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2009夏 一人旅・回想録 14 ( 気仙沼駅 → 盛駅 ) [Travel]

快速列車では小牛田駅を出てから1時間20分で次の乗り継ぎ駅である気仙沼駅の二つ手前にあたる大谷(おおや)海岸駅は、駅のまん前が海水浴場というロケーションであった。
でも、真夏だというのに誰一人として海水浴客はいない… 冷夏だからかな~?
そういえば私も昔、宮城県の海水浴場でよく泳いだけど、浜辺はいつも貸切状態に近いものがあって、それが常であったから、初めて地元(愛知県)や北陸(若狭湾)近辺の海水浴場に行った時のあの混雑振りにはひどく驚いたものだった。
ちなみにここ大谷海岸駅は、日本一海水浴場に近い駅として有名なのだそうだ。

気仙沼駅に着いた。 予想以上にローカルな駅。
今日はここで駅弁を買っておかないと、お昼ごはんを食べそびれてしまうおそれがあり、20数分間の乗り継ぎ時間を利用して一旦改札を出て駅のキヨスクへと向かう。
駅はしっとりと落ち着いたいい感じなのに、改札の駅員(駅長かも…)さんがカシャカシャしている上に態度も横柄でちょっと気に入らない。 駅員の都合に合わせた時間にしか改札をしてもらえず、改札口の前に整列をさせられてから改札を受けて通るのは始めての体験。
「なんで?!」と思ったが、ここで議論しても始まらない…、 これが気仙沼の流儀なのだろう…。

駅員はいただけないが、気仙沼駅のキヨスクのおばちゃんはとっても気さくでいい感じ!
短い時間だったけど、おばちゃんとのおしゃべりは旅の一服が出来た。 そしておばちゃんお勧めの駅弁‘黄金龍のハモニカ飯’と、‘林檎のどら焼き’を購入して次に乗る列車を待った。

気仙沼駅から乗車した列車はここが始発駅ではなかった為、希望のシートには座れなかった。
乗客のマナーは都会とは違ってあまり良いとは言えない…。 2人掛けシートを向かい合わせにした4人分の座席を荷物などを置いて一人で占領している客が往々にして見られる。
「ここ、座ってもいいですか?」と尋ねれば空けてくれるだが、「俺が俺が…、オレのオレの…」、という どこかで聞いたフレーズ丸出しの場面に度々出くわす。
しばらくして乗客の乗降に伴い海側のシートが空いたので移動する。 LUCKY~!!

大船渡線の列車に揺られること1時間、次の乗り継ぎ駅である盛(さかり)駅に到着。
ここからはいよいよ観光列車・南リアス線に乗車となる。
つまり、青春18きっぷは利用出来ないので三陸鉄道の窓口のおばさんに言って乗車券を購入しようとしたのだが、「自販機で買ってくれ」と冷たく言われ、長らく待たされた後だっただけにちょっとムッとしたが、券売機に気が付かなかった自分も悪いので素直に自販機にて切符を購入した。
しかし、後々になって知ったことだが、青春18きっぷを見せて窓口で乗り継ぎの切符を購入すれば半額で割引乗車券が買えたそうで、そんなこととは知らず、おばさんにしてやられた! 

乗車券購入でかなりもたついた為、南リアス線の列車内は既に満席に近い状態となっていたが、1コーナーだけ空いているシートがあった。
そこはテーブルを挟んでペアーシートが向かい合わせになった4人分の座席で、進行方向向きの窓際のシートに一人のおじいさんが座っていたのだが、隣りのシートにはおじいさんの手荷物、そしてコーナーの入口を塞ぐかのように傘が向かいのシートに橋渡しされており、おじいさんは正面の座席下まで無造作に足を投げ出していたので、彼以外、誰も座ることが出来ない状態であった。
しかも、そのおじいさん、とても大柄で気難しそうな恐い顔をしているので誰も何も言えず、数人の乗客は座ることが出来ずに立ったまま横目でおじいさんを恨めしそうに見ていた。
「あぁ~、まただ…」と思いつつ、私は単に座りたかったのでそのおじいさんに、「ここの座席、空いていますよね?」と尋ねると、おじいさんは無言のまま私に視線を向けて、私がその返事を待たずに「ありがと~♪」というと、おじいさんは無言まま視線を窓の外へと移した。
私はシートに橋渡しされていた彼の傘をどけて、おじいさんと対角の逆向き通路側のシートに腰を沈めた。

車窓からの風景も思うように見られないし…と、私がテーブルの上にノートを広げてこのことをメモし始めると、今までそっぽを向いていたおじいさんが私のノートをチラッ チラッと盗み見しようと、視線に落ち着がなくなってきた。
私はこうしておじいさんの悪口を書いている訳だし、これを本人に見られては都合が悪いので、自然を装いながらそっとメモした部分を手で隠しノートに記入し続けた。
しかし、私が記入した部分を手で覆い隠したことで、おじいさんはますます私のノートが気になったみたい。
そんなおじいさんのしぐさが可愛くて、可笑しくて、ついつい私が一人笑いをすると、今まで身じろぎもしなかったおじいさんがゴソゴソと落着きをなくしはじめた。
ムチャムチャ笑える!
私が笑いを堪え切れずにおじいさんに笑顔を向けると、おじいさんは慌てて窓の外に視線を移して何事もなかったかのように装う。
この、一見恐そうで意地悪っぽそうなおじいさんのおかげで、今、私はすごく楽しい(^^)v
私って、性格悪~(^.^;)

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