SSブログ

スリランカ ― ダンブッラ ( 石窟寺院 ② ) [アジア]

< 第 2 窟 >  Maha raja Lena (マハー・ラージャ・レーナ)

ダンブッラ第二窟.JPG

第2窟は、「偉大なる王の石窟」と呼ばれ、ダンブッラ石窟寺院の中では最大規模の石窟である。
その大きさは、幅 約52m ・ 奥行 約25m ・ 高さ 約7m で、内部にはストゥーパ(仏舎利塔) と 寝仏(ここのは涅槃仏ではない)の他に 16体の立像のお釈迦さま像と 40体の坐像のお釈迦さま像、その他に 2体の菩薩像と 2体の王の像と 2体のヒンドゥー教の神の像がある。

ここ第2窟の呼び名が示している「偉大なる王」と言うのは、この石窟を作ったヴァッタガーマニ・アブァヤ王(ワラガンバァフ王)のことで、前項のBLOGで記したとおり、ダンブッラの僧院を寺院に変えて建立させた王である。

紀元前104年、王位に就いたワラガンバァフ王は、即位してわずか5ヶ月でタミル軍の侵略によってアヌラダプーラの王都を追われることになった。
迫り来る追っ手から逃げ惑うジャングルの中で、一緒に逃走していた王妃ソマデビは、敵の目を欺くためにワラガンバァフ王より王冠とマントを剥ぎ取って一人ジャングルの奥へと逃げ込んだ末にタミル軍に捕まってしまったが、王妃ソマデビの機転の甲斐あって、ワラガンバァフ王は敵より逃げ延びることが出来た。
この時に身を隠していたのがダッブッラの石窟に作られた僧院である。
一方、アヌラダプーラの都を占領したタミル軍であったが、内部で権力闘争の殺戮を繰り返しており、紀元前88年、勢力を盛り返したワラガンバフ王の軍勢によってタミル軍は都を追われ、王はアヌラダプーラの都と政権を奪回すると共に、15年前に連れ去られた王妃ソマデビを奪還することに成功した。
その後、ワラガンバァフ王朝は繁栄し、王は王都と王妃の奪還を祝ってダンブッラ石窟に寺院を建立したのだと伝えられている。

第2窟に入って入口の左横に立っている像がワラガンバァフ王の像であり、その奥にあるもう一人王の像は、ニッサンカ・マッラ王(12世紀)で、この石窟の壁画修復を行った王なのだそうだ。
その壁画の総面積は2,100㎡にもおよび、お釈迦さまの一生やスリランカの歴史などが窟内一面に描かれており、ここに描かれたお釈迦さまの数だけでも1,000を越えという。

そして窟内には、「ダンブッラ」と言う名の由来ともなった「水の湧き出る岩」があり、天井から滴り落ちてくるその湧き水は ‘奇跡の水’と言われ、この聖水には病を治す力があって、また一口飲めば一週間は何も食べなくても大丈夫! ・・・・・ ってことらしいが…、 スリランカまで来て、こんな “仏教” を聞かされるとは思わなかった・・・・・

< 第 3 窟 >  Maha Alut Lena (マハー・アルト・レーナ)

ダンブッラ第三窟.JPG

他の石窟の入口とは違って、彫刻などの装飾が施された出入り口の第3窟は、「偉大なる新しい石窟」とも「新僧窟」とも呼ばれていて、15体の立像のお釈迦さま像と、42体が坐像のお釈迦さま像の他に、寝仏と王の像がある。
ちなみに、「涅槃仏」ではない「寝仏」のことをスリランカでは通称「Sleeping Buddha」と言っているそうで、ここ第3窟のSleeping Buddha の 全長は9m。
そして王の像の方は、この第3窟を作った、スリランカ最後の王朝・キャンディ王朝(18世紀)後期の王 キルティ・シュリー・ラジャシンハで、彼は衰退していた仏教振興に尽力した王としても知られている。

< 第 4 窟 >  Pachima Lena (パッツィーマ・レーナ)

3386736第 4 窟は、5つの石窟寺院の中では一番古いものと言われ、「西の石窟」と呼ばれている。
石窟自体は古いが、安置されてある仏像は比較的新しく、そのほとんどがキャンディ王朝末期に作られたキャンディ様式といわれる仏像だ。

この第四窟には不幸な話しが二つあって、その一つは、窟内にあるストゥーパ(仏舎利塔)に、ワラガンバァフ王の王妃ソマデビの財宝を隠しいれておいたところ、キャンディ王朝最後の王、スリ・ヴィクラマ・ラジャシンハの時代に盗難にあい全て盗まれてしまったと言うお話し。
そしてもう一つは、窟内の右手奥にある一体だけ色の違う仏像…、 これは以前、インドの酒造メーカーがここで密かにCM撮りをした際、女性モデルがその仏像の膝の上に腰掛けた為に仏力を汚されたとして、これを清める為に塗りなおしをしたそうである。   確かに不謹慎だと思うけど・・・・・・・

< 第 5 窟 >  Devana Alut Lena (デヴァナ・アルト・レーナ)

3386737第 5 窟 については、実のところ何もわかっていない…。
以前は倉庫として使用されていた石窟を1915に補修して寺院にしたということで、現在はキャンディ様式のお釈迦さま像11体が安置されている。

一通りの見学を終えて一言・・・・・
「いったい、何の為?」と言う疑問が大いに残った。
像も、絵も、とにかくお釈迦さまだらけで、それが悪いと言う訳じゃないけど、いったい何のために描かれ、何のために作られたんだろう・・・ 仏教としては意味はどこにあるんだろうと考えてしまう・・・
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。