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本派三河別院の報恩講&灌仏会 [心]

2735798先日、偶然に立ち寄った本派三河別院の関係者の方に「遊びにおいで」と誘われて、報恩講&灌仏会の行事にヒョッコリ飛び入り参加させていただいた。
こ~ゆ~大きな寺院の法座に出させてもらうのは初めてだった為、ちょっとドキドキしながらも、開始の30分ほど前に三河別院へ到着。
別院では、男性陣が会場の飾り付けに慌ただしく動きまわっているその横で、女性陣は本堂の片隅に設けられた余剰品バザーの物色で賑わっていた。
みんなから、「あんたどなた?」という視線を向けられはするものの、誰も何も声をかけてくれないので、居心地が悪いな~と思いながらも、私は本堂に設けられた一番後ろの椅子席に遠慮がちに腰をおろした。
10時になって鐘が鳴らされ、順次、僧侶の方々が御仏前に座される中、本堂の片隅で受付けが始まった。
そしてお勤めが始まってもなお、受付けに並ぶおばあちゃんたちのおしゃべりは止まらず、これにとっても違和感を感じながらも、初めて耳にする節で『正信偈』のお勤めに参加させてもらった。
お勤めが終わる頃ようやく受付も落ち着いたので、私も受付に行って、「初めて参加させていただくのですが、受付は必要ですか?」と尋ねると、ただ一言「要らんです」と言われて、用意してきた懇志も受け取られなかった。

お勤めの後、開会の宣言がなされて、いよいよ玄好寺・山科知瑞布教師の御法話が始まった。
しかし、「強い信念に生きることが大切」とか、「罪深き女人がどのように子育てに携わるか」など、取り留めの無いお話しにチョット幻滅しながらも、「今、阿弥陀様は、私に何を言っておられるのかな~ぁ」などと考えながら、初めの内はただぼんやりと聞いていたが、しばらくして法話のテーマが一つに定まってきた。 
それは川村官房長官の母で、元々敬虔なクリスチャンであったインテリジェンスな川村とし子さんと、その姑で平凡・無学な農婦の川村ふでさんのお話であった。

嫁いでからもキリスト教一筋のとし子さんであったが、愚痴一つこぼさずいつも穏やかな姑・ふでさんが喜んでおられる浄土真宗の教えとは何ぞやという疑問から、『歎異抄』三章の悪人正機説と出会ったことをきっかけに、やがて改宗されたというストーリーの中から抜粋しながらお話ししてくださった。
布教師さんと私とでは観点が少々ずれてはいたものの、私なりに聞かせていただいたことで一番心に残ったことは、ふでさんが独り言で、「顔も言葉も人に向けるものだから、気をつけないかんの~」と言われたその言葉を、布教師さんは道徳的見地から説かれたが、私は、ふでさんは他者に写る自分の姿を見せてもらっていたんじゃないかな~と聞かせていただいた。
そんなこんなで、すべてが一本違うんじゃないかな~ぁなんて、頭を垂れて聞けんでも、やっぱり自分に届けられている大嫌いの南無阿弥陀仏を称えたくなってきて小さな声で「なまんだぶつ」とつぶやいた。

午前の前半の御法話が終わって、後半の御法話は七高僧の中の源信僧都のお話であった。
源信僧都の略歴や、『往生要集』の概略、横川法語の一節などが記されたプリントを配ってくださったほか、カラーコピーされた数種類の弥陀来迎図や地獄絵図を使った御法話はとても取っ掛かり易くて興味を誘われた。

2735799午前中の行事が終了した後は、図々しくもお斎(おとき)をごちそうになった。
おばさんたちが作ってくれたシンプルな散らし寿司だったが、そのお米の一粒一粒まで、何だかとっても有り難くって、こんな食事は初めてだな~と感じたら、ついうっかり涙が出てきた。[もうやだ~(悲しい顔)]
隣りのおばさんに、「私、初めてなんです~」とだけ短く言い訳をすると、「緊張せんでえ~で~! 誰だって、何だって、始めてはあるもんだでね!」と自分勝手に解釈して慰めてくれた。

お昼休みは、見知らぬおばちゃんやおじちゃんたちと、お釈迦様の花御堂を囲んで甘茶をいただいたが、これがムチャクチャ不味くて、マジに吐きそうになった。 うぅぅ、苦行だ~ぁ!!
その後は世間談義しか耳に入ってこなかったので座を立ち、チラシコーナーで『一味』という小冊子をもらって、一人、席に戻って読みふけっていると、妙好人・庄松さんのお話が載っていたページにさしかかり…
その中に、字の読めない庄松さんが、「『大無量寿経』を読め」 と意地悪を言われたが、ためらうことなく経典を手にして、「庄松を助くるぞよ、助くるぞよ」 と読まれたというお話しを読んで、知っている逸話であったはずなのに、初めて聞いたようなその一文に、また涙がこぼれてしまい、[もうやだ~(悲しい顔)] 誤魔化すのに一芝居を要すこととなった。

1時半、鐘と音と同時にお勤めが始まったが、大半の人にとっては他人事のようであった。
御法話は午前に引き続いて源信僧都の『往生要集』のお話をいただいた。
そこで阿鼻(無間)地獄のお話しをしながら一枚の地獄絵を見せていただいた中に、「8万4千の蛇と、4匹の銅狗(地獄の犬)が、口や毛穴から火を吹いて・・・」というお話しをいただいて、なぜ我が家の犬が四匹になってしまったのか[犬]が、わったような気がした。

この後も御法話はあっちこっちと散乱しつつも、再び川村ふでさんのお話をされた中で、グッときたのは、ふでさんが孫の建(たけ)ちゃん(官房長官)に、「建ちゃんや。 ばあちゃんは隣の部屋におるで、建ちゃんはこの仏間から襖を隔てたばあちゃんに向かって、こう言ってくれ…」 と、お願いをした。
そして建ちゃんは快くこれを引き受け、ふでさんがまだかまだかと待つ中、こう呼びかけた。
「 ふでや~、 そのまま来いよ~、 待っておるぞ~ 、間違わさんぞ~ 」 と・・・・・
その声は、孫の建ちゃんの声ではなく、阿弥陀様の声だった、と・・・・・
・・・・・ 何だか言葉を失った・・・・・

布教師さんの説かれる言葉の中には、布教師さん自身の様々な不安が見え隠れして、他人事ではない自分自身を見せていただいたような気がした。
そして最後に教えてくださった、「風は見えねど、風の姿はなびく草の上に見ゆ」という言葉に、
「そ~やね~、阿弥陀様の姿は見えんけど、阿弥陀さまのお働きは、時折、風のように感じることは出来る。
でも私はその風を、当たり前の如く受け流すことしか出来ん…[台風] ザルやな~ぁ」と聞かせていただいた。

御法座の最後には恩徳讃を全員で歌ったのだが、今日、三回目の涙が溢れてきた。[もうやだ~(悲しい顔)]
初めての御法座体験であったが、本当に御恩徳というのが感じられた。
でも、自由に泣けへんし[もうやだ~(悲しい顔)]、念仏も遠慮せなあかんのは[ふらふら] 酷やったな~ぁ

おさがりで頂いたフルーツキャンディーも含めて、本当に有り難うございました。[黒ハート]

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川村とし子さんふでさんではなく、確か河村とし子さんふでさんだと思います。合掌
by お名前 (2018-11-15 13:55) 

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