられないから・・・
知らず 知らずの内に、頬に一滴の涙が伝った・・・・・・

宮古を出た列車は、しばらくの間山中を走る。 海は、遠くに時折見えるだけでリアス線としての意味を疑う。
そんな時、 「遠くから見ているだけじゃダメだよ。 海水にドボンと浸からなきゃ~。
それが‘聞く’って言うことじゃ~ないのかな~ぁ。
見ているだけじゃ~実際のところ、何もわからないでしょ! 水温も、深さも、味も・・・。 
これを人から聞かせてもらったって、何の実感もないから信じられなくって当~然じゃん!」
と、心の声が馬鹿にしたように囁いた。

長いトンネルが幾つも続く。 やっとトンネルから出たと思えばすぐに次のトンネルに入ってしまう・・・。
いつになったら海は見えるのだろう・・・、 また暗闇・・・、 今度は長いのか 短いのか・・・。
このトンネルを抜け出た先に青い海と光の世界を夢見て、でもトンネルを出た先には、私が期待していた風景とは違う、さっきと何も変わらない景色に幻滅し・・・、 そして、またトンネルへと入って行く・・・。
その繰り返し・・・ どこまで行ってもまたその繰り返し・・・  こんなのイヤだ・・・、 も~イヤだ!
そんな時、また、「違うでしょ?! 果てしなく続く闇のトンネルから抜け出たいと思っているのは、私の願いじゃないでしょ?! 
この暗闇のトンネルから早く抜け出させてあげたい!と本当に願っておられるのは、誰? そして闇の中で泣いているのは誰なの?」

何を見ても、何を聞いても、次から次へと湧き出す御法の声に、もう反発する気力も失せていた・・・
そんな時、車内アナウンスが次の停車駅を告げた。 「次は、ぜったい~ ぜったい~」
も~勘弁してよ~ と 思いながら駅の看板を見ると、「摂待」と書いて「せったい」とのルビがふってあった。
私、頭も耳も ど~かしちゃってる! 
「摂待」・・・ この漢字から発せられる御法的な嫌なイメージを回避しつつ、それでもメモを取ってしまう自分が悲しい…

宮古駅を出て40分、島越駅まで来てようやく海岸線まで見えるようになった。
でもやはり、港や海水浴場の風景ばかりで、リアス式海岸という荒々しさは微塵も感じられない。

3143640車両後方部の縦置きシートが空いたので、席を移動して先ほど食べそびれた駅弁を袋から取り出す。
時刻は、ちょうど16時を過ぎたところ。 お昼抜きでも空腹感はなかったが、せっかくお勧めの駅弁を買ったのに腐らせてしまうのはもったいないし…と、封を開ける。
ハモニカ飯弁当(¥500)のハモニカとはメカジキの背びれの付け根部分ことで、柔らかく上質のトロ肉を甘辛く煮込んだものがご飯の上に乗っていて、とても美味しく量も女性向きでペロリと平らげてしまった。

3141127ちょうど食事が終わった頃、堀内駅の少し手前で車内に観光アナウンスが流れて列車が徐行をしはじめたので、私はクルリと身体の向きを変え子供のように窓に向かって逆さに座りなおしてから車窓を大きく押し上げた。
すると、私の髪をゆらして車内には夏らしからぬ涼し気な風が流れ込み、私は思わず瞳を閉じてその心地よい風の音に耳を澄ませた。
列車が完全に停車して写真タイム。 私がゆっくりと目を開けると、ここまで来て初めて太平洋に面した三陸リアス式海岸らしい断崖の景色をほんの一部だけだが望むことが出来た。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 16 ( 釜石駅 → 宮古駅 ) [Travel]

山田線は、釜石駅を出てからしばらくは住宅街の中を走り、波板海岸駅を過ぎた辺りから海がきれいに見え始める。
そして30分ほど行くと、本州最東端の駅である岩手船越駅がある。

見上げれば、重っ苦しく空を覆っていた分厚く灰色の雲は南北に割れ、まぶしいほどの澄み切った青空が真上に覗いている。
それを見上げていた時、無意識の内にあるメロディーを口ずさみ歌っている自分に気付いた。

♪   深き御法に 遇いまつる   身の幸なにに 譬うべき
    ひたすら道を 聞き開き   まことの御旨 いただかん   ♪

何だって私はこんな歌を口ずさんでいるんだろう…  私ってば、ど~にかしてる!!
と、思わずムッとする…  こ~ゆ~意地悪をするのは、仏さまの仕業以外に考えられない!
「私は忘れたいんだって言ってるでしょ!!!」 と、険しい表情で無言のまま叫んでみても、やっぱり頭から離れてはくれない。
私は大きなため息をひとつついて うつむきながら観念した。 すると、フツフツと穏やかな言葉が胸の中に 一つ 二つ と、ゆっくり沸き上がってきた。

阿弥陀さまは、ただ、称えてくれって仰ってる・・・・・ 
ただ称えてって願っておられる・・・、 
何もわからない今のままの、このままの私でいいって・・・・・
称え心も起こらない、こんな私のまんまでいいから、ただ称えてくれって・・・・・

深い 深い この御法と、もう出遇っているじゃない…?! 
この命を受けて、この御法と出遇って、そして、こんな幸せなことは他にはないんだって聞かせていただいたよね…
迷いに迷って、やっと聞かせていただける身になったのに、その御心から逃げてど~なるの?
“死”に逃げ込んでど~するの?  “死”があるから今日まで逃げてきたんでしょ?

溢れ出した涙が止まらなくなった・・・・・
「ど~してそんなこと言うの? ど~してこんな気持ちになるの? ど~して、ど~してこんな私に聞かそうとするの? ど~して、ど~して、ど~して、こんな私なんかに届くの? 私、何、響いちゃってるのよ…!」
一生懸命声を殺そうとハンカチで顔中を覆っても隠し切れない嗚咽と、涙と、鼻水…。

そして、 私は一人じゃない・・・・・  そう思ったら、また涙が溢れた・・・・・

どれだけ泣いていたのだろう…
通路を挟んで隣の席に座るおじさんが、心配そうにこちらをチラチラと見ている。
車掌さんも、声をかけようか かけまいか…、と、ぎこちなく黙ったまま通り過ぎた。
私は、泣くよりも小さな小さな声で、「南無阿弥陀仏」と称えた。 心を置いて、ただ、「南無阿弥陀仏」と呟いた…

窓の外を見上げると、いつの間にか先ほどまでの青空は再び灰色の雲に厚く覆われ、ドンヨリとした重っ苦しさが空いっぱいに広がっていた。
いつになったら晴れるのだろう・・・・・
いつになったらスッキリ明るくなるのだろう・・・・・
私じゃ空の天気は変えられない・・・、 私に変える力があったならば・・・・・・・・

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 15 ( 盛駅 → 釜石駅 ) [Travel]

3141125三陸鉄道・南リアス線の列車は、一両きりのディーゼル・ワンマンカーで、私が乗車した列車の車両の前方には漁師道具の網や貝などでデコレーションが施されていた。
これは、上下線共に一日一本ずつ列車内にて手作りのお漬物やお菓子などを期間限定で販売する産直コーナーのある‘産直リアス号’なのだそうだ。

観光列車といっても沿線住民にとっては重要な足となっているリアス線であり、乗客の大半は地元の住民。 この鉄道目当てに乗車している観光客は10人にも満たないほどであった。
恋し浜駅で通路を挟んで隣の海側のシートが空いたので、私は意地悪おじいさんを残してお隣さんに移動し、ここからはのびのびと車窓からの風景を楽しんだ。 
そのおじいさんも次の駅で下車をし、少し前まで混み合っていた車内はとても静かになった。

時刻も1時近いし、乗客も極僅かなので Lunch time にしようかな♪ と、気仙沼駅で購入した駅弁をテーブルの上に出した。
ここで予想外の事態が・・・。 次の三陸駅より某ツーリズムの団体客が、三陸鉄道・リアス線の乗車体験とかで観光バス数台分の人間がこの列車へと乗り込んで来たので、列車内はたちまち通勤列車状態になった。
もちろん全員座ることなんて不可能。 立ち乗車の人はおしくらまんじゅう状態で、車窓からの風景を眺めることができた人なんて、半分もいないんじゃないかな~ぁ?
それ故にツアーの団体客からはブーイングの嵐で、あちらこちらから グチ、ぐち、愚痴が延々と続く!
しかし、満員列車にも参ったけど、この愚痴にも参った・・・。 車内に流れる観光案内のアナウンスも聞えないし、こんな状態ではとても Lunch time だなんて言っていられない・・・、 と、Launchはあきらめてお弁当を袋へと戻す。

そんな中、吉浜駅の先で列車が徐行し始めた。 一瞬静まり返った車内に、「ここから眺める吉浜海岸の風景が、三陸南リアス線の最大のビューポインです」との案内が入った。
その景色は、御世辞にも美しいとは言い難い、畑と民家と海が見える極々ありふれた風景で、「え゛っ? マジ?!」と、口からこぼれ落ちそうになる。
もちろんそう思ったのは私だけではない。 列車内のブーイングは先ほどにも増して盛大なものとなり、団体客の不満の嵐と、それに耐える個人客の苛立ちが列車内に渦巻いていた。

3141126これを過ぎると終点・釜石駅まではあと20分ほどだが、この間、いくつかのトンネルをくぐり抜けるだけで、「これがリアス式海岸線だ~!」って言えるような景色にお目にかかることは出来なかった。
次の乗り継ぎ駅の一つ手前、平田駅を過ぎた所で再び列車は徐行を始め車内に観光案内が流れた。
進行方向右手前方の丘の上に、海を見つめて立つ真っ白な観音菩薩像。
これは釜石大観音と言って高さは48.5mもある大きなもので、海の安全を見守っているのだとか。
由来はともかく、この時、灰色の雲を溶かしていくのような強い日の光が真っ白な丘の上の観音像に反射して、本当にきれいな光り輝く観音様に見えたのが、なんだかとても嬉しく思えた。

南リアス線の下りの終点駅である釜石駅に到着して、ここで団体客はバスへと戻り、私は再び青春18きっぷを使ってJR山田線に乗りこんだ。 列車内は空いているしとても快適。 

遠くの空の雲の切れ間から青空が覗き、みるみる天気は回復傾向。
まるで私の心みたいだ・・・・・

三日前、笑っていいのか、泣いていいのかもわからない不安定な心のままにこの旅に出た。
分厚く低く立ち込めた雲は、時折声を殺して泣いたり、時には大声を上げて激しく泣いてみたり…、 でも、一度として晴れることはなかった。
僅かに日の光が差し込んだとしても、すぐにその切れ間を修復してしまう雲は、まるで仏さまの光明を、自分の心で次から次へと埋め固めていくみたいで・・・・・
でも、それが止められない・・・・・  光なんて信じない…  光なんて見たくない…
だけど、今はなんだか穏やか気持ちで光を待っている私がいる。
早く晴れて欲しい! 光を浴びたい! この重っ苦しい雲を溶かして! って思う。

列車は、ひとり静かに走り出した。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 14 ( 気仙沼駅 → 盛駅 ) [Travel]

快速列車では小牛田駅を出てから1時間20分で次の乗り継ぎ駅である気仙沼駅の二つ手前にあたる大谷(おおや)海岸駅は、駅のまん前が海水浴場というロケーションであった。
でも、真夏だというのに誰一人として海水浴客はいない… 冷夏だからかな~?
そういえば私も昔、宮城県の海水浴場でよく泳いだけど、浜辺はいつも貸切状態に近いものがあって、それが常であったから、初めて地元(愛知県)や北陸(若狭湾)近辺の海水浴場に行った時のあの混雑振りにはひどく驚いたものだった。
ちなみにここ大谷海岸駅は、日本一海水浴場に近い駅として有名なのだそうだ。

気仙沼駅に着いた。 予想以上にローカルな駅。
今日はここで駅弁を買っておかないと、お昼ごはんを食べそびれてしまうおそれがあり、20数分間の乗り継ぎ時間を利用して一旦改札を出て駅のキヨスクへと向かう。
駅はしっとりと落ち着いたいい感じなのに、改札の駅員(駅長かも…)さんがカシャカシャしている上に態度も横柄でちょっと気に入らない。 駅員の都合に合わせた時間にしか改札をしてもらえず、改札口の前に整列をさせられてから改札を受けて通るのは始めての体験。
「なんで?!」と思ったが、ここで議論しても始まらない…、 これが気仙沼の流儀なのだろう…。

駅員はいただけないが、気仙沼駅のキヨスクのおばちゃんはとっても気さくでいい感じ!
短い時間だったけど、おばちゃんとのおしゃべりは旅の一服が出来た。 そしておばちゃんお勧めの駅弁‘黄金龍のハモニカ飯’と、‘林檎のどら焼き’を購入して次に乗る列車を待った。

気仙沼駅から乗車した列車はここが始発駅ではなかった為、希望のシートには座れなかった。
乗客のマナーは都会とは違ってあまり良いとは言えない…。 2人掛けシートを向かい合わせにした4人分の座席を荷物などを置いて一人で占領している客が往々にして見られる。
「ここ、座ってもいいですか?」と尋ねれば空けてくれるだが、「俺が俺が…、オレのオレの…」、という どこかで聞いたフレーズ丸出しの場面に度々出くわす。
しばらくして乗客の乗降に伴い海側のシートが空いたので移動する。 LUCKY~!!

大船渡線の列車に揺られること1時間、次の乗り継ぎ駅である盛(さかり)駅に到着。
ここからはいよいよ観光列車・南リアス線に乗車となる。
つまり、青春18きっぷは利用出来ないので三陸鉄道の窓口のおばさんに言って乗車券を購入しようとしたのだが、「自販機で買ってくれ」と冷たく言われ、長らく待たされた後だっただけにちょっとムッとしたが、券売機に気が付かなかった自分も悪いので素直に自販機にて切符を購入した。
しかし、後々になって知ったことだが、青春18きっぷを見せて窓口で乗り継ぎの切符を購入すれば半額で割引乗車券が買えたそうで、そんなこととは知らず、おばさんにしてやられた! 

乗車券購入でかなりもたついた為、南リアス線の列車内は既に満席に近い状態となっていたが、1コーナーだけ空いているシートがあった。
そこはテーブルを挟んでペアーシートが向かい合わせになった4人分の座席で、進行方向向きの窓際のシートに一人のおじいさんが座っていたのだが、隣りのシートにはおじいさんの手荷物、そしてコーナーの入口を塞ぐかのように傘が向かいのシートに橋渡しされており、おじいさんは正面の座席下まで無造作に足を投げ出していたので、彼以外、誰も座ることが出来ない状態であった。
しかも、そのおじいさん、とても大柄で気難しそうな恐い顔をしているので誰も何も言えず、数人の乗客は座ることが出来ずに立ったまま横目でおじいさんを恨めしそうに見ていた。
「あぁ~、まただ…」と思いつつ、私は単に座りたかったのでそのおじいさんに、「ここの座席、空いていますよね?」と尋ねると、おじいさんは無言のまま私に視線を向けて、私がその返事を待たずに「ありがと~♪」というと、おじいさんは無言まま視線を窓の外へと移した。
私はシートに橋渡しされていた彼の傘をどけて、おじいさんと対角の逆向き通路側のシートに腰を沈めた。

車窓からの風景も思うように見られないし…と、私がテーブルの上にノートを広げてこのことをメモし始めると、今までそっぽを向いていたおじいさんが私のノートをチラッ チラッと盗み見しようと、視線に落ち着がなくなってきた。
私はこうしておじいさんの悪口を書いている訳だし、これを本人に見られては都合が悪いので、自然を装いながらそっとメモした部分を手で隠しノートに記入し続けた。
しかし、私が記入した部分を手で覆い隠したことで、おじいさんはますます私のノートが気になったみたい。
そんなおじいさんのしぐさが可愛くて、可笑しくて、ついつい私が一人笑いをすると、今まで身じろぎもしなかったおじいさんがゴソゴソと落着きをなくしはじめた。
ムチャムチャ笑える!
私が笑いを堪え切れずにおじいさんに笑顔を向けると、おじいさんは慌てて窓の外に視線を移して何事もなかったかのように装う。
この、一見恐そうで意地悪っぽそうなおじいさんのおかげで、今、私はすごく楽しい(^^)v
私って、性格悪~(^.^;)

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 13 ( 松島駅 → 気仙沼駅 ) [Travel]

朝、出発前に時間に余裕があっても、この後のスケジュールが気になってなかなか落ち着くことができないので、やはり早めに Check Out して駅へと向かう。

松島駅は予想外に小さく、とても静かな駅であった。
まだ誰もいないホーム。 駅向こうの森の中からセミが力強く鳴いている一方で、遠くホトトギスのやさしいさえずりが耳に聞こえ、視線の先の線路のわきには紫と紅のガク紫陽花の花が、昨夜の雨で息を吹き返したかのように美しく咲いている。
今日の空模様は薄曇り。 小さくそよぐ風が頬をやさしく撫でていく。 
私は、とある初夏の朝を描いた絵本の中に佇んでいるかのような錯覚をおぼえながらも、何度も出る大きなため息に少しウンザリしていた。

「自分に正直になる」って、ものすごく身勝手で、我儘で、傲慢なことだよね・・・・・
「自分にウソをつく」って、ものすごく惨めで、悲しくて、辛いことだよね・・・・・
だけど、どちらも苦しいってことには変わりなく、結局、私がどんな生き方をしようと、どんな自分でいようと、生きているということ、生きてゆくということ自体が苦しみなんだ・・・・・
そんな思いが幻想の絵本の世界を暗闇に変えてゆく。

列車がホームに入ってきた。 乗客は少なく、車内はとても静かだ。
さぁ、どうしよう?! 次の乗り継ぎ駅である小牛田(こごた)まで20分しかない。
このまま東北本線で北上して盛岡あたりで食べ歩きなどしようか? それとも三陸鉄道に初トライ!?
この時、曇り空の切れ間より日の光が列車内に差し込み、これをきっかけに「海を見よう」 と決め、三陸鉄道リアス線で青森へと向かうことに決めた。

小牛田から南三陸1号で気仙沼へ向かう列車では、海を眺めるには最高のシートを確保できたが、通路を挟んで隣のシートを、一人旅の男性より横取った三人組のおばあちゃんたちがとにかくうるさくて、周囲の乗客も一人二人と渋々車両を移動するほど…
しかし私はこのシートを離れたならば、海を望むことは出来まい…と思って、しぶとくも座席は移動はせずに、この賑やかさに耐える道を選択した。
それが良かったのか、悪かったのか…、 おかげで何の思案も出来ず、今日は心苛立つままの列車旅となった。

小牛田駅を出てからしばらくは宮城らしい田園風景が続き、志津川辺りまで来るとトンネルの合間に 山あり 田あり 海あり と、次々と変化する風景が退屈する隙を与えない。
お腹が鳴った…、 隣りでひたすらに食べ続け、しゃべり続けるおばあちゃんたちに影響されてか少しお腹が空いてきたので、宿で作ってもらったおにぎりを一つ食べた。
塩味はついていないが、大きな自家製梅干の入ったおにぎりは、なんだかとっても懐かしい味がした。

昔、毎年お盆休みに帰省する度に、帰りの道中で食べるようにとおばあちゃんが作って持たせてくれたおにぎりと同じ味がした。
おばあちゃんの作るおにぎりは、真ん丸くて、爆弾みたいに大きくて、おまけに塩気も薄ければ、中に何の具も入っていない、お米の味をまるまる満喫できる特別製の握りメシだ。
その大きなお米の塊りに、大きな海苔を何枚も使って包んでいく。
一番デカイのはお父さん用のおにぎりで、その次はお母さん用のおにぎり。
少し小さいのが私用で、一番小っちゃいのが妹用にと、おばあちゃんが愛情たっぷりにこしらえてくれたもので、それでも一度では食べきれないほど 大きな 大きな、そして気持ちのあったかくなるおにぎりだった。

懐かしいな~
でも、もう二度と食べることが出来ない・・・・・ 思い出の味は、思い出の中だけのもの・・・・・
祖母が亡くなった時も、母が亡くなった時も、 あぁ、すべてが思い出になって行く… と思った。
二度と手に入れることの出来ない時間の中に、次々と詰まって行く思い出を、私は一見、置いてきぼりにしているようでいて、実はその中に心地よい寝床をこしらえ、いつも、いつまでもそれにしがみ付いて離れ切れずにいるのではないのだろうか・・・・・・

そう思った時、「死ぬまでやってな!!」 と 冷たい言葉が耳をかすめた・・・・・・

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 12 ( 三日目の朝… ) [Travel]

昨夜はあまり眠れなかった。 その分、メモ帳にはぎっしりと文字が並んでいる。

朝食は和定食。 昨夜同様ダイニングには私だけ。 でも、食欲がなくって申し訳がない…
食べられなかったごはんで女将さん特製の大きな梅干入りのおにぎりを作ってもらった。 
小さな宿の、こ~ゆ~ところが好き[揺れるハート]

朝食後、部屋に戻ってから出発まで一時間近くも余裕があり、ついつい物想いにふけってしまう…

   私はどこへ行こうとしているのだろう… 
   私はどこへ向かおうとしているのだろう…
   自分の事なのに、私は何もわかっていない…
   本当に、一寸先の事はもちろん、今この瞬間のことすら私は全然わっていない…

   どんな夢を描いても、 どんなに希望に満ち溢れていたとしても、
   一瞬にして終りを告げる瞬間が必ず来るんだ
   その現実から目を背けてど~なる?
   いや、違う・・・・・
   その現実に心をかけることが出来ないから私だから、
   この現実に、この私の一寸先の現実に、私に代わって心をかけてくださる方がいる
   それが私の仏さま・・・・・
   それを私は知っている…  私はそれを知っている…

   「だったらちゃんと聞かせてもらおうよ」
     また阿弥陀さまがしゃしゃり出る
   「私の仏さまはどこにいる?」
     私の口から出てくる‘南無阿弥陀仏’
   「なまんだぶつは呪文じゃないよ、なまんだぶつは心だよ、なまんだぶつは力だよ」
     ‘南無阿弥陀仏’は ・・・  
     ‘南無阿弥陀仏’は、私を苦しめる呪文だわ!!

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 11 ( 二日目の終りに… ) [Travel]

一人旅の夜は寂しいでしょ? って言う人があるけど、私はそうは思わない。
旅行中に一番落ち着ける場所である宿で、誰に気を使うこともなく自分だけの世界に浸れる。 
ベッドに身体を横たえて、頭の中では自由に夢を描く。 多くの視線から開放され、やっと本当の自分を解き放つことが出来るのだから、こんな贅沢なことはないと思う。
眠くなったら寝ればいい…、 眠れなければ遊べばいい…、 時間も空間も私一人のためにあるのだから。

松島での夜、パソコンを開けるとたくさんのMailが入っていた。
それをとても嬉しく思うのは、やっぱり本心では一人が寂しいからなのかもしれないね…。
ただ、こんな私を心配してくれる人がいることがとても とても 嬉しくて…、ただ、感謝!

受信Mailの中に、御法座への参加確認のMailもあった。
その内容から、あぁ、やっぱり私は生きているだけで迷惑なんだろうな~と感じた。
だけど、こんな気持ちのまま死ねたら最高に幸せだよね!!
だって、私がこの世からいなくなることで、喜んでくれる、幸せ!って感じてくれる人がいるってことは、私の死も無駄ではないなって思えるから・・・・・
子供の時、「生まれてきて、ごめんなさい」って思った時、もっと私に勇気があったならば死ねたのに…
そうすれば大切な人たちを苦しませずにすんだのに…   そう、思った・・・・・・

もう、誰かに迷惑をかけるのは嫌だ。 裏を返せば、誰にも嫌われたくない。
そんなの無理だってわかっているから、もう誰とも関わり合いたくない…って思う・・・・・
私は、怖いんだ・・・・・  傷つくことが…、 そして生きていくことが…

私…、 私は、仏さまだけで十分だから…  私には、いつも阿弥陀さまが一緒にいてくださるから…、
だから、もう…、 他の誰もいらない・・・・・ 他には何もいらない・・・・・  って思った。

だって、みんな嘘ばっかり!  人も、私も、嘘ばっかりじゃん!!
約束なんて、破るためにあるのでしょ?!
優しさも、怒りも、自分の都合で発散しているだけのことじゃない!
そんなものに依存して、振り回されて、バカみたい!!!

だんだん嬉しくなってきた。 
大切な人に裏切られ、大好きな人から見限られ、愛する人から捨てられるのって、喉もと過ぎれば快感ね!
明日を生きることをあきらめれば、もう、裏切られることもなくなるし、
誰も好きにならなければ、何も期待しなくていいから傷つかずにすむ、
愛なんて求めるから、悲しくて、辛くて、苦しくなるのよ・・・・・・
だったら全部失くしちゃえばいい! すべて消し去ってしまえばいい! その根源である私自身を・・・・・・

あと二つ寝れば、明後日には目的地に着く。  そこには何があるのだろう・・・   

今、私は、とても幸せ・・・・・・・・・

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 10 ( 仙台駅 → 松島海岸駅 ) [Travel]

仙石線は仙台駅を出発してから10分もしない内に地上へと顔を出し、地下区間は極僅かである。
市街地より住宅街をぬけ、松島海岸駅の手前でほんの少しだけ海を望むことが出来るが、これを越えればまたトンネルと、景観を楽しむにはチョット難がある。

私は松島海岸駅にて途中下車。 そしてこの日の列車旅はこれにて終了。
列車を降りると小雨が振っており、持参した折り畳み傘に活躍の場ができた。
駅を出るとあちこちから遊覧船の呼び込みに声をかけられるが、私は前日に予約をしておいた船会社のチケット売り場に向かって先を急ぐ。
途中、焼き牡蠣のお店からすごくいい香りがして思わず足が向いてしまうが、こんな時間から食べては夕食に差し支える…、グッと我慢の子であった!
駅でもらった松島のパンフレットには、焼き牡蠣の他にも、牡蠣バーガーや 牛タンまんや ずんだもちなど、思わずよだれを心配してしまうような食案内が載っている。

松島といえば日本三景の一つとしてその名はよく知られている。
そもそも日本三景とは、江戸時代に全国を行脚した儒学者の林春斎が、『日本国事跡考』で絶賛した三つの景観であり、ここ「陸前松島」と、「安芸の宮島」と、「丹後の天橋立」を指す。
どこもそれぞれに個性的で確かに美しい。 その美しさをず~っと守ってほしいね!

3134495松島湾遊覧観光船のチケットを購入してから少し時間があったので観瀾亭を外より見学してからフェリーに乗船した。
クルーズは久しぶり。 乗客は私の他に二組の二人連で、たったの五人。 
船が出る頃には雨も上がった。
二十年前振りの松島湾の風景には、正直ちょっとガッカリだ・・・ ここまで海が汚れているとは思わなかった。
確かに曇り空というシチュエーションでは美しさも半減するだろうが、それだけではない…、何かもの足りない感じがどうしても拭えなかった。
遊覧観光は約50分をかけて松島海岸レストハウスから鐘島の脇を抜け、鍋島の辺りでU-turn して港へ帰ってくるコースで、父の故郷・七ヶ浜の断崖も見ることができた。

下船してからは荷物のほとんど入っていないスーツケースをゴロゴロ引きずりながら徒歩にて瑞厳寺・五大堂や福浦橋などを観光した後、すっかりさびれてどこか怪しい雰囲気の遊歩道を独りポチポチ歩きながら松島駅近くにある本日のお宿へと向かう。

3134496夕刻には宿に入り汗を流してから夕食のテーブルにつく。
他にも宿泊客はいる様子だが、食事付きプランは私一人きりとのことで、
レストランは貸し切り状態! 
その上、大きな生牡蠣や 蝦夷黒あわびのお造りまでまで付いた豪華な
海鮮ディナーを私一人の為に仕入れ、作って下さったのかと思うとチョット恐縮してしまう。
そう言えば、御法もそうやって聞かせていただかないとダメなんだよなぁ~、私一人の為のご苦労なんだって・・・・・  いかん、いかん、 また仏法が出てきてしまった!!
それでも、食前の挨拶はちゃんとさせていただいてから、誰に気兼ねすることもなく、一人美味しく夕食をいただいた。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 9 ( 郡山駅 → 仙台駅 ) [Travel]

今日、二回目の乗り継ぎ駅である郡山(福島)駅では乗り換え時間に余裕があったので駅構内の散策でもしようかとも思ったが、体力も本調子ではなかったし、冷房の効いた乗り継ぎ列車へ早々に乗り込んだ。
そして頭の中で日本地図を描いて現在地の確認をしながら、そういえば以前、新潟の小出から只見線で福島入りをしようとした時、線路内に雪崩れ込んだ雪の影響で列車がストップしてしまい、結局会津若松まで来ることができなかったことがあったな~ぁと懐かしく思い出す。

列車が動き出した。 
正面のシートに、まだ二歳にも満たない男の子が、時々奇声を上げてはぐずったり、かと思えば目新しいものを見つけては興奮ぎみに喜んだり、その度に母親が叱ったりなだめたりしながら手を尽くしているのを見て、YMさんがおっしゃった、「私らは二歳児の子供と何ら変わらへんで~!」と言われたことをフッと思い出した。

少なくともこの私は、両親に望まれてこの世に生を受けた。
生まれたばかりの私に、父も母も、「健やかに育って欲しい、幸せになって欲しい」と願いをかけて私を慈しんでくれた。
でも、そんなこと私は知らない…。 ほんの少し、それも時々、自分の都合に合わせてそう思うだけのこと…。
この世に出て間もない頃の私は、「お腹が空いた」「オシメが不快だ」「もっと愛して」と、その場限りの一方的な欲の心で泣いたり笑ったり叫んだり…、 そう、ちょっど目の前にいるあの子みたいに…
私は、父や母の、私にかけられた願いなど知る由もなく…、また知る智恵すらなく…、 たとえそれを聞かされたとしても、赤子の私には親の願いなど到底理解出来るはずもない…
仏さまから見られた今現在の私は、あの頃の私…、赤子の時の私と何ら変わりがないのだと、目の前で騒ぐ子供にまざまざと見せ付けられた。
そして私にはその子を見て疎ましく思う心しか持ち合わせていないが、私の親さまは、そんな無慈悲で一方通行の心しかない癇癪持ちの私を一度も疎ましく思うことなく、いつも いつも抱きしめてくださっているのだといつか御法座で聞かせていただいたっけ・・・。

嫌になる・・・・・・!
その御心がチットもわからん自分が嫌になる・・・・・・!!
わからん、わからんと自分を責めて苦しむくらいなら、いっそ誰かのせいにするか、それともそんなことなどすっかり忘れて自分勝手に生きるか・・・
そうだった! そうだった! 私はこれを捨てるために旅に出たのだ! 何をやっているんだ、私は!
さ~ぁ、気分を切り替えよう! 仏法なんてクソくらいだ!!!

郡山から福島駅までは住宅街の中を列車は進む。 そして、福島駅では今日三回目の乗り継ぎをする。
雲行きが怪しくなる中、列車が住宅街を抜けて山里へと入ってゆくと路面が少し濡れていた…、どうやらここら辺りではひと雨降ったようである。

列車内は結構混んでいる。 そんな中にあって、私の心中には小さな苛立ちが頭をもたげ始めている。
神経がかなり過敏になってきている…、 まだ二日目の午前中だというのに、既に疲れが出てきたか…

宮城県に入ると、列車は田園風景の中を軽快に進んでいく。
低く垂れ込めた雲が山の裾野を白く染め、雨上がりの露を乗せた木々や稲の緑と相まって美しいコントラストを描き、まるで一枚の絵を見ているようだ。
そんな景色に少しずつ心のエネルギーを回復させ、今日四回目の乗り継ぎ駅である白石駅にて仙台行きの列車に乗り換えた。

「仙台」・・・、やっぱり懐かしい響きがする。 父の生まれ故郷だ。
おばあちゃんが生きていた頃は毎年お盆休みに帰省して、一年に一度の再会を存分に楽しんだ土地で、数々の夏の想い出がつまっている。
仙台を通り過ぎることは何度かあっても、この街に立ち寄るのは、かれこれ二十年振りになろうか…。

仙台駅に到着。 やはり東北一の都会と言った感じで、駅も人も活気に満ちている。
お腹は空いていなかったが、とりあえず仙台駅にて一番小さな駅弁を購入する。
しかし、落ち着いて食べられる場所もなく…、しかたなく次に乗る予定の地下鉄のホームにてチャチャッと昼食を済ませた。

仙台駅からは石仙線(都心の一部のみ地下鉄)に乗り換えて、今日の目的地である松島へと最後のコマを進める。
そういえば仙台に初めて地下鉄が開通した時、仙台の友達がすごく自慢してたっけ? あの子、今頃ど~してるかな~? な~んて、やはり懐かしい想い出が随所で湧き上がってくる。

仙台駅から乗車後、しばらくの間は今回の旅行で始めての立ち乗車となった。
車内は部活帰りの高校生らでかなりごった返していた。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 8 ( 宇都宮駅 → 郡山駅 ) [Travel]

二日目、朝6時起床。 昨夜は睡眠薬を使わずに鎮痛座の服用のみでもグッスリと眠ることができた。
朝食はHOTEL内のレストランにて郷土料理のBuffetをいただく。 
地物野菜や栃木の名物・湯葉などの美味しそうなお料理を目の前にして手を合わせたところで我ながら驚いたのは、今まで自発的に出たことのない食前の言葉がついうっかりと口をついて出た。
合っているのか間違っているのかはわからないが、取り合えず口を閉ざすことなく声に出しながら、でも心中では、「深く御恩を喜ぶことも出来ないし、有り難くいただくこともできないけど、このご馳走にありつけたおかげ様をいただきます!」と変換して朝食をいただいた。
これを見ていた向かいのテーブルで食事中の男性が、あっけに取られてこちらを見ているのがとても可笑しかった。
レストラン内はビジネスマンonlyで観光客とか女性の姿は見当たらない。
一人寂しく食べている人、上司と向かい合わせで居心地悪そうに食べている人、同僚に愚痴をツラツラ並べて食べている人などなど、皆それぞれの朝が始まったんだな~ぁ…、でも…、今日、自分に何が起こるかなんて皆誰もわかっていないんだよな~ぁ…、 この私も・・・・・

朝食後、HOTELの客室にいても落ち着かないので早めに Check Out して駅へと向かう。
朝の8時少し過ぎ、通勤・通学の人波を掻き分けながらホームに立つと真夏の蒸し暑さがジワジワと肌に伝わり、そんな中で新聞を広げてザッと目を通す。

そういえば、昨日・旅の初日にあった先行きの見えない不安というものがすっかり消えている・・・ なぜだろう・・・
私がバカだから…? それもある…。  
ただ何となく、一人で旅をしているような気持ちにはなれない…、という実感もある。
「仏さまとの二人旅?…」 そんな思い付きを慌てて頭で打ち消して新聞記事に意識を戻した。

ホームに電車が入ってきた。 …が、しかし、ドアが開かない…。
私の後ろに並んでいたおばさんが私の横からニョキッと手を伸ばして無言のままドア横のボタンを押す。
おぉぉ~、そうだった! JRの田舎路線ではプッシュ式の自動ドアで乗客自身がドアの開閉をしないといけないということを思い出して、田舎に来た喜びに軽く感動した。

今日も定刻に列車旅はスタートした。 宇都宮の町を抜けると緑の田園風景がどこまでも続く。
那須駅を過ぎて今日一回目の乗り継ぎ駅となる黒磯駅にて乗り換えた列車内で絵描きさんと出会う。
列車の停車時間を利用してスケッチされたその絵は誰もいない黒磯駅のホームの風景で、私は彼のスケッチブックを覗き込みながら一言二言会話を交わした。
目で見たもの…、耳に聞いたこと…、そして心に感じたこと…、 それらを彼は絵に表わして絵に残し、私は文字にしたためて文字に残す。
「どうして残したいのでしょう~ね~・・・?」とつぶやいた私に、「どうしてでしょうね~・・・?」と受け答えた彼はスケッチブックを静かに閉じて、逆に私はノートを広げてその思いを文字にした。

黒磯駅からの東北本線は所々にローカル線の趣を残し、車窓からの風景は、深まる緑と野生的な素朴さで見ていて飽きることがない。
まだ色を残した紫陽花の花や土手に咲く白いユリの花が、まるで季節を巻き戻し過去へと引き返してくれたように、目にも心にも穏やかさを届けてくれた。

しかしこの列車、車内アナウンスが あったり なかったり … もし途中下車を要する旅ならば、ついうっかりと乗り過ごしてしまいそうで気が抜けないな~ぁ …

「なぜ? どうして私は人間なのだろう・・・?」 と、不意に自問する。
こんな思い付きにも気が抜けない・・・ 油断した一瞬に突然湧き出してくる得体の知れない考え…。

  今生で決着をつけねばならないことがあると聞かされた。
  私はそれを知っていながら自身の心に振り回されるままに、
  時には求めるフリをしてみたり…、 
  時にはど~でもいいやと投げ捨ててみたり…、
  それでもこれを忘れ去ることができずにいる私って、
  いったい何がしたいんだろう…、 
  いったい何を望んでいるのだろう…、
  私・・・・・  何をやってんだか・・・・・・

ノートから目を上げて、フッと向かいのガラス窓に映る自分の顔から視線をそらした。 そして、ハッとした。 
私は自分の姿のみならず、自分の心からも視線を背けているのではないだろうか・・・
私は、目に映る自分の姿も、法の鏡に映し出された自分自身も、大嫌いだ! 見たくない!
そう思った時、思わず叫び出しそうになった。 もし、周囲に誰もいなかったら大声で叫んでいたかもしれない。
「うるさい!うるさい!  仏法なんか大っ嫌いって言ってるでしょ! 思い出したくないって言ってるでしょ! とっとと頭から消え去れ~~~っ!!!」  って・・・・・

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

ドライブ  信州・ビーナスライン [Travel]

夫に金曜日のデートの約束をドタキャンされて、その穴埋めにと翌土曜日、ETC休日特別割引を利用しての日帰りドライブデートをすることになった。
「どこへ行きたい?」 「涼しくて、美味しいところ!」 ということで行き先は長野県に決定!
でも、詳細は行き当たりバッタリの成り行き任せで、とにかく朝6時半に家を出て長野方面へと向かう。
途中、随所でサービスエリアに立ち寄って、名物のスナックやおすすめのスイーツなどをつまみながら、彼は運転を楽しみ、私は助手席でのんびりとしたひと時を楽しんだ。
それでもやっぱり時間を持て余してしまうので、彼にも興味が持てそうな仏法のお話しなどを2つ、3つとしてみるが、御法以外のところでは興味を示すものの、仏さまのお話しになるとこれを敏感に排除して相槌すらなくなってしまう…
本能的に仏法を嗅ぎ分けて耳には入れないという彼の特技は、ある意味天才的かも…、なとどと感心しつつ、でもやっぱり反応が無いのはつまらないので、他の話題に変えて話すか、一人で鼻歌などを歌いながらそれなりにドライブを楽しむ。

長野自動車道を岡谷ICで下りて、国道142号線を北に進み、和田峠よりビーナスラインに入る。
ビーナスラインを走るのは4年ぶり?5年ぶり? 忘れちゃったけど、通行料無料というのは嬉しい!
和田峠から扉峠を通って美ヶ原高原に到着した時には、既に正午近くになっていた。
どうしてこんなに時間がかかったのかと言えば、アレコレ興味を惹かれるままに寄り道多き私が原因(^.^ゞ
特に夏山の天然お花畑が好きで、野を歩き始めたら止まらなくなっちゃって、ドライブを楽しむというよりも、途中下車のお散歩を楽しんでいる風で、なかなか前へと進めない…。
3118715
夫の愚痴は軽く聞き流して、一人、野の花々にふれながらフッと思った。
『阿弥陀経』に説かれているきらびやかな御浄土のお花畑よりも、もっと素朴で、頑張って 頑張って、小さくてもここにしっかりと根を張って咲いてるぞ!っていう野の草花の方のが私は好きかも…、なんて・・・ ものすごく高飛車で自分知らずの生意気な私・・・・・・
地獄に咲く草花を、私は何と見るのかしら? 葉は剣…、花は悪虫…、 地獄なんて、夢物語よッ・・・・・

美ヶ原高原をしばらく散策した後、再び元来た道を戻って、ビーナスライン沿いの風景を楽しむ。
八島高原は駐車場が満車で立ち寄ることが出来なかったのが残念だったが、所々で停車しながら霧が峰高原や車山高原の景色を堪能した後、2時少し過ぎに目的地であるお蕎麦屋さんに到着!
白樺湖より少し北に入った国道152号線沿いある「利休庵」は、以前たまたま立ち寄った時にここのかき揚げ天ぷらに惚れて再来店したのだが…、いつの間にこんな人気店になってしまったのか・・・、 2時を過ぎていたのにお店の前には人の行列ができていた。
3118724結局30分ほど外で待ってやっと入店できたのだが、お目当てのかき揚げ天ぷらは40分待ちだと言われ…、しかしここまで来てあきらめるわけにもいかず、ひたすら待つこと30分! やっと昼食にあり付けた時は3時をとうに回っていた。 その上、身体が本調子ではなかったために半分ほどしか食べられず、しかも天ぷら油が胃にもたれてしまって、この後、胸焼けに悩まされることとなった…

Launchの後は再びビーナスラインに戻って、白樺高原を経由し蓼科湖でしばしの休憩。
そういえば、今は亡き祖母と母を連れて女三代でここに来たっけ・・・ と、思い出した。
あと…、この世に残っているのは私だけ・・・  つまり、次に死ぬのは私なんだ・・・・・・

ビーナスラインも茅野市に入ると一般道と何ら変わりは無い。 
3118733もうすぐ日暮れだ…  渋滞の列に巻き込まれながら、その場の思いつきで諏訪湖に映る夕日を見に行こう!と私が言い出し、諏訪ICをそのまま通り過ぎて諏訪湖へと向かった。
湖の畔にある公園の駐車場に車を停めたのが日の入り15分前。
公園を通り抜けて岸辺のブロックに腰を落ち着けると、ちょうど Sunset ショーが始まった。
とってもきれい・・・・・・  
夕日を見ていると、時の流れが見える。
刻一刻が、過去になって行くのが実感できる。 
過去にしがみ付くことの無意味さ と 未来を思い描くことの虚しさが、胸の中でざわめき出す・・・・・・
“今” は、 過去と未来を背中合わせにした時の流れであって、それ自体、実態はなく、故に掴めないが、一番重要なのは、過去でも未来でもない “今” なんだ…

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 7 ( 一日目の終りに… ) [Travel]

私は、いつだって死にたがっている… 
そんな自分と出会うのが恐ろしくて、いつも目をそらし、耳を塞いぎながら、背を向けて生きて来た…
でも、私は仏法と出遇ってしまった・・・・・。 

そいつは真正面から “孤独”だとか、“死”だとかを私に突きつけてきた・・・・・。
初めの内は私も、まるで冗談という名の球をもてあそぶかのように上手くかわすことが出来ていたから、それ自体が楽しくもあった。
しかし、次第にその球を避けきれなくなってきて、一つ、二つと当てられ…、 自分が劣勢に立たされると、その遊び自体も面白くなくなってきて、「いち抜けた!」と言わんばかりに逃げ腰の体制になった。

「逃げ?・・・・・」  私は逃げているの?

  >> 君は、久遠の過去世から今日まで阿弥陀如来のお救いから逃げ続けて来た。
  >> しかし、君がどこへ逃げようとも阿弥陀如来は追いかけて来てくださる。
  >> 阿弥陀如来には、今生にて君の迷いを打ち止めにするという強い願いがあるから。

宇都宮のHOTELに着いてから部屋でNETをつなげた時、そのTopに入ってきたmailの冒頭にそのように書かれてあった。 
予期せぬ人から届いたそのMailに、正直、驚きよりも喜びの方が大きくて、Mailの内容云々よりも、今の私をそのまんま文字にしてすぐさま返信した。
そうしている内に、いつの間にかすっかり御法の中に浸かっている自分に気がついた。

「仏法との縁は断ち切るんだ!」 と 決めて旅立ったはずだった…。
仏法に振り回される生き方を否定し、仏法と出遇う前の自分に時間を戻して、一秒でも早く仏法のことなんか忘れてやるんだ! と家を出たはずだった…。
その為に新しい何かを見つけようと思って旅に出たのか…、それともこの命もろともに断ち切ってしまおうと思って旅に出たのか…、あの時も、今も、それはわからない…。
生きたいのか… 死にたいのか…、 そんなこと考える余裕も無かったから・・・
でも、生き方も、死に方も、そんなもの ど~でもよかったのかもしれない。 
あの時の私にとっては、仏法を捨てて生き行くことも、死んで地獄に堕ち行くことも、両方とも幸せへの第一歩だと思っていたから・・・
ただ、今現在の苦しみから逃れることが夢であり、この悲しみから抜け出ることを望み、孤独な自分を忘れ去ることが願いだった・・・
ただ、手で受け取れる幸せ、目に見える幸せが欲しくて、そんな幸せを肌で感じ、心いっぱいに満たしたかった・・・

「阿弥陀如来にこの身を包まれようとも、この身が法の泉に沈んだとても、私は決して法とは向き合わぬ!」 と 決めて旅立ったのだ!
それなのになんだって法は私の頭の中に介入してくるのか! なんだって私の時間に法は割り込んでくるのか! なんだって私の生活を法で染めようとするのか!
鬱陶しい!  鬱陶しい!!  ああ、鬱陶しい!!! 

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 6 ( 上野駅 → 宇都宮駅 ) [Travel]

列車内は予想に反してかなり空いていた。 と言っても乗客数が少ないというわけではなく、JR東日本・熱海からこちらは、普通(鈍行)列車でも15両編成で運行されていて新幹線並みに長いので乗客は分散され、平日の日中は夏休み中といえどもこんな感じなのだろう。
今朝、名古屋を出てからず~っとシートの確保が出来ていて非常にLUCKYなのだが、そろそろおしりもお疲れだ。

上野駅を出てすぐ、尾久車両センターにて停車中の「寝台特急・カシオペア」を発見! 
い~な~ぁ、 乗ってみたいな~ぁ、 先端にあるカシオペア展望スイートに・・・!!

都心部ではビルばかりの風景に少し退屈をしていたが、都心から離れるにつれ車窓からの風景も様々に変化があって案外楽しめた。
天候は相変わらずの曇り空だし、体調も上々とは言い難いが、精神的にはかなり安定している。
ただ…、 何か定まったもののない不安定さを、自分自身、誤魔化すことができずにいた…。
私は、逃げているのだろうか・・・・・
新しいものを探求し、理想の未来を追求するという行為自体、過去から逃げているということになるのだろうか・・・・・

  振り返ってみれば、私はいつも探しモノをしていた・・・・・
  探しているものは何なのか・・・ 
  それすらもわからないままに・・・
  いつも、いつも、必死になって探している自分の姿を、
  なんだか、憐れとさえ思いながら・・・・・

埼玉駅を過ぎて蓮田(はすだ)という町にさしかかると、所々に蓮田があり遅咲きの蓮華が咲いていた。
寄りたい…、 途中下車して写真を撮りに行きたい…、 でもそれは無理…。 それが列車旅のツライところ。
今度は、My Car 一人旅にでも初トライをしてみようかしら…? それこそ命がけの挑戦になるわね!

宇都宮駅の少し手前で、車窓越しに葬儀風景を目にした。
生花での盛り花が一般的である東海地方ではなかなかお目にかかることの出来ない、造花による花輪(花環)が立ち並べられていたのを見て、少し懐かしさをおぼえた。
小学校4年生の秋に、父方の祖母が他界した。 
一年の内のたった一週間だけを一緒に過ごすことのできる大好きな祖母の葬儀が、私にとっては生まれて初めて体験する身内の死であり、また親しい人との永遠のお別れであった。
その祖母の葬儀に飾られていた花輪(花環)とその情景を、私は今も忘れてはいない・・・・・

宇都宮駅到着まで、あと10分ほどだ。 今日の列車旅は宇都宮が終着駅である。
初日の体力はここまでが限界…。 それに、これより先に進んでも適当な宿がみつからないのだ。

3101653宇都宮駅は、想像していたよりものんびりとした感じで都会っぽいさはなかった。
16時頃にHOTEL入りしてから、少し市内を散策しようかとも思ったが、体調と相談した結果この日はおとなしく部屋で過ごすことにした。
それに、部屋に入ってから Mail Check をしてみたら、思いがけないMailも入っていて、その返信をしていたらちょうど Dinner Time となった。

夕食は、もちろん宇都宮餃子!
3101654HOTELのフロントでいくつかお勧めのお店を聞いてMAPを片手に外に出たが、ジメジメっとした暑さに歩き回る気にもなれず、一番ポピュラーで手近だった‘宇都宮餃子館’にて、焼き餃子はもちろんのこと、蒸し餃子、揚げ餃子、スープ餃子と餃子づくしの餃子セット¥1,000をいただいた。 Good!!
地元のおじさんたちにまじってCounterで美味しくいただき、お土産用に宅配餃子の注文までしてしまった!

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 5 ( 熱海駅 → 上野駅 ) [Travel]

熱海駅を出てからしばらくは、海岸沿いの風景が続く。 
曇り空でなければ、少しは感動できたかもしれないのに…、と思った。

列車内はかなり賑やか。 でも、乗客で混雑しているというわけではない。
所変わればマナーも変わるということ。
列車内での携帯通話や、イヤフォン未使用でのワンセグ視聴。 人前で恥ずかし気もなく化粧をするご夫人に、つり革でストレッチ体操をしている老夫婦。 また、車内で大騒ぎをしている子供たちを注意する大人はいない。 
そんなモラルの無法地帯に軽いショックをおぼえ、苛立った心が頭をもたげた…。

茅ヶ崎を越えると風景は住宅街へと変わり、車内にはビジネスマンの姿も目立ってきた。
そして横浜まで来ると車窓からの風景はビルの林と化し、その四角く無機質なコンクリートの箱の表面に整然と並べられたいくつもの小さな窓を見ていると、その一つ一つの窓の向こうに、いったい幾つの人生が存在しているのだろうかと思い、何だかとても息の詰まる思いがした。

私は・・・・・・・   不恰好な木々や、 水音のする川や、 草花をなびかせる季節の風を感じられない場所では、生きていくことなんて出来ないかもしれない… と 思った。

数日前の眠れぬ夜に、こんな言葉が突いて出た。

   本当は、ただ ボーッと、風を感じていたいだけ ・・・・・
3099602   本当は、ただ ボーッと、水の流れを見ていたいだけ ・・・・・
   本当は、ただ ボーッと、光の中で穏やかに微笑んでいたいだけ ・・・・・
   何も考えず ・・・・・・   
   植物の如く ・・・・・・ 
   ただ  地球は、 回る、 回る、 回る ・・・・・・・・・・・・
   枯れ行くままに、無常の大河に身を委ねた植物になれ!
   心なんて ・・・・・・、  持つもんじゃない ・・・・・・・・・・・・

都心に近づくにつれ列車内の混雑は激しくなり、目に映るものといえば背広か手荷物くらいなものだ。
時折顔を上げると、必ずと言ってよいほど誰かと視線が交わるが、一瞬で目をそらされてしまう。
そんな露骨に逃げなくてもいいのに…、と心の中でつぶやきながら、暇つぶしにその人の人となりを勝手に想像して、頭の中で見知らぬ他人を弄ぶ。 悪趣味だね!

いつの間にか品川駅まで来ていた。 あと二駅で東京駅だ。 さぁ~、 今日、三回目の乗換となる。
久しぶりの東京駅だが、ぶらりとお散歩をする時間もなく、すぐに上野駅へとむかった。
上野駅ならホームに近い場所で食事ができるため時間のlossが少ないと思い、この日はここでLaunch time。
しかし、食欲が全然なかった為に入りたいと思う飲食店をなかなか決めることが出来ず、結局かなり迷った挙句、飲食コーナーのある駅弁屋さんでHalf Sizeの駅弁を購入して急いで食べることになった。

上野駅からはいよいよ東北本線だ。 これを乗り継ぎ、乗り継ぎ行けば、北の果てまで行ける…。

でも、 私は、何の為に北の果てを目指しているのだろう・・・・・・
そして、 北の果てには、いったい何があるというのだろう・・・・・・

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 4 ( 静岡駅 → 熱海駅 ) [Travel]

静岡駅を過ぎた辺りから少し退屈さを感じ、フッとあの手紙の存在を思い出してバッグより取り出した。
自身でタイプしたものでありながら自分の言葉にはあらず・・・ この私に届けられたその言葉たち。
四つに折りたたまれたその手紙を恐る恐る広げて読み始めるが、出だしの三行から先に読み進めることが出来ない…
最初の三行だけを幾度となく読み返していると不意に涙がこぼれ落ちそうになって、私は静かにその手紙を閉じた…

由比を過ぎた辺りで雨は上がり、部分的な雲の切れ間からうっすらとではあるが、日の光が地上に向かって直線を描く。
しかし、低く敷き詰められた雲によって富士山はほんの裾野辺りまでしか望むことができなかった。

あんな手紙を読んでしまったせいか、嫌なことを思い出してしまい少し気分が滅入る・・・

一週間前に参加した御法座の後、毎度恒例となっている法座明けに届くYuさんからのケチョンケチョンメール…
今回のものは、今まで以上に滅多切りのグサグサで、ボコボコに張っ倒されたあげく、ボロボロになった所で思いっきり蹴落とされて…(^^;) (ゴメンなさい、ちょっと言葉が過ぎました…(^.^ゞ)  でも、それを思い出しただけで動悸・息切れに襲われて不整脈を抑える為の頓服が必要となるほど、私にとってはかなり堪える言葉が並んでいた・・・・・・

だから私は、自分を守るために必死でそれを忘れようとした…
でも、この時の私は、そのキツイ言葉を思い出しても、多少呼吸が乱れた程度で大事には至らなかった。
それどころか、一つずつだけど、今までとは違った方向からその言葉たちと向き合うことが出来たような気がする。

この時不意に、以前、S先生が御法座でお話しくださった 「阿闍世(アジャセ)は私」 という言葉がよみがえり、そして同時にあの手紙に書かれてあった 「真の親」 という言葉と重なって、私は何かとてつもない大きな衝撃を受けた気がした。
「アジャセは私…、 私はアジャセ…、 アジャセは私…、 私はアジャセ…、 ・・・・・・」
御法座で聞かせていただいた時には、何だかぼんやりとしてよくわからなかったものが、今、まだわからないままだけど、それでもその大きさだけは感じられたような気がした。

私は自分の心を速し立てながら、 「今、気付いたならば、 今、考えなくっちゃ! 先延ばしにしたらダメ!  今、今、今、  今、ここで考えなくっちゃ!」 と、必死になって自分の中を探し始めた。
そして次第に薄れてゆく “感じ” と “思い” を必死になって追いかけている自分に気付き、
「何をやっているんだ、私は…!  過去の産物にしがみ付いてどうする…!  自分の中を探して何があるというのだ…!  バカだ・・・  バカだ、ばかだ、馬鹿だ!!!」

これで一気に疲れてしまった・・・・・・

函南(かんなみ)駅を出て丹那トンネルを抜けると、今日二度目の乗り継ぎ駅である熱海駅に到着する。
長いトンネルの中で暗闇に慣れた目は、トンネルを抜け出た先の光の世界をすぐに見ることは出来ない。
目が慣れてきた時に見えた景色は、とても穏やかな駿河の海が、はるか遠くまで続いていた。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 3 ( 名古屋駅 → 静岡駅 ) [Travel]

通勤・通学ラッシュの時間をむかえても列車内の混雑は予想を下回り、横席のおばさんには気を使いつつ肩身を縮こませながらもパソコンを広げてBLOGを更新することが出来た。

ここのところ明らかに情緒不安定なBLOGが続いており、読み返してみると自分自身かなり恥ずかし~ィ と言う思いもあったが、しかし、それも これも 全部 “私” なのだと、ほんのちょびっとだけど、この世を賢く生きぬく為に無意識の内に身に付けてきた “建て前の私” というヤツをチョットくらいは肩から下してもいいかなぁ、というような心持ちになったので、そのままにしておくことにした。
ただ、「もう、仏法に関することは一切書くまい…」という心づもりに変わりはなかった。

BLOGにて今回の旅のプロローグをUPした後は、いつも携帯しているメモ帳とシャーペンを膝の上に置いて流れ行く車窓からの風景を楽しんだ。
緑豊かな田園風景を見下ろし、通勤ラッシュの車の列を横目に、散歩中の人を目で追う。
木立の合間を抜ける時にはセミの鳴き声が列車内にも入ってきて、夏旅を感じさせてくれた。
こうした五感でとらえた“感じ”を 時折メモにとっていくと、視線は車窓から外の風景を追っているのに、その視線の先にはいつも自分の心があって、知らず知らずの内に自己の思いにばかり目を向けていることがわかる。
心の中での一人遊び…。 幼い頃からの私の得意技だ…。
次々に移り変わる風景の中に、私は記憶の箱よりきれいな思い出だけを取り出してその景色の中に当てはめていった。

もうすぐ最初の乗り継ぎ駅、浜松駅に到着する。 今にも雨が降り出しそうな空模様であった。

名古屋から浜松までは2時間弱、 浜松から熱海までは2時間半、 熱海から東京までは2時間弱 と、乗り継ぎ時間まで含めれば6時間以上を要し、しかも今日の目的地である宇都宮までを考えるとまだまだ先は長い。

静岡県掛川市辺りで本格的に雨が降り出した。
そう言えば、先月静岡に来た時も雨曇りで富士山を拝めなかった…
「出かける日にちを先に決めるからいけないんだ。 快晴の天気になったら富士山を見に行けば何の問題もない!」と言った人がいた。 ホントにその通りだよね…!!

列車内には空席も目立ち、皆それぞれ思い思いに移動時間を過ごしている。
楽しそうにあやとりをしている母娘を見つけ、とても懐かしく、あたたかな思い出がよみがえる。
その隣には、周囲の迷惑も考えず、耳障りな機械音を発しながらDSで遊ぶ子供たち。
向かい側の席には、I-Potで音楽を聴いている人と、文庫本を読んでいる人。
デジタルとアナログ、雑音と無音、老・若、男・女、・・・・・ 見渡してみると、様々ものが相対している… と感じた。

一人旅は、誰に気を使うこともなく自分時間を自由に使える。 自分の世話だけをしていればよいので気楽だ。
たとえ体調が悪くなっても同行者に気兼ねをして我慢をしたり、取り繕って笑顔を作る必要もない。
そう思った時、前回の二人旅で互いの体調不良が原因となって散々な旅になってしまったことを思い出した。
私は争いごとが大嫌いで、相手に怒りの心が芽生えると、問題は何であれすぐに自分自身を追い込んでしまうという悪癖があって、あの時はそれが余計に相手を怒らせてしまうという結果に終わった。
その時のことをあれこれ思い浮かべていたら、今まで気付けずに悩み苦しんでいたことが嘘のように心の中で次々に紐解かれて行き、「あぁ、そうだったんだ!」と少し明るい気持ちにさえなった。
あぁ~、もし、また会うことが出来たならば、この思いを伝えたいなぁ…  そう思った。

その時、たまたま隣に腰掛けていたユメちゃんという7歳の少女に、「ほら見て! 電車がシャワーを浴びてるよ!」と声をかけられた。
あぁ! こんなに短い言葉でも自分の想いは人に伝えられる…。 
そして私は、口で言える! そして耳で聞ける!
そんな当たり前のことがひどく感動的に思えた。

静岡駅に近づくにつれ列車内は混み出してきたが、静岡駅を過ぎると車内は再び閑散とし、話し相手のユメちゃんともここでお別れとなった。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 2 ( one’s belongings ) [Travel]

行き先はその時の思いつきで、本州最北の下北半島にある恐山に決定し、夫の許可も難なく下りた。
なぜ、恐山なのか?   そんなのわからない・・・・・。  
自分でも予測していなかった思いつきだったが、旅に対する不安とか、行き先に対する違和感といったものは感じられなかった。
ただ、そこから先のスケジュールは何も立てられなかったから、夫には、「北へ行く」と言って家を出た。

7月28日早朝、夫に駅まで車で送ってもらい、夫から 「一日一度は現在地の連絡を入れてね! 二日間連絡がなかったら三日目には捜索願いを出すから!」と、冗談交じりに見送ってもらう。
そして、先を急ぐ旅ではないし、安上がりな旅をしようと青春18きっぷを購入して早朝の列車に乗り込んだ。

手荷物は小型のスーツケースに三日分の着替えとノートパソコン、そして一枚の写真と 一通の手紙。

写真は、選んだ一枚で、恐山の山中に埋めてこようか…、それとも北の海峡に破り捨てようか…、そんな根暗なことを楽しく考えながらバッグにしのばせた。

手紙は・・・・・・・・

旅に出る前の日(27日)、その前日(26日)の深夜に溢れ出てきた言葉を、暗闇の中、半覚の状態で書きなぐったノートを持って書斎でそれを読んでみた。
自分で書いたものながら、なかなか面白い名言が並んでいたので、それらをパソコンにて清書でもしようかと、読み難い文字を拾いながらキーボードをたたいた。
悔しいかな・・・、 忘れようと心に決めたはずの仏法が、自らの手で文字となって私に何かを訴えようとしている気がした。
走り書きした文字の清書作業を終えようとした時、ノートには書かれていない言葉が頭の中を占領し始めた。
ついでにメモでもしておくか…程度の軽い気持ちで再びキーボードに向かうと、それはどんどんエスカレートして行き、自分の意識とはかけ離れたところでそれとの対話が始まったような感覚だった。

「仏法なんて大嫌い! もうウンザリよ! いいかげんにして!」 と 罵った数日前のあの時と同様に、止めどもなく溢れ出る大粒の涙で眼前はふさがれた。
聞き覚えるある言葉も、聞き覚えのない言葉も、頭の中に入ってくる言葉たちを、私は大声で否定しながら、それでもその言葉にすがり付いていった。
どれほど泣いていただろう・・・・・   1時間くらい…?  それ以上…?
パソコンの画面上に、半分無意識のままに打ち込まれた文字が並んでいる。
それを読み返したら、また涙が溢れて止まらなくなった・・・・・・
懺悔・・・・・・・  そんな心は残念ながら持ち合わせてはいない。
だけど、わたしにとってはただの落し物でしかない涙だったけど、 何か、‘懺悔’という薫のする涙だった・・・・・・

少し落ち着いてから、私はその文章の後に、自分の言葉を書き添えた。

「涙は続かない…  
 喜びも、悲しみも、アッと言う間に消えてしまう。
 でも…、 たった一つだけ続くものがある…
 たった一つだけ、決して消えないものがある…
 それが、わたしに届けられた‘南無阿弥陀仏’…  
 私の称える‘南無阿弥陀仏’」

認めたくないけど、 壊れかけた私を…、腐りかけた私を治してくれたのは、この時、私の口から突いて出た‘南無阿弥陀仏’だった。 私の大嫌いな‘南無阿弥陀仏’だった。

この時に書かれたものをプリントアウトして、この言葉(手紙)と共に私は旅に出た。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

2009夏 一人旅・回想録 1 ( a Motive ) [Travel]

この旅を思い立ったのは出発の二日前。
何もかもが煩わしかった…。  生きることも…。 死ぬことも…。 
自分が自分であることすら許せない…。
私という存在のすべてを否定されながら、どうして私は存在しているのか・・・・・ 
それが許せなかった・・・・・
鈍い軋み音をたてて私が壊れていく…、 
悪臭を放ちながら私が腐敗していく…、     それが恐かった・・・・・

動機・・・・・  今回の旅というか、家出というか、その動機というものを考えてみた時、やっぱりそこには “仏法” というものがあった…。
きっかけ・・・・・  そして決定的なきっかけとなったのは、一通のメール…。 

現実逃避と言われれば、その通りだろう。 確かに、何もかも捨ててしまいたかった。
私は、私をこの苦しみに追い込んだすべてのモノに刃を向けながらも、自分をも切り刻んでいた・・・・・
そのくせ、しがみ付けそうな岸辺を必死になって探し求めていた・・・・・。

でも、 眠る… とか、 食べる… とか、 生きて行くために当たり前にしていたことすら出来なくなって…
それなのに外面を取り繕うことは何の苦もなく出来て、家族にも、友達にも、ドクターにすら平気な顔をして‘普通’を装う…

ただ…、 眠りたかった・・・・・・     処方された薬も効かなくなっていた…
眠ろうと努力をすれば吐き気に襲われ…、眠るのを諦めると、待っていましたとばかりに闇の心が胸を締め付ける…。

自身を恨み、自身を卑下しても何も解決しないと知ると、怒りの矛先は自分から仏さまの方へと移って行った。
自分にこんな感情があっただなんて、今まで気付きもしなかった…。
違う・・・・・・・
私は、ずっと、ず~っと、‘他人を恨む’という感情を抑えながら生きてきただけだったのだろう…
人を恨めば、自分を嫌悪する心と虚しさが生じる…  だから、自分自身を恨み・呪っていた方が、私にとっては楽だったのかもしれない…

爆発した怒りに任せ、出てくるだけの悪態を言葉に代えて仏さまを罵った。
大声で泣きながら御法を罵倒した。
そうしたら・・・・・・  自分の気持ちは全然晴れてこないのに、「この涙は私の涙じゃない… 仏さまが悲しんでおられる涙だ…」 ということだけはハッキリわかった・・・・・・
それが悔しくて…、辛くて…、苦しくて…、 私は声が枯れるまで泣き続け・・・、
そして、「絶対に仏法なんか忘れてやるんだ!」 と、心に固く誓った。

その翌々日の日曜日の深夜、ベッドの上でうつらうつらしながら過ごしていると、頭の中からたくさんの言葉たちがあふれ出してきた。
意もせず、ただ何気なく、真っ暗闇の寝室で、枕元に置いてあったノートに、出てきた言葉たちを走り書きしていった。

そして夜明け前…、 私は浅い眠りの中で鼻をつく悪臭を感じて息を詰まらせた。
そして、その臭いは、自分が腐敗している臭いだと気付き…、 私は、「このままでいい…  このまま、身も 心も 腐って、私なんてなくなってしまえばいい…!」 と思った…。
でも、ゆっくりと覚めて行く意識の中で、「このまま腐っていくのはイヤだ…、恐い!」と思った。

「そうだ、旅に出よう。 何もかも忘れるために、旅に出よう…」 この時、そう思いついた。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

夏旅 2009  ~ 五日目/最終日 ~ [Travel]

08:56発 下風呂 → 09:57着 佐井 (下北交通バス/佐井線) 

10:30発 佐井港 → 11:00着 仏ヶ浦 (仏ヶ浦海上観光/ニューしもきた) 
11:30発 仏ヶ浦 → 12:00着 佐井港  

12:35発 佐井村港 → 14:55着 青森港 (シィライン/ポーラスター) 

17:35発 青森駅前 → 18:10着 青森空港 (JRバス/青森空港線) 

19:25発 青森空港 → 20:50着 中部空港 (JAL/3146便) 

今日は、津軽海峡に面した佐井港までバスで移動した後、仏ヶ浦まで遊覧船にて観光&上陸しての見学をした後再び佐井に帰港し、同港から別会社の船で青森まで直線コースの移動で時間短縮を図り、おまけにクルージングを楽しんだ。

料金は、仏ヶ浦の観光船が往復2,300円で、青森までの高速船が片道3,460円と、ちょっとだけ贅沢をしてしまった。

しかし、しくじった・・・・・
青森市まで来て始めて知ったこの事実・・・・・・
青森では明日から、あの有名なねぷた祭りが開催される!
そして今日は前夜祭と言うことで、随所でイベントが催されていた。
明日から町を練り歩くねぷたの山車は、青森観光物産会館アスパム横の広場にて勢揃いしていたので見ることは出来が、やはり祭り本番の迫力はまったく感じられない・・・・・
もうチョット下調べを深くしていたらな~ぁ、とちょっと残念だった。

今日は、青森駅発の青森空港行きのバスの中よりBLOGをUP!

今回の旅は、列車旅から始まって → バス旅 → 船旅 →  そして最後に飛行機旅と、けっこうレパートリーに富んだ旅になった。
帰宅までもう一息だ!

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

夏旅 2009  ~ 四日目 ~ [Travel]

09:09発 八戸  → 09:55着 野辺地 (東北本線/普通)
10:07発 野辺地 → 10:55着 下北 (大湊線/快速) 
11:05発 下北駅 → 11:48着 恐山 (下北交通バス/恐山線) 

15:50発 恐山   → 16:20着 むつバスセンター (下北交通バス/恐山線)  
17:10発 むつBC → 18:11着 下風呂 (下北交通バス/佐井線)
 
今日は青春18きっぷの使用はせず、八戸から下北まで通常料金の1,890円で切符を購入し、2時間弱の列車旅。
下北駅で下車して、今度はバスで本日の目的地である恐山まで移動する(30分/750円)。

お昼少し前に恐山に到着。
昼食をとってから見学をしようと思ったが、全然お腹が空いていなかったので先に見学してから、途中でお腹が空いたら食べることした。
しかし結果的に今日のLunchは食べ損ねてしまい、昨日気仙沼で購入したリンゴどら焼きと手持ちの非常食で空腹をしのいだ。
ちなみに恐山のお食事処は山門前の一箇所のみであるが、入山チケットは当日有効なので入退場は自由とのこと。
そしてここにはコインロッカーがないので、スーツケースをチケット売り場のお兄さんに預かってもらって、入山料500円を支払いさっそく入場する。

(恐山について語りたいことは山とあるが、ここでは省略。
ただ一つだけご案内、 恐山周辺では、携帯電話は圏外となるのでご注意あれ。

下北・むつ ⇔ 恐山 間の公共交通機関は下北交通バスのみ。
NETでは何本かバスがあるように表示されているサイトもあるが、今春のダイヤ改正で、現在一日4往復しかしていない。
私はこれを知らずにNETの時刻表をあてにして計画を立ててしまった為、今夜の宿入りの時間が予定よりも一時間以上も遅れることとなってしまった。

今夜のお宿はむつの町からバスで一時間(1,250円)ほど北上した下北半島の東海岸に位置する下風呂温泉のお宿、さが旅館にて世話になる。
こちらは一泊二食付きで10,650円と、今回の旅では最高額となった。
宿は古くて小さいけれど、お食事はなかなかの素材であったし、何といっても温泉がホントに気持ちよかった!

さてさて、明日からの予定は半分未定であったが、今朝になって来週早々の予定が入ったので、明日帰宅することにした。
希望としては、このままは青函トンネルを抜けて北海道へ!とか、五能線で日本海沿岸を南下する!とかしたいけど、時間的にも金銭的にもそこまでの余裕はないし…、次回のお楽しみと言うことでとっておくことにする。
しかし、何はともあれ、「帰ろう」という気持ちになっただけでも、この旅の成果だと私は思う…。
で、さっそくNETで飛行機のチケットを予約する。
今は、搭乗日の前日でもディスカウントのエアーチケットがサクサクっと予約できちゃう、とっても便利な時代になった!
新幹線とほぼ同料金で、新幹線なら7時間かかるところを飛行機なら1時間半で帰れちゃう。

さ~ぁ! 明日はいよいよ最終日となったわけだし、無事に楽しくこの旅を終えたいな!
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

夏旅 2009  ~ 三日目 ~ [Travel]

08:55発 松島  → 09:16着 小牛田 (東北本線/普通)
09:27発 小牛田 → 10:53着 気仙沼 (南三陸1号/快速) 
11:21発 気仙沼 → 12:20着 盛 (大船渡線/普通) 
12:35発 盛    → 13:28着 釜石 (三陸鉄道南リアス線/普通)  
13:41発 釜石  → 14:58着 宮古 (山田線/普通) 
15:10発 宮古  → 16:42着 久慈 (三陸鉄道北リアス線/快速) 
16:50発 久慈  → 18:45着 八戸 (八戸線/普通) 

と、今日は今回の旅の難関を一つクリアーして、青森県八戸市までやってきた。

もともとのプランは、松島から八戸まで素直に東北本線で北上しようかと思ったが、せっかくだし少々の無理は承知の上で、三陸リアス式海岸沿いをローカル線で旅することにした。

今日の移動乗車時間は、およそ10時間。[耳]
一本でも問題がおこれば目的地にたどり着けない可能性もあるので、ちょっとドキドキ!
料金については、途中、第三セクターの三陸鉄道を利用するので、この二区間は青春18きっぷの使用はできず実費負担となる。
まず、盛 → 釜石 の 三陸鉄道南リアス線は、通常運賃1,050円のところ、窓口にて青春18きっぷを提示し、「とく割フリーパスで!」と言うと、530円で乗車ができる。
宮古 → 久慈 の 三陸鉄道北リアス線も同様に、通常運賃1,800円のところ、「とく割フリーパス」なら、900円で乗車ができる。
そ~ゆ~私自身、これを知らずに通常運賃を支払って乗車してしまったが、八戸まで来て観光案内所で三陸鉄道のチラシを見つけて読んだら書いてあった…。 悔しい~[ふらふら]
駅員さんは教えてくれないので、「とく割フリーパスをください!」と自ら言わないと半額にはならないのでお一つお勉強!
ということで、松島駅から三陸鉄道経由で八戸駅まで通常運賃8,180円が、青春18きっぷ利用では、3,730円となる。

さてさて、 朝は宿で和定食の朝食をいただき、食べきれなかったご飯で大きな梅干入りのおにぎりを包んでいただいた。 
これぞ、小さなお宿だからこそできる、お客のわがまま特権である!

今日は、ひたすら列車に乗り継ぎながら前進あるのみで、お昼ご飯を購入できる場所は、気仙沼駅にあるキヨスクのみ。
ここでは三種類の駅弁しかおいてなかったが、売店のおばちゃんお勧めの‘黄金龍のハモニカ飯’500円は、安いし、そこそこのお味でした。
これにプラスして やっぱり おばちゃんお勧めの りんごどら焼きも購入したが、まだ食べていない…

旅日記の詳細は、もし帰宅できたら、後日改めてBLOGにUPする予定なので、今日は省略。

ザザッと話は飛んで、 今日のお宿は、八戸駅から北東に徒歩2分のところにある Comfort HOTEL 八戸にて宿泊。
数量限定のサマーバリュープラン(7月のみ)は、一泊朝食付きで、なんと3,800円と激安![exclamation]
フルサービスでお部屋も立地条件もGoodなのにこの値段はちょっと驚き!!

そして今夜の夕食は、HOTELの前に郷土料理の居酒屋さんがあったので、夜遅くに出かけて、‘うにラーメン’(780円)のみ いただいた。

しかし…、 やっと青森までたどついた!と言う感じ・・・・・
「どこから来たの?」
「愛知県からローカル線で三日がかりできました!」
「・・・・・・・ 嘘や~! ・・・・・・本当に?」
と、会話のネタにはなる。

明日は、最終目的地の恐山に向かう予定。
ここだけが、今、行きたいと思いついた場所なので・・・・・・・・・

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

夏旅 2009  ~ 二日目 ~ [Travel]

08:45発 宇都宮 → 09:35着 黒磯 (東北本線/普通)
09:39発 黒磯  → 10:40着 郡山(福島) (東北本線/普通) 
11:06発 郡山  → 11:54着 福島 (東北本線/普通) 
12:00発 福島  → 12:33着 白石(宮城) (東北本線/普通)  
12:37発 白石  → 13:26着 仙台 (東北本線/普通) 
13:58発 仙台  → 14:33着 松島海岸 (仙石線/快速) 
15:00発 松島湾 定期観光遊覧船

という感じで、今日は宮城県の松島に来ている。
今日も、大よそのスケジュールだけの記録であるが… (^^ゞ

HOTELで朝食を済ませて早めに駅へと向かい、冷房のきいた待合室で朝刊に目を通す。
今日の乗車時間は約6時間で、正規料金は4,620円のところ、青春18きっぷなので2,300円。
各線の乗車時間が短く、乗り継ぎ回数が多いのが面倒であったが、ま~ぁ仕方がないね…
宇都宮から仙台までは東北の各県主要都市をつなぐ東北本線で、今日は松島湾クルーズを予定していたので、仙台から仙石線(一部地下鉄)に乗り換えて松島海岸駅で途中下車した。
この間、Lunchを食べられる場所は、乗り換え時間(26分)に余裕のある郡山駅で駅弁を購入して車内で食べるか、私のように仙台駅での乗り換え時間(32分)に遅めのLunchを大急ぎで済ませるかのどちらかになるかな?!

松島湾の定期観光遊覧船について
松島の遊覧観光を楽しみたいのなら、まず自分のプランにあった観光船の会社をChoiceすべし!
松島発着なら、松島島巡り観光船企業組合、松島ベイクルーズなどがある。
松島⇔塩釜なら、松島湾観光汽船、丸文松島汽船、松島ベイクルーズ、ニュー松島観光汽船などがある。
各社にてさまざまなプランを提案しているので、旅計画に合った時間と好みの内容を選び、またNETで事前予約をすると料金も割引されるので利用されるとよい!

ちなみに私は、定期観光遊覧船がそんな何社もあるなんて知らなかったから、検索して一番トップに出てきた会社、松島ベイクルーズにて「松島湾ひとめぐりコース」を予約し乗船した。
松島ベイクルーズの船は、他の会社の船と比べてすごく小さい。
それ故に乗客も少なくて、大勢は苦手、団体と一緒はイヤ、甲板でクルーズを楽しみたいという人にはお勧め!
というのも他社の船は、二階建て三階建て客船で、ほとんどが船室内からの遊覧観光になるのに対して、私が乗った松島ベイクルーズの船はフラットな作りで、後方三分の一はデッキである。
ま~ぁ、結果オーライというところ[手(チョキ)]
運賃は、割引料金で1,260円(正規料金は1,400円)、 50分の遊覧観光であった。

下船後は松島海岸を散策しながら徒歩で宿へと向かった。
今日のお宿は、HOTEL NEW 和楽 という小さなビジネス旅館。
お値段は一泊二食付きで8,400円! しかも夕食は海鮮魚介類がズラリと並ぶので、とってもお得感がある。
観光向きの宿ではないが、安く!美味しく!を基本にしている人にはお勧め!
ちなみに、東北本線・松島駅から徒歩5分の距離にある。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

夏旅 2009  ~ 一日目 ~ [Travel]

06:32発 名古屋 → 08:25着 浜松 (東海道本線/区間快速)
08:38発 浜松  → 11:08着 熱海 (東海道本線/普通) 
11:14発 熱海  → 13:02着 東京 (東海道本線/普通) 
13:08発 東京  → 13:13着 上野 (京浜東北線/快速)  
13:51発 上野  → 15:41着 宇都宮 (東北本線/普通) 

こんな感じで今日一日、約9時間の長旅の末、今、栃木県宇都宮にいる。
事細かに旅BLOGを綴りたい気持ちは山々だが、まだ旅の途中…。
静養することも旅行中には大事な行事の一つということで、自分の旅記録として、また青春18きっぷで旅をしてみようかな~ぁ、なんて思っている人の参考資料になれば…程度の情報だけをUPすることにして、旅日記は、無事に帰宅できた後、じっくりゆっくり書こうと思う。

上記スケジュールを正規運賃で支払うと8,000円を超過するが、青春18きっぷの利用なので運賃は2,300円とかなりのお得!
その他プランとして、東京駅から大宮→宇都宮と乗り換えるプランや、東京駅まで行かずに品川で乗り換えて大宮→宇都宮というプランでもOKなのだが、要はどこでLunchtimeを取るかである。
今日は気分的にゆっくりと電車に乗っていたかったので上野駅乗換えを選択し、上野にて駅弁を購入(900円)して、そのショップの飲食コーナーで昼食をとることにした。

宇都宮には夕刻に到着し、駅前のCHISUNHOTEL宇都宮を宿とした。
スタンダードシングルプラン朝食付きで6,300円を、料金そのままでプランのグレードアップをしてくれた、とても親切なホテルである。

夕食は、宇都宮といえば何と言っても宇都宮餃子でしょ~!!
数ある餃子店の中から私が選んだのは、宇都宮餃子館!
いたって定番だが、定番だからこそ地元の味がいただける…、なんて言うのは建て前だが、味はGOODだったよ!
おみやげにと宅配餃子の注文までしてしまった・・・

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog
前の30件 | 次の30件 Travel ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。