2009夏 一人旅・回想録 24 ( 霊場恐山 3 ) [Travel]
丘から下りて順路通りに岩石だらけの小路をポチポチと歩いて行く。
そして、大王石、無間地獄、みたま石、などと名称を付けられた岩に対して一々愚痴をこぼしながら、また、所々で地中より吹き上げる火山ガスを興味深く観察をしつつ、「ここのどこが地獄の風景と言えるのか・・・」と、思わず声に出して言った後、大きなため息をついた。
音といえばカラスの鳴く声と、耳を澄ませば火山ガスによって吹き上がる蒸気の音がかすかに聞こえるだけで、後は観光客らの話し声がやたらと耳に入ってくる。
「 カラスがいるってことは、やっぱりここは不吉な場所なのよ! 」
「 ここに来て、やっとおばあちゃんと会えた気がする、 あぁ、来てよかった・・・ 」
「 写真なんか撮っちゃダメよ! 心霊写真になっちゃうから! 」
「 なんだか気分が悪い…、悪霊にまとわり憑かれている感じ・・・ 」
「 ここの石を持ち帰ると祟られるそうから、触るのもやめとこッ! 」
「 ホントに地獄の風景みたいだわね~、クワバラ クワバラ・・・ 」
「 きっとあの子(私)も、死んだ両親とか恋人とかに会いに来たんじゃない?! 」
これが、極々普通の世間の認識なのだろう・・・ 何の矛盾も持つ必要のない当たり前の会話なのだろう・・・
そんな世間の常識に…、 そんな世間一般の人々のお話しに…、 私は何をこんなにイラついて、何にこんなにも腹を立てているのだろうか・・・・・ わからないけどすごくムカムカする・・・・・
お天気は快晴! 岩の白さと、山の緑と、湖の青と ・・・ 恐山はとても美しい所である。
この地に対して、恐ろしさなど微塵も感じられない。
だって、私の方がよっっっぽど恐ろしいよ~・・・ 他者を嘲り、他者に苛立ち、他者を謗って、他者を疎う・・・・・
そんな自分の思いを抑えきれない・・・! そんな自分の心を誤魔化しきれない・・・!
「わたしは・・・・・
わたしは、こんな心を持ったまま、死んで行かなくっちゃいけないの・・・?
イヤだ、 死にたくない! わたし、死にたくない!!」
そう思ったら息が苦しくなってきて… 私は、自分の胸元を鷲づかみに押さえながらいつの間にかその場に跪きしゃがみこんでいた・・・。
一人ぼっちだと思った・・・・・
私は、しゃがみこんだまま、一人 泣いた・・・・・・
日の光を遮るものの何もない山の上で、私は一人ぼっちで・・・
悲しいのか…、恐いのか…、悔しいのか…、怒っているか…、 何もわからないまま、ただ泣いた・・・・・・
以前 Yuさんが、「死んだ者より、生きている者の方がよっぽど恐ろしい。 自分というヤツが一番恐ろしい…」 と おっしゃったことを思い出した。
「イ・チ・バ・ン、 オ・ソ・ロ・シ・イ・ノ・ハ、 コ・ノ、 ワ・タ・シ ・・・・・」
私は、それを認めたくないんだ・・・・・ でも、私は知っちゃったんだ・・・・・・
私がこれを、認めなくとも…、受け入れなくても…、その事実は存在するんだ・・・・・・
そして、それを教えてくれたのは誰?!
世間を馬鹿に出来るだけの知恵も、こんな浅はかで愚痴な自分というものを見ることの出来る目も、惨めで孤独な私というものを拒否する心を感じることが出来たのも、誰のおかげなの?!
自問する心には何も答えぬまま、私は、汗とも涙ともわからないグチャグチャになった顔をハンカチで覆って立ち上がり、また一人歩き出した。
そして、大王石、無間地獄、みたま石、などと名称を付けられた岩に対して一々愚痴をこぼしながら、また、所々で地中より吹き上げる火山ガスを興味深く観察をしつつ、「ここのどこが地獄の風景と言えるのか・・・」と、思わず声に出して言った後、大きなため息をついた。
音といえばカラスの鳴く声と、耳を澄ませば火山ガスによって吹き上がる蒸気の音がかすかに聞こえるだけで、後は観光客らの話し声がやたらと耳に入ってくる。
「 カラスがいるってことは、やっぱりここは不吉な場所なのよ! 」
「 ここに来て、やっとおばあちゃんと会えた気がする、 あぁ、来てよかった・・・ 」
「 写真なんか撮っちゃダメよ! 心霊写真になっちゃうから! 」
「 なんだか気分が悪い…、悪霊にまとわり憑かれている感じ・・・ 」
「 ここの石を持ち帰ると祟られるそうから、触るのもやめとこッ! 」
「 ホントに地獄の風景みたいだわね~、クワバラ クワバラ・・・ 」
「 きっとあの子(私)も、死んだ両親とか恋人とかに会いに来たんじゃない?! 」
これが、極々普通の世間の認識なのだろう・・・ 何の矛盾も持つ必要のない当たり前の会話なのだろう・・・
そんな世間の常識に…、 そんな世間一般の人々のお話しに…、 私は何をこんなにイラついて、何にこんなにも腹を立てているのだろうか・・・・・ わからないけどすごくムカムカする・・・・・
お天気は快晴! 岩の白さと、山の緑と、湖の青と ・・・ 恐山はとても美しい所である。
この地に対して、恐ろしさなど微塵も感じられない。
だって、私の方がよっっっぽど恐ろしいよ~・・・ 他者を嘲り、他者に苛立ち、他者を謗って、他者を疎う・・・・・
そんな自分の思いを抑えきれない・・・! そんな自分の心を誤魔化しきれない・・・!
「わたしは・・・・・
わたしは、こんな心を持ったまま、死んで行かなくっちゃいけないの・・・?
イヤだ、 死にたくない! わたし、死にたくない!!」
そう思ったら息が苦しくなってきて… 私は、自分の胸元を鷲づかみに押さえながらいつの間にかその場に跪きしゃがみこんでいた・・・。
一人ぼっちだと思った・・・・・
私は、しゃがみこんだまま、一人 泣いた・・・・・・
日の光を遮るものの何もない山の上で、私は一人ぼっちで・・・
悲しいのか…、恐いのか…、悔しいのか…、怒っているか…、 何もわからないまま、ただ泣いた・・・・・・
以前 Yuさんが、「死んだ者より、生きている者の方がよっぽど恐ろしい。 自分というヤツが一番恐ろしい…」 と おっしゃったことを思い出した。
「イ・チ・バ・ン、 オ・ソ・ロ・シ・イ・ノ・ハ、 コ・ノ、 ワ・タ・シ ・・・・・」
私は、それを認めたくないんだ・・・・・ でも、私は知っちゃったんだ・・・・・・
私がこれを、認めなくとも…、受け入れなくても…、その事実は存在するんだ・・・・・・
そして、それを教えてくれたのは誰?!
世間を馬鹿に出来るだけの知恵も、こんな浅はかで愚痴な自分というものを見ることの出来る目も、惨めで孤独な私というものを拒否する心を感じることが出来たのも、誰のおかげなの?!
自問する心には何も答えぬまま、私は、汗とも涙ともわからないグチャグチャになった顔をハンカチで覆って立ち上がり、また一人歩き出した。
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