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2009夏 一人旅・回想録 29 ( 恐山 → むつバスターミナル ) [Travel]

宇曽利湖に背を向けて地獄めぐりコースへとまっすぐに、そして足早に進む。
賭博地獄、金堀地獄、法華地獄、などなど、聞いたことのない地獄横丁の看板を、他人事として横目に通り過ぎる。
唯一、「恐ろし~ぃ!」と思った看板は、「マムシ注意」と書かれた看板だけ!
人の作った地獄なんて全然恐ろしいとは思えないけど、マムシと出会うことだけは勘弁願いますって感じ…。

地獄めぐりの後は五智山展望台に登ったが、面白くもなんともない…。
この後、霊場恐山の南の谷に、「林崎大明神参道」と書かれた看板がポツンと突っ立っていたので、面白そう!と、その真っ白な小石の山の急斜面を、女性らしからぬ格好でよじ登って行った。
山上には石仏などがあり、そこから恐山菩提寺を一望できるViewpointであったが、やっぱり面白味に欠けて早々に下山する。 人工物を眺めるより、この小山の上り下りの方がよっぽどスリルがあって楽しい!
あら?  私って、穏やかな安心を求めているのだろうか…  それとも冒険的な不安定さを求めているのだろうか…   どちらにしろ、今の自分を満足させることしか考えていないのは確かなようだ!

恐山菩提寺総門が退場してバス停へと向かう。 するとちょうどバスが来たのでさっそく乗り込もうとしたら運転手さんから、「まだしばらくは発車しないから遊んで来てください」と言われた。
私がNETよりプリントした時刻表を見せると、「あぁ、最近ダイヤ改正をしまして、今は一日4本のバスしかありません。 これが今日最後のバスです!」と言われた。
よかった・・・・・。  何はともあれ、この霊場恐山にて野宿をせずにすんだ。

バス車窓から見た宇曽利湖 

帰りのバスの車内では、恐山のイタコに伝わる『実話』と称した物語りのいくつかがテープで流されたが、どれもこれもまことにお粗末なお話しで、聞いているだけで疲れてしまった。
死んだ娘の魂が新しい着物を着てお礼参りに来ただとか…、この子は昨年死んだ誰々の生まれ変わりだとか…、 身近な人の“死”を、自分勝手に良く良く解釈したくなる気持ちもわからんでもないが、「全部、人の“死”じゃん!」って思いながら聞いていた。
すると、「それじゃ~、自分はどうなのよ?!」って自分に切り返されて、思わず一歩後ずさったが…、 「私こそ、 まったくわかっていない…、 まったく感じてなんかいない!」
そんな自身のグチャグチャした思いに入り込みそうになった時、 「次は、念仏車~、念仏車です。 お降りの方はボタンでお知らせください」 との車内アナウンスが入った。
「念仏車?」 そんな地名があるんだ~。  ‘私’という地名の中にもお念仏は届けられているけれど、私はそれを全然回していないな~ぁ… なんて思い、一言、‘南無阿弥陀仏’と小さな声で呟いた。

むつバスターミナルで一旦バスから下車し、予約しておいた今夜の宿へと向かうためのバスを待つ。
その間、約1時間。 まずはNETで今朝予約した飛行機のチケットが取れたかを確認する。
帰りも青春18きっぷで帰る予定だったが、のんびりとしていたら今生事の予定に間に合わない!
後生のことはチンプンカンプンで慌てる気持ちにはサッパリなれないが、今生事には飛びついたら最後、おろそかには出来ず大慌てである!
しかし、パソコンを膝の上に乗せて、カチャカチャっとキーボードを叩くだけでアッという間に翌日のAIRチケットが取れてしまうだなんて…、しかもディスカウトチケットが…、 全く便利な世の中になったものだ!

それから、霊場恐山では圏外で携帯電話すら使用できなかったので、この間に携帯Mailの送信とBlogの更新をしていたらアッという間に1時間が過ぎてしまった。 案の定、むつバスターミナルから5分も走るとパソコンからNETへのアクセスは出来なくなり、この1時間は、今回の旅の中で一番充実した1時間となった。 
さてさて、NETは無理だけど、今夜のお宿では携帯電話は繋がるのだろうか…?

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