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天川村  ~ 大峯山・女人結界門 ~ [Travel]

「天河大辨財天社」を後にてし、昼食のために洞川(どろがわ)温泉の旅館通りにある郷土料理のお食事処にて一服。
山上川(さんじょうがわ)を見下ろすお座敷でお料理を待つ間、大きく開放された窓からは川のせせらぎと、初夏の風に揺れる対岸の大きな樹木のざわめく音を胸いっぱいに聞く。

昼食の後は、いよいよ大峯山の入り口へ。 そう…、 残念ながら女性は入山できない・・・・・
修験道場としての大峯山というのは、吉野から熊野へと続く山脈全体を指しており、修験道の根本道場である大峯山寺山上蔵王堂のある山上ヶ岳(金峯山)は、現在でも女人禁制を維持している。
洞川村の集落を抜けて大峯大橋まで車で向かう途中に、修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が、母・渡都岐(とつき)白専女のために建てた庵・母公堂がある。
大峯の女人禁制は、この母に由来すると伝えられる。
役行者が山深く危険な場所で修行に打ち込んでいることを心配した母が、何度もこの山に訪ね入ろうとするものの山の険しさに行く手を阻まれるが、それでもなお息子の後を追おうとする。
このままでは母の身が危険であるとして、役行者は蛇ケ谷に母の為の庵を構え、自身が時々ここを訪ねることで母も安心するだろうと建てられたのが母公堂である。
そして今後、母が自分の後を追わないようにと、役行者の母を想う心から大峯山の女人入山を禁止して結界門を建てたのが、「大峯女人禁制」の始まりであるとされている。

2951889大峯大橋のたもとに車を止めて橋を渡り、立ち並ぶ修験道者らの石碑を横目に山頂へと向かう道を進むと、すぐに女人結界門はあった。
吉野杉の林立する林の中へと続く一筋の細い道のその手前に、「從是女人結界」と書かれた大きな石柱が立てられ、その後ろに女人結界門が凛と立ちふさがる。
「何のことは無い、ただの門じゃないか…」 そうは思っても、“掟”という言葉が、心に重くのしかかる。
愛先生は、「ここの“気”はよろしくない!」と言って、先に車へ戻ってしまわれたので、私は一人、結界門の前に立ち、山頂へと続くその道の先をみつめた。
フッと気を抜けば、無意識の内にこの門をくぐって、奥へ奥へと駆け出しそうな気持ちになる。
心に何か沸き立つ念(おもい)が出かかったその時…、不意に私の顔前に一匹の虫が飛び始めて、何度手で追い払っても鬱陶しくまとわり付いて来た。
その一匹の羽虫に、心のすべてを持ち去られ、かき乱されて、私はしかたなく女人結界門に背を向けてもと来た道を戻るが、結局車に乗り込むまでその虫は私の顔前を離れようとはしなかった。
正真正銘のおじゃま虫に、気分をすっかり害された思い出が残ってしまった結果に、少々不満ぎみである。

宿へと車を走らせる途中、いくつか寄りたいスポットがあったが、ここら一帯は各箇所ごとにすべて駐車料金を請求されるのでこれが難点、 と言うことで今回は通り過ぎて、今度来た時に歩いて回ることにしよう…。

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