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スリランカ の お葬式 [アジア]

3355681クルネーガラの町を出る手前で踏み切りの遮断機が下
りた。 LUCKY[手(チョキ)] 列車が見られる!
スリランカでは、コロンボ・フォート駅を起点に、国内の
主要都市に向けて放射線状にレールが敷かれている。 
鉄道は19世紀半ば、イギリスの植民地時代に島内に
おける紅茶などの農産物の輸送手段として敷設が創
始され、現在ではコロンボ近郊からの通勤の足として、
また旅客鉄道として特急列車も走っているので観光の足として利用することも可能だ。
私たちの目の前を通過した列車のその車両の古さには驚いたが、これが普通なのだとか…
スリランカでは、バス、タクシー、列車に至るまで、「ドアは無い」というのが普通のようだ!

スリランカのお葬式クルネーガラから車で30分ほど走ったハンオムアの町にさしかかったところで、道路上に掲げられた不思議な飾りを発見[exclamation&question]
 道を隔てて右から左の電柱に、そして左から右の電柱にと、300mほどの距離を交互にロープを往復させて、そのロープには白い短冊のようなものが引っ掛かったようにくくり付けられてある奇妙な装飾。
「これは何の飾り?」と聞くと、「あぁ、お葬式があるんですよ!」と教えてくれた。
興味津々!! ここぞとばかりにスリランカのお葬式についてアレコレ質問!

この飾りは、「この家の人が亡くなりましたよ~」という印と言うか案内として、亡くなった人のお家から墓地の方角へと飾りつける。 飾りは、写真のような紐状の短冊のものもあれば、もう少し大きめのハンカチ状の短冊のものもあり、色は、白・黒・黄色などがある。
これには意味があって、例えば仏教徒のお葬式は白い紐状の短冊、僧侶の葬儀ならば黄色の短冊、キリスト教徒は黒の短冊で、ヒンドゥー教徒は白のハンカチ状・・・ などを表わしているそうだ。

スリランカでは人が亡くなると家族全員が揃うまでお葬式をしない。 海外に暮らす家族を待つこともあるので、3日~5日、時には1週間でも家族が帰省するのを待つ。
その間、死者の家では、ず~~~っと葬儀状態となるので、まず人が死ぬと専門業者に遺体の腐敗防止処理を施してもらってから死者は自宅へと運ばれることになる。
お葬式のことを「マラゲダラ」と言うのだが、「マラ」は‘死’を、「ゲダラ」は‘家’を意味し、スリランカでは自宅にて葬儀をするのが常識となっている。 葬祭センターなどはもちろんない。
それに、スリランカの寺院は、「生きている人」の為にあるのであって、日本の末寺のように、「死んだ人」の葬儀場として寺院を利用するということはありえない。

さて、スリランカの葬儀では死者の家の者(遺族)は、ほとんど何もしなくてもよいのだそうだ。
いわゆる日本で言う隣組とか町内会の人たちがすべてを段取り、また、本人や家族の勤め先からも応援が来るので、遺族は、ただ ただ 個人の冥福を祈るのみ。 
道に掲げられた葬儀の飾りも、棺おけの手配も、葬儀費用の集金までそれらの人たちがやってくれる。

葬儀の期間中(通常4日前後)、親戚縁者はもちろんのこと、面識のある人・ない人を問わず、たっくさんの人々が弔問に訪れる。 この為、「この家の人が亡くなりましたよ!」という旗印が重要となるわけ!
何故そんなにもたくさんの人たちが集るのかというと、葬儀に来てくれた人たちには、もれなく食事(もちろんカレーだ!)が振舞われるからだ。
そして何故そんなにもやたらめったら振舞うのかというと、葬儀で人々にご馳走を施すことは死者の功徳になると考えられているからだ。 つまり、死んだ人が良い所に生まれ変われるように、この世で最後の善行を積んであげましょう、という理由なのだそうだ。
ちなみにスリランカの仏教は、ヒンドゥー教と同様、死者は再びこの世に生まれ変わると信じられており、キリスト教では、死=消滅を意味する。

炊き出しは町内会の女性たちが協力して作って弔問客をもてなし、男性たちは死者やその家族のガードマンとして四六時中付き添いながらゲームなどをして楽しくのんびりとした時間を過ごすそうだ。

さ~ぁ、家族も全員揃っていよいよお葬式が執り行われる。
お葬式には死者の自宅に僧侶を招いてお経をあげてもらい、その後ご法話をいただく。
何のお経をあげているのかは不明だが、「来世では、もっと幸せな人生が送れますように!」という願いの込められたお経なのだとか…σ(^_^;)?
読経の後、僧侶に供物を捧げる。 儀式的なことは極短時間で終了。
そして僧侶の説法が始まるが、その内容は日本とあまり変わらないような・・・(^.^ゞ
「故人は生前、こんな善いことをしました、あんな功徳を積みました。 なので来世ではきっと幸せな人生が待っていることでしょう! ですからご遺族は笑顔でこの旅立ちを見送ってあげましょ~ね~!」
というのが大半のあらすじ。

スリランカ仏教の僧侶は死者のことはあまり問題にしない。 あくまで残された遺族に対して法を説く。
ま~ぁ、法と言えるかどうかはさておき…、まずは遺族の悲しみを緩和することに焦点をおき、結論として、 「私たちは必ず死にます。 そして生まれ変わります。 来世で幸福な人生が送れるように、現世での日々の生き方を改め、善い行いをして功徳を積みましょう~」 と、説く。
「警察に捕まるようなことをすると、地獄に堕ちますよ~」 と…。

さてさて、長くなりましたがいよいよクライマックスです。
お葬式の後はみんなで棺おけを担いで火葬場orお墓に運ぶ。 
仏教では火葬が通例だが、金銭的な問題や土地柄などで土葬のところも少なくはないそうだ。
そしてお墓から帰ってきたら、またみんなでお食事をいただく。 これも故人の功徳となる。
お葬式から一週間後、再び僧侶を自宅に招いて食事を振る舞い、布や生活品などの供物を捧げる。
その後は三ヵ月後と一年後にも同じように僧侶を招いて接待する。 これも故人の功徳となるそうだ。

と言うわけで、スリランカの葬儀には、接待費などでかなりのお金が必要となる。で、葬式費用の工面ができない人はどうするかというと、どなた様も毎月 毎月 町内会にて月がけの葬儀費互助会のかたちで積立金をしているのでそちらから捻出される。
それでも不足する場合は、葬儀の時に町内会の人たちがお金持ちの家に行って、「あなたの功徳にもなりますから、葬儀費用を出してちょ~だい!」と請求&徴収してきてくれる。

スリランカって横のつながりがけっこう温かいのね!  いいな~、スリランカ!!

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