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母の命日 [心]

今日は母の命日である。

母の魂は、今どこにいるのだろうかと、時々思うことがある。

私が仏教というものに興味をいだき、縁あって、初めて私に仏教のイロハを教えてくれたM沢氏には、
「人は、この肉体の命が尽きたなら、必ず地獄に堕ちると釈尊は説いておられる。
この一大事を解決できた者のみ、弥陀の本願力で極楽往生できるのだが・・・
残念だが、君のお母さんは仏法も聞いておられなかったし、宿善も積んでこなかったので、この世の自業苦(じごく)からあの世の地獄へと堕ちるしかない身であった」
と言われた。
すごいショックだった・・・・・
日本神話や口伝では、人間死ねば苦しみから解放されて、肉体から抜け出た魂は“仏”と呼称され、あの世で幸せに生きられるのだと幼い頃より聞いて育ち、これに何の根拠がなくとも、そう信じていたからこそ、息絶えた母にむかって、「楽になってよかったね、安らかに、そしてゆっくり休んでね」と声をかけたのに・・・・・
病床で苦しみぬいた挙句にこの世を去った母が、この世の苦しみとは比べものにならない程の大苦の世界に堕ちたのだと聞かされて、私は当然のことながらひどく反発をした。
しかし、何の根拠も無い“常識と言う名の言い伝え”など、M沢氏が引き出しされた『経典』の前に、全く対し得るものではなかった・・・・・

しかし、それから一年の後。 
半年ほど前に、尊いご縁によって出会ったM岡先生は、私に、
「あなたのお母さんは極楽浄土より、還相回向であなたを済度する為にこの世にお出ましになられた方かもしれませんよ。
現にあなたは、あなたのお母さんが自らの命と引き換えに、あなたを仏教へと導かれて、今ここにいるではありませんか。
真実を知りたければ、まず、あなたが仏の身となることが先決ですよ。
それがあなたのお母さんの一番の望みであり、このような尊いお手回しをしてくださった阿弥陀様に対する、唯一のご恩返しなのですから」
と言って下さった。
暗く冷たい氷の部屋に、暖かいろうそくの灯火を差し出されたようだった。

だから私は時々思う。
母は、今、どこで何をしているのだろうと。
時には花となり、時には虫となって、幾度となく姿を変えながら私の前に現れて、「早く聞き開きなさい。早く受け取りなさい」と導いて下さっているのかな?
それとも、弟や妹のもとへ下りて、仏法へと導いて下さっているのかな?
それとも・・・・・ もしかしたら地獄で・・・・・ なんて、

今日は母の命日だというのに、私は墓参りにも行かず、御仏壇にも手を合わせず、今生事に追われながら自分勝手に今日の日を過ごした。
こんな自分を反省することも出来ず、自分に対しての言い訳ばかりを並び立てている、とことん腐っている私・・・・・
こんな私だからこそ、救わずにはおれんのだと言ってくださる阿弥陀様の御心に、そっぽを向くことしかできない私がここにいる。

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