2009夏 一人旅・回想録 36 ( 青森 → 自宅 ) [Travel]
青森ねぶた祭前夜祭の会場を後に、元来たBoard walk を通って青森駅へと向かう。
青森駅はクラシカルな感じで混み混みしているところがいい感じ。 でも来年末には青森まで新幹線が延長される予定なので、ここも近代的な駅へと変わってしまうのだろうな~ぁ。 ちょっと淋しい気がする…。
今回青森駅には見学に来ただけで、残念ながら列車には乗らない。
この後、駅前から出るリムジンバスに乗って空港へと向かう予定だが、バスの時刻までまだしばらく時間があったので、駅前の 小さな 小さな待合所でパソコンを広げて 一人旅 五日目にして最終日のBlogを更新する。
青森駅から青森空港までは直行バスで30分少々。 空港に着く少し前頃から小雨が降り出した。
青森空港は想像していたよりも近代的な空港であった。
バスの車内にて NETで飛行機のCheck In を済ませておいたので、空港では手荷物を預けるだけでOK! 搭乗時刻までFree time である。 とは言って何もすることもないので、空港のレストランに入って
今回の旅、最後の晩餐会を催すことにした。
いただいたのは、期間限定御膳‘津軽・祭囃子’で、地物料理がいろいろついて¥1,500!と御値打ち & 美味しかった!
(帰宅してからの体重計が恐怖である…)
ごゆるりとDinnerを楽しみ、搭乗時刻の少し前にGateに行くとちょうど改札が始まった。
乗客は多くない。 J-classは私の他に二人だけ。 EC-classも半分以上は空席のようだった。
窓の外は雨模様。 飛行機は予定よりも少し早めにGateを離れた。 そして離陸。
眼下に広がる青森の夜景はなんだか素朴な感じ… 「See you again …」
雨雲を抜けた上空は、既に地球の陰に隠れてしまった太陽の光が僅かばかり差し込み、それが黒・白・青の物悲しいコントラストを作り出していた。
何だか新聞も読む気になれないし…。 私は、機内サービスのコーヒーをいただきながら、シートに深く腰を沈めて瞳を閉じた。
長かったようで短くて、短いようで長かったような… そんな感じの五日間…
特に何をしたわけではないけれど、いろいろなことがあったような気がする…
私は今、何を考えているのだろう・・・・・ わからない・・・・・
今回の旅に同行してくれたメモ帳も、残り数ページとなった… この五日間の私の記憶…
変だな~ぁ、 泣きたい訳でもないのに…、 何も考えていないのに…、 目から雫が流れ落ちた…。 これも涙って言えるのだろうか…。
私・・・・・・・・ 何も捨てられなかった・・・・・・・・ 何もかも捨てるつもりで旅立ったはずなのに…、 私は、何一つとして捨てることが出来なかった・・・・・・・・
それでも、後悔はしていない。 これが私なんだ…。 何一つ捨てることの出来ないのが私なんだ…。
この五日間は私にとってどんな意味を持っていたのだろう。
「何故、恐山なのか…」 と、相変わらずの自問に思わず笑いが吹き出る。 も~ぉ、ど~だっていいよ!
今は、何もわからないことが幸せ…
夜の8時を過ぎると、さすがに窓の外は暗闇に包まれる。
見えるのは、窓ガラスに反射する自分の姿と、飛行機の翼でフラッシュする灯りだけ。
そっか~ぁ!! 無明の中では何も見えない。 後方から私にあてられた光があって、初めて私の正面に薄ぼんやりとした自分の姿を見ることが出来るんだ!
でも、それだけじゃ~、私は自分の姿しか見ることしか出来ない…。
だけど、一瞬だけ自分が見えなくなる時がある。 それは、窓の外のライトが点灯するたびに、自分の姿は窓ガラスから見えなくなって、この時見えるのは、まぶしすぎるこのライトだけ…。
そうなのかもしれない・・・・・・!! 何が・・・・・・?
ん~~~・・・・・ 何だかよくわかんない! 頭がこんがらがってきた!!
頭をブルブル回していると、「コーヒーのおかわりはいかがですか?」 とCA。
「今度はゆずジュースをください!」 既にお腹は、ちゃぽん ちゃぽんである・・・
しかし…、青森へ行くのに往路は鈍行列車で三日も要したのに、復路は飛行機で1時間チョットとはね~ぇ… 文明の力はすごいね!
飛行機は予定時刻よりも15分も早くセントレアに到着した。
そして空港に迎えに来てくれているはずの夫と五日ぶりの再会… のはずが、夫がいない…
携帯に電話をすると、「空港には来ているんだけどね、また迷子になっちゃった! 奈っちゃん、探しに来て!」 と・・・・・ 「はい、はい! 迎えに行くから待っててね!」
はあぁ~、 一人旅が終わったことをしみじみと実感する・・・・・
青森駅はクラシカルな感じで混み混みしているところがいい感じ。 でも来年末には青森まで新幹線が延長される予定なので、ここも近代的な駅へと変わってしまうのだろうな~ぁ。 ちょっと淋しい気がする…。
今回青森駅には見学に来ただけで、残念ながら列車には乗らない。
この後、駅前から出るリムジンバスに乗って空港へと向かう予定だが、バスの時刻までまだしばらく時間があったので、駅前の 小さな 小さな待合所でパソコンを広げて 一人旅 五日目にして最終日のBlogを更新する。
青森駅から青森空港までは直行バスで30分少々。 空港に着く少し前頃から小雨が降り出した。
青森空港は想像していたよりも近代的な空港であった。
バスの車内にて NETで飛行機のCheck In を済ませておいたので、空港では手荷物を預けるだけでOK! 搭乗時刻までFree time である。 とは言って何もすることもないので、空港のレストランに入って
今回の旅、最後の晩餐会を催すことにした。
いただいたのは、期間限定御膳‘津軽・祭囃子’で、地物料理がいろいろついて¥1,500!と御値打ち & 美味しかった!
(帰宅してからの体重計が恐怖である…)
ごゆるりとDinnerを楽しみ、搭乗時刻の少し前にGateに行くとちょうど改札が始まった。
乗客は多くない。 J-classは私の他に二人だけ。 EC-classも半分以上は空席のようだった。
窓の外は雨模様。 飛行機は予定よりも少し早めにGateを離れた。 そして離陸。
眼下に広がる青森の夜景はなんだか素朴な感じ… 「See you again …」
雨雲を抜けた上空は、既に地球の陰に隠れてしまった太陽の光が僅かばかり差し込み、それが黒・白・青の物悲しいコントラストを作り出していた。
何だか新聞も読む気になれないし…。 私は、機内サービスのコーヒーをいただきながら、シートに深く腰を沈めて瞳を閉じた。
長かったようで短くて、短いようで長かったような… そんな感じの五日間…
特に何をしたわけではないけれど、いろいろなことがあったような気がする…
私は今、何を考えているのだろう・・・・・ わからない・・・・・
今回の旅に同行してくれたメモ帳も、残り数ページとなった… この五日間の私の記憶…
変だな~ぁ、 泣きたい訳でもないのに…、 何も考えていないのに…、 目から雫が流れ落ちた…。 これも涙って言えるのだろうか…。
私・・・・・・・・ 何も捨てられなかった・・・・・・・・ 何もかも捨てるつもりで旅立ったはずなのに…、 私は、何一つとして捨てることが出来なかった・・・・・・・・
それでも、後悔はしていない。 これが私なんだ…。 何一つ捨てることの出来ないのが私なんだ…。
この五日間は私にとってどんな意味を持っていたのだろう。
「何故、恐山なのか…」 と、相変わらずの自問に思わず笑いが吹き出る。 も~ぉ、ど~だっていいよ!
今は、何もわからないことが幸せ…
夜の8時を過ぎると、さすがに窓の外は暗闇に包まれる。
見えるのは、窓ガラスに反射する自分の姿と、飛行機の翼でフラッシュする灯りだけ。
そっか~ぁ!! 無明の中では何も見えない。 後方から私にあてられた光があって、初めて私の正面に薄ぼんやりとした自分の姿を見ることが出来るんだ!
でも、それだけじゃ~、私は自分の姿しか見ることしか出来ない…。
だけど、一瞬だけ自分が見えなくなる時がある。 それは、窓の外のライトが点灯するたびに、自分の姿は窓ガラスから見えなくなって、この時見えるのは、まぶしすぎるこのライトだけ…。
そうなのかもしれない・・・・・・!! 何が・・・・・・?
ん~~~・・・・・ 何だかよくわかんない! 頭がこんがらがってきた!!
頭をブルブル回していると、「コーヒーのおかわりはいかがですか?」 とCA。
「今度はゆずジュースをください!」 既にお腹は、ちゃぽん ちゃぽんである・・・
しかし…、青森へ行くのに往路は鈍行列車で三日も要したのに、復路は飛行機で1時間チョットとはね~ぇ… 文明の力はすごいね!
飛行機は予定時刻よりも15分も早くセントレアに到着した。
そして空港に迎えに来てくれているはずの夫と五日ぶりの再会… のはずが、夫がいない…
携帯に電話をすると、「空港には来ているんだけどね、また迷子になっちゃった! 奈っちゃん、探しに来て!」 と・・・・・ 「はい、はい! 迎えに行くから待っててね!」
はあぁ~、 一人旅が終わったことをしみじみと実感する・・・・・
2009夏 一人旅・回想録 35 ( 青森 ) [Travel]
船は脇野沢を出港した。 これで下北半島ともお別れである… 「See you …」
陸奥湾に入ってから船は大きく揺れるようになったが、午後3時、定刻どおりに青森港へと入港した。
さて…、どうしようか…。 とりあえず港をフラフラと散策する。
最初に見つけたのは、石川さゆりの歌う『津軽海峡冬景色』の歌碑であった。 ボタンを押して懐かしきその歌を聴いていると徐々に人が集ってきて・・・ でも、誰も声に出して歌わなかった。
また、港には、現役を終えた青函連絡船の八甲田丸が係留されていて博物館として公開されていたが、特に興味がなかったので素通りしようとしたところ、いきなり大阪弁で声をかけられた…、 と思ったら、八甲田丸の前にあるドリンクの自動販売機が何かのセンサーでしゃべり出したのだった。
しかし…、なぜ大阪弁? ここは青森なんだし…。 私は個人的に関西弁よりも東北弁でしゃべる自動販売機の方のが面白いと思うのだけど…
このあと、青森観光物産センター・アスパムまで行けば何かあるだろうと、青い海公園へと向かった。
港からアスパムまでは海の上をBoard walk で行くことができる、とても快適なお散歩コース!
そして公園の海岸沿いを歩いていると、何やら園内から賑やかな音楽や太鼓の音色が聞えてきたのでそれにつられて広場の方まで行ってみると、テレビ局の中継車が何台も出動するほどの大きなイベントをしていた。
「何だろう? 何だろう?? 何だろう???」 中継車や人混みをかき分けて中に入っていくと、巨大なテントハウスが立ち並ぶその中に、なんと“ねぶた”が展示されているではないか! 「WaO~!!!」
すごい! すごい!! と、感激しながら展示されているねぶたを全部カメラにおさめちゃった!!!
この時は感激しすぎて、ただ単純に喜ぶばかりであったが、この後ステージの方へと行ってみると、そこに 【 祝 青森ねぶた祭前夜祭 】 との大看板を発見し、 「え゛゛゛っ! あの有名なねぶた祭り?」 「その前夜祭?」 と言うことは、今日、名古屋に帰る予定の私は、見られないじゃん…! トホホ…である…
これぞ、無計画な旅の落とし穴だよね~ぇ…
今さら仕方がないので、青森ねぶたまつりの‘前夜祭’ならぬ‘前夕方祭’を思う存分楽しむ!
初めてねぶたを目の前にしたけど、想像していたものよりもかなり大きい。 山車を三台並べたくらいの大きさで、しかも骨組みもかなり頑丈そうだ。
日のある内に見てもこれだけ壮観なのだもの、夜、これに明かりが灯って、祭囃子や太鼓の音、人々の大きなかけ声が加われば、もっと もっと 素晴しいんだろうな~ぁ~ あ~、残念!!
これが私のお気に入りの二点。 いつか、夜闇に壮大に浮かび上がったその姿を見に来たいな~!
陸奥湾に入ってから船は大きく揺れるようになったが、午後3時、定刻どおりに青森港へと入港した。
さて…、どうしようか…。 とりあえず港をフラフラと散策する。
最初に見つけたのは、石川さゆりの歌う『津軽海峡冬景色』の歌碑であった。 ボタンを押して懐かしきその歌を聴いていると徐々に人が集ってきて・・・ でも、誰も声に出して歌わなかった。
また、港には、現役を終えた青函連絡船の八甲田丸が係留されていて博物館として公開されていたが、特に興味がなかったので素通りしようとしたところ、いきなり大阪弁で声をかけられた…、 と思ったら、八甲田丸の前にあるドリンクの自動販売機が何かのセンサーでしゃべり出したのだった。
しかし…、なぜ大阪弁? ここは青森なんだし…。 私は個人的に関西弁よりも東北弁でしゃべる自動販売機の方のが面白いと思うのだけど…
このあと、青森観光物産センター・アスパムまで行けば何かあるだろうと、青い海公園へと向かった。
港からアスパムまでは海の上をBoard walk で行くことができる、とても快適なお散歩コース!
そして公園の海岸沿いを歩いていると、何やら園内から賑やかな音楽や太鼓の音色が聞えてきたのでそれにつられて広場の方まで行ってみると、テレビ局の中継車が何台も出動するほどの大きなイベントをしていた。
「何だろう? 何だろう?? 何だろう???」 中継車や人混みをかき分けて中に入っていくと、巨大なテントハウスが立ち並ぶその中に、なんと“ねぶた”が展示されているではないか! 「WaO~!!!」
すごい! すごい!! と、感激しながら展示されているねぶたを全部カメラにおさめちゃった!!!
この時は感激しすぎて、ただ単純に喜ぶばかりであったが、この後ステージの方へと行ってみると、そこに 【 祝 青森ねぶた祭前夜祭 】 との大看板を発見し、 「え゛゛゛っ! あの有名なねぶた祭り?」 「その前夜祭?」 と言うことは、今日、名古屋に帰る予定の私は、見られないじゃん…! トホホ…である…
これぞ、無計画な旅の落とし穴だよね~ぇ…
今さら仕方がないので、青森ねぶたまつりの‘前夜祭’ならぬ‘前夕方祭’を思う存分楽しむ!
初めてねぶたを目の前にしたけど、想像していたものよりもかなり大きい。 山車を三台並べたくらいの大きさで、しかも骨組みもかなり頑丈そうだ。
日のある内に見てもこれだけ壮観なのだもの、夜、これに明かりが灯って、祭囃子や太鼓の音、人々の大きなかけ声が加われば、もっと もっと 素晴しいんだろうな~ぁ~ あ~、残念!!
これが私のお気に入りの二点。 いつか、夜闇に壮大に浮かび上がったその姿を見に来たいな~!
2009夏 一人旅・回想録 34 ( 下北半島 → 青森 ) [Travel]
仏ヶ浦の散策を終えて船へと戻る。 暑くて、暑くて、融けてしまいそうだ!
昨日に引き続いて、今日も日焼け間違いなしである! 青森にいるのに、既に肌は南国の小麦色!
佐井の港に戻ると、「奈っちゃん、お帰り~!」と出迎えてくれた優しい人たち、ありがとう!
そして私は、おばさんにスーツケースを預けたまま、港のレストランでチャチャッと Lunch time
今日のメニューは、とろとろ卵のシーフードオムライス・カレー!
オムライスにカレーという組み合わせは初体験!
食べ放題の一夜漬けサラダも、とってもとっても美味しかったけど、量が多くて完食ならず・・・ ゴメンナサイ
今日まで、北へ、北へと向かってきたけど、いよいよ南へとU-Turnだ。
慌ただしくもおばさんにお礼をしてスーツケースを受け取り、「またね!」という言葉で別れ、今度はシィライン社の高速旅客船ポーラスターに乗船する。 ここから青森港まで、二時間半の船の旅だ。
乗客は数えるほどしかいないので座席は使いたい放題。 しかし、船内は冷房も入っておらず、窓も開かず、甲板にも出られないので、とても快適とは言い難かった。
船がゆっくりと岸壁を離れる…。 なんだか切ない…。
ここまで来た・・・・・・・ ここまで来て、私は何を得たのだろう・・・。 この数日間は、私にとって何だったのだろう・・・。 そんな思いが込み上げてきたが、答えは出なかった。
ただ、おばさんと、「またね!」と言って別れたことを胸にかみしめる…。
これは、昔からの私の儀式。 自分への戒め。
「Good-bye」ではなく 「See you」で別れるのは、未練ったらしい自分とか、虚仮な自分が見えるから。
もしかしたら私は、自己認識していない、理屈を抜きにした部分で、“無常”なるものを知っているのかなぁ・・・
自分の知識や思いを越えた部分で感じている何かに対して、それを知っているからこそ無意識の内に、嫌なモノには目を向けないように、自分にデメリットをもたらすモノには触れないように、そうやってそれらを自己判断で選別しながら自分を守っているからこそ生きていられるのかもしれない…、と思った・・・・・
船は、先ほど訪れた仏ヶ浦の近くまで来て徐行し始めた。
海上から見る仏ヶ浦の巨岩群は、本当にチッポケなものに見えて・・・・・、 何だかイヤになってきた!
今に始まったことじゃないが、自分のその時々の心を基準にアレコレと思案することが、ものすごく鬱陶しく、邪魔に感じる・・・ でも、これがなくなったら私はどうなっちゃうんだろう・・・・・?
何もなくなっちゃう…! 私から、「我(わたし)」を抜いたら、何もなくなっちゃうじゃん・・・!
何だか笑えた。 よくわからないけど笑えた。 そして笑いの中から、「無駄な抵抗はもうやめよ!」と言う、真面目な声を聞いたような気がする。
船内には観光案内が流れているが、乗客の中にすこぶる機嫌の悪い子供がいて、彼の発する奇声によって何を言っているのか全く聞えない。
それなのになぜか周囲の乗客が、「チェッ」っとする舌打ちだけはよく耳に入ってくる。
世の中、耳をふさぎたくなるようなことばかりだ~。
旅客船ポーラスターは、最寄の港に立ち寄りながら南へと進み、途中、団体客の乗船もあって船内はかなり賑やかくなった。
そして、脇野沢港では15分の停泊時間があったので、私は一人、港へと降り立った。 他には誰も降りてこない。
私は港にあったモニュメントの上で仰向けに寝転んで…、空を見つめ、両手を上げた。
私の手って、こんなにも短い・・・・・ これじゃ~、お空に届かない・・・・・
どんなに どんなに 頑張ったって、これじゃ~、全然届かないよ~~~ 「悔しい・・・・・」
でも・・・・・、 今、私が触れているこの空間と、私が見上げて空と呼んでいるあの宇宙空間との境目って、どこなんだろう…、 それはどんななんだろう…。
10分少々、すっかり自分の世界に浸ってしまったが、「ヨッコイショ!」 と起き上がって船の方を見ると、船窓からはたくさんの視線がこちらに向けられていた… 「恥ずかしいじゃん・・・!」
昨日に引き続いて、今日も日焼け間違いなしである! 青森にいるのに、既に肌は南国の小麦色!
佐井の港に戻ると、「奈っちゃん、お帰り~!」と出迎えてくれた優しい人たち、ありがとう!
そして私は、おばさんにスーツケースを預けたまま、港のレストランでチャチャッと Lunch time
今日のメニューは、とろとろ卵のシーフードオムライス・カレー!
オムライスにカレーという組み合わせは初体験!
食べ放題の一夜漬けサラダも、とってもとっても美味しかったけど、量が多くて完食ならず・・・ ゴメンナサイ
今日まで、北へ、北へと向かってきたけど、いよいよ南へとU-Turnだ。
慌ただしくもおばさんにお礼をしてスーツケースを受け取り、「またね!」という言葉で別れ、今度はシィライン社の高速旅客船ポーラスターに乗船する。 ここから青森港まで、二時間半の船の旅だ。
乗客は数えるほどしかいないので座席は使いたい放題。 しかし、船内は冷房も入っておらず、窓も開かず、甲板にも出られないので、とても快適とは言い難かった。
船がゆっくりと岸壁を離れる…。 なんだか切ない…。
ここまで来た・・・・・・・ ここまで来て、私は何を得たのだろう・・・。 この数日間は、私にとって何だったのだろう・・・。 そんな思いが込み上げてきたが、答えは出なかった。
ただ、おばさんと、「またね!」と言って別れたことを胸にかみしめる…。
これは、昔からの私の儀式。 自分への戒め。
「Good-bye」ではなく 「See you」で別れるのは、未練ったらしい自分とか、虚仮な自分が見えるから。
もしかしたら私は、自己認識していない、理屈を抜きにした部分で、“無常”なるものを知っているのかなぁ・・・
自分の知識や思いを越えた部分で感じている何かに対して、それを知っているからこそ無意識の内に、嫌なモノには目を向けないように、自分にデメリットをもたらすモノには触れないように、そうやってそれらを自己判断で選別しながら自分を守っているからこそ生きていられるのかもしれない…、と思った・・・・・
船は、先ほど訪れた仏ヶ浦の近くまで来て徐行し始めた。
海上から見る仏ヶ浦の巨岩群は、本当にチッポケなものに見えて・・・・・、 何だかイヤになってきた!
今に始まったことじゃないが、自分のその時々の心を基準にアレコレと思案することが、ものすごく鬱陶しく、邪魔に感じる・・・ でも、これがなくなったら私はどうなっちゃうんだろう・・・・・?
何もなくなっちゃう…! 私から、「我(わたし)」を抜いたら、何もなくなっちゃうじゃん・・・!
何だか笑えた。 よくわからないけど笑えた。 そして笑いの中から、「無駄な抵抗はもうやめよ!」と言う、真面目な声を聞いたような気がする。
船内には観光案内が流れているが、乗客の中にすこぶる機嫌の悪い子供がいて、彼の発する奇声によって何を言っているのか全く聞えない。
それなのになぜか周囲の乗客が、「チェッ」っとする舌打ちだけはよく耳に入ってくる。
世の中、耳をふさぎたくなるようなことばかりだ~。
旅客船ポーラスターは、最寄の港に立ち寄りながら南へと進み、途中、団体客の乗船もあって船内はかなり賑やかくなった。
そして、脇野沢港では15分の停泊時間があったので、私は一人、港へと降り立った。 他には誰も降りてこない。
私は港にあったモニュメントの上で仰向けに寝転んで…、空を見つめ、両手を上げた。
私の手って、こんなにも短い・・・・・ これじゃ~、お空に届かない・・・・・
どんなに どんなに 頑張ったって、これじゃ~、全然届かないよ~~~ 「悔しい・・・・・」
でも・・・・・、 今、私が触れているこの空間と、私が見上げて空と呼んでいるあの宇宙空間との境目って、どこなんだろう…、 それはどんななんだろう…。
10分少々、すっかり自分の世界に浸ってしまったが、「ヨッコイショ!」 と起き上がって船の方を見ると、船窓からはたくさんの視線がこちらに向けられていた… 「恥ずかしいじゃん・・・!」