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天川村  ~ 洞川遊歩道 ~ [Travel]

2952942宿の駐車場に車を預けて、地図を片手に歩き出す。
最初に向かった先は、山上川(さんじょうがわ)を挟んで洞川(どろがわ)の旅館街とは対岸に位置する、大峯山龍泉寺である。
現在ここは真言宗の弥勒信仰の寺院であるが、1300年ほど前、修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が泉を発見し、八大龍王尊をお祀りして水行をしたのが起源であると伝承されている。
モミの木の新緑が美しく輝く境内には、その緑を水面に映す人口の池があるが、役行者が発見した頃には、底深く青く澄みきった泉であったと伝えられている。
本堂に入って参拝していると、不自然なほどスムーズに左手のドアがスーッと開いて、薄暗い本堂に外からの光が差し込んだ。
私は誘われるようにしてそのドアより外に出てみると、右手奥・本堂裏手の崖の斜面に、人のよじ登れるそうな石段があることに気付き何気なく近づいて行く。
この時、パタンっという背後の音に振り返ってみると、私が出てきた本堂のドアが自然に閉まっていた。
これを気にすることなく、私は雑草を掻き分けながらその崖の斜面をよじ登って行った。
本堂の屋根が目の前に見えるほどの高さの斜面に立つと少し足が震えたが、視線を崖上の方に移すと、その先の斜面に等身大ほどの祠があることに気がついた。
そこへ行くには、更に足元の悪い斜面を横に移動しなければならず、私は少し考えた後、境内では愛先生が待っているだろうし… と、 迷った挙句にここで引き返すことにした。
崖から下りてくると、何故か再び本堂横手のドアが音もなく開いたので、私は「ご苦労さん!」とばかりにそのドアから本堂へと戻ると、ドアはまた自然に閉じた。
そんな不思議な偶然と発見を楽しんだ龍泉寺を後にして、次に面不動鍾乳洞へと向かった。

洞川八幡宮に立ち寄ってから、トロッコ(有料)で面不動鍾乳洞へと向かうつもりで来たが、残念ながらトロッコは週末のみの営業のようでその日は休業…、 しかたなく、私たちは自力でその坂道を登ることになった。
鍾乳洞の入り口までの急な登り坂を300mほどの上がると、洞川の町並みを一望できる高台に着いた。
景色はまずまず! しかし、熱いし疲れた…。
面不動鍾乳洞は、昭和初期に発掘された延長150mの鍾乳洞で、保存食の保管や蚕種の成育にも利用されていたようだ。  また洞内の温度は快適で、外に出るのを躊躇したほどであった。

2952944面不動鍾乳洞を出てかりがね吊橋へと向かうために、吉野杉の林立する山林へと入って行く。
山道ではあるものの、洞川遊歩道として小径ができているので山に迷い込む心配はないだろうが、部分的には案外厳しい登り坂なども存在するハイキングコースであった。

林の中はとても心地がよかった。
風の音…、 鳥の声…、 そして耳をすませば私の鼓動が聞こえる。
森の風を頬に受けて見上げれば、背の高い杉の枝葉のすきまから宇宙が覗ける。
「あぁ…、 私は 今、 感じてる…、  私は 今、生きている ・・・・・」  そう思えた。

陽が西に傾きかけても、森林の緑は自らの力で輝いていた。 若緑色の光の香りが沸き立っている。
ひと山を登って下った先に、全長120m・高さ50mの、天川村で一番長い吊橋のたもとに出た。
眼下に洞川の家々を見おろすことのできる、かりがね吊橋である。
この先の大原山展望台まで歩いて行く予定であったが、予想以上にのんびりと散策をして来たために時間と体力の余力に不安を感じて、ここでUターンし、再び大峯山龍泉寺に向かって山を下りた。

宿へ戻ってCHECK INを済ませた後、洞川温泉にゆっくりとつかりながら疲れを揉みほぐす。
客室は山上川を見下ろせる川側の角部屋で、とても落ち着いた雰囲気のきれいなお部屋だった。
夕食までのひと時を、読書などをして過ごす。  愛先生は仮眠中。
瀬音のBGMが心地よくて、窓辺にて川の風をみつめながら、フッと出てきた曲を口ずさむ。
「ここに来れてよかった・・・」と、しみじみ思った。

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