2009夏 一人旅・回想録 16 ( 釜石駅 → 宮古駅 ) [Travel]
山田線は、釜石駅を出てからしばらくは住宅街の中を走り、波板海岸駅を過ぎた辺りから海がきれいに見え始める。
そして30分ほど行くと、本州最東端の駅である岩手船越駅がある。
見上げれば、重っ苦しく空を覆っていた分厚く灰色の雲は南北に割れ、まぶしいほどの澄み切った青空が真上に覗いている。
それを見上げていた時、無意識の内にあるメロディーを口ずさみ歌っている自分に気付いた。
♪ 深き御法に 遇いまつる 身の幸なにに 譬うべき
ひたすら道を 聞き開き まことの御旨 いただかん ♪
何だって私はこんな歌を口ずさんでいるんだろう… 私ってば、ど~にかしてる!!
と、思わずムッとする… こ~ゆ~意地悪をするのは、仏さまの仕業以外に考えられない!
「私は忘れたいんだって言ってるでしょ!!!」 と、険しい表情で無言のまま叫んでみても、やっぱり頭から離れてはくれない。
私は大きなため息をひとつついて うつむきながら観念した。 すると、フツフツと穏やかな言葉が胸の中に 一つ 二つ と、ゆっくり沸き上がってきた。
阿弥陀さまは、ただ、称えてくれって仰ってる・・・・・
ただ称えてって願っておられる・・・、
何もわからない今のままの、このままの私でいいって・・・・・
称え心も起こらない、こんな私のまんまでいいから、ただ称えてくれって・・・・・
深い 深い この御法と、もう出遇っているじゃない…?!
この命を受けて、この御法と出遇って、そして、こんな幸せなことは他にはないんだって聞かせていただいたよね…
迷いに迷って、やっと聞かせていただける身になったのに、その御心から逃げてど~なるの?
“死”に逃げ込んでど~するの? “死”があるから今日まで逃げてきたんでしょ?
溢れ出した涙が止まらなくなった・・・・・
「ど~してそんなこと言うの? ど~してこんな気持ちになるの? ど~して、ど~してこんな私に聞かそうとするの? ど~して、ど~して、ど~して、こんな私なんかに届くの? 私、何、響いちゃってるのよ…!」
一生懸命声を殺そうとハンカチで顔中を覆っても隠し切れない嗚咽と、涙と、鼻水…。
そして、 私は一人じゃない・・・・・ そう思ったら、また涙が溢れた・・・・・
どれだけ泣いていたのだろう…
通路を挟んで隣の席に座るおじさんが、心配そうにこちらをチラチラと見ている。
車掌さんも、声をかけようか かけまいか…、と、ぎこちなく黙ったまま通り過ぎた。
私は、泣くよりも小さな小さな声で、「南無阿弥陀仏」と称えた。 心を置いて、ただ、「南無阿弥陀仏」と呟いた…
窓の外を見上げると、いつの間にか先ほどまでの青空は再び灰色の雲に厚く覆われ、ドンヨリとした重っ苦しさが空いっぱいに広がっていた。
いつになったら晴れるのだろう・・・・・
いつになったらスッキリ明るくなるのだろう・・・・・
私じゃ空の天気は変えられない・・・、 私に変える力があったならば・・・・・・・・
そして30分ほど行くと、本州最東端の駅である岩手船越駅がある。
見上げれば、重っ苦しく空を覆っていた分厚く灰色の雲は南北に割れ、まぶしいほどの澄み切った青空が真上に覗いている。
それを見上げていた時、無意識の内にあるメロディーを口ずさみ歌っている自分に気付いた。
♪ 深き御法に 遇いまつる 身の幸なにに 譬うべき
ひたすら道を 聞き開き まことの御旨 いただかん ♪
何だって私はこんな歌を口ずさんでいるんだろう… 私ってば、ど~にかしてる!!
と、思わずムッとする… こ~ゆ~意地悪をするのは、仏さまの仕業以外に考えられない!
「私は忘れたいんだって言ってるでしょ!!!」 と、険しい表情で無言のまま叫んでみても、やっぱり頭から離れてはくれない。
私は大きなため息をひとつついて うつむきながら観念した。 すると、フツフツと穏やかな言葉が胸の中に 一つ 二つ と、ゆっくり沸き上がってきた。
阿弥陀さまは、ただ、称えてくれって仰ってる・・・・・
ただ称えてって願っておられる・・・、
何もわからない今のままの、このままの私でいいって・・・・・
称え心も起こらない、こんな私のまんまでいいから、ただ称えてくれって・・・・・
深い 深い この御法と、もう出遇っているじゃない…?!
この命を受けて、この御法と出遇って、そして、こんな幸せなことは他にはないんだって聞かせていただいたよね…
迷いに迷って、やっと聞かせていただける身になったのに、その御心から逃げてど~なるの?
“死”に逃げ込んでど~するの? “死”があるから今日まで逃げてきたんでしょ?
溢れ出した涙が止まらなくなった・・・・・
「ど~してそんなこと言うの? ど~してこんな気持ちになるの? ど~して、ど~してこんな私に聞かそうとするの? ど~して、ど~して、ど~して、こんな私なんかに届くの? 私、何、響いちゃってるのよ…!」
一生懸命声を殺そうとハンカチで顔中を覆っても隠し切れない嗚咽と、涙と、鼻水…。
そして、 私は一人じゃない・・・・・ そう思ったら、また涙が溢れた・・・・・
どれだけ泣いていたのだろう…
通路を挟んで隣の席に座るおじさんが、心配そうにこちらをチラチラと見ている。
車掌さんも、声をかけようか かけまいか…、と、ぎこちなく黙ったまま通り過ぎた。
私は、泣くよりも小さな小さな声で、「南無阿弥陀仏」と称えた。 心を置いて、ただ、「南無阿弥陀仏」と呟いた…
窓の外を見上げると、いつの間にか先ほどまでの青空は再び灰色の雲に厚く覆われ、ドンヨリとした重っ苦しさが空いっぱいに広がっていた。
いつになったら晴れるのだろう・・・・・
いつになったらスッキリ明るくなるのだろう・・・・・
私じゃ空の天気は変えられない・・・、 私に変える力があったならば・・・・・・・・
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