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2009夏 一人旅・回想録 1 ( a Motive ) [Travel]

この旅を思い立ったのは出発の二日前。
何もかもが煩わしかった…。  生きることも…。 死ぬことも…。 
自分が自分であることすら許せない…。
私という存在のすべてを否定されながら、どうして私は存在しているのか・・・・・ 
それが許せなかった・・・・・
鈍い軋み音をたてて私が壊れていく…、 
悪臭を放ちながら私が腐敗していく…、     それが恐かった・・・・・

動機・・・・・  今回の旅というか、家出というか、その動機というものを考えてみた時、やっぱりそこには “仏法” というものがあった…。
きっかけ・・・・・  そして決定的なきっかけとなったのは、一通のメール…。 

現実逃避と言われれば、その通りだろう。 確かに、何もかも捨ててしまいたかった。
私は、私をこの苦しみに追い込んだすべてのモノに刃を向けながらも、自分をも切り刻んでいた・・・・・
そのくせ、しがみ付けそうな岸辺を必死になって探し求めていた・・・・・。

でも、 眠る… とか、 食べる… とか、 生きて行くために当たり前にしていたことすら出来なくなって…
それなのに外面を取り繕うことは何の苦もなく出来て、家族にも、友達にも、ドクターにすら平気な顔をして‘普通’を装う…

ただ…、 眠りたかった・・・・・・     処方された薬も効かなくなっていた…
眠ろうと努力をすれば吐き気に襲われ…、眠るのを諦めると、待っていましたとばかりに闇の心が胸を締め付ける…。

自身を恨み、自身を卑下しても何も解決しないと知ると、怒りの矛先は自分から仏さまの方へと移って行った。
自分にこんな感情があっただなんて、今まで気付きもしなかった…。
違う・・・・・・・
私は、ずっと、ず~っと、‘他人を恨む’という感情を抑えながら生きてきただけだったのだろう…
人を恨めば、自分を嫌悪する心と虚しさが生じる…  だから、自分自身を恨み・呪っていた方が、私にとっては楽だったのかもしれない…

爆発した怒りに任せ、出てくるだけの悪態を言葉に代えて仏さまを罵った。
大声で泣きながら御法を罵倒した。
そうしたら・・・・・・  自分の気持ちは全然晴れてこないのに、「この涙は私の涙じゃない… 仏さまが悲しんでおられる涙だ…」 ということだけはハッキリわかった・・・・・・
それが悔しくて…、辛くて…、苦しくて…、 私は声が枯れるまで泣き続け・・・、
そして、「絶対に仏法なんか忘れてやるんだ!」 と、心に固く誓った。

その翌々日の日曜日の深夜、ベッドの上でうつらうつらしながら過ごしていると、頭の中からたくさんの言葉たちがあふれ出してきた。
意もせず、ただ何気なく、真っ暗闇の寝室で、枕元に置いてあったノートに、出てきた言葉たちを走り書きしていった。

そして夜明け前…、 私は浅い眠りの中で鼻をつく悪臭を感じて息を詰まらせた。
そして、その臭いは、自分が腐敗している臭いだと気付き…、 私は、「このままでいい…  このまま、身も 心も 腐って、私なんてなくなってしまえばいい…!」 と思った…。
でも、ゆっくりと覚めて行く意識の中で、「このまま腐っていくのはイヤだ…、恐い!」と思った。

「そうだ、旅に出よう。 何もかも忘れるために、旅に出よう…」 この時、そう思いついた。

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