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‘愛情’ って ナニ? [随筆日記]

雲の切れ間から ほんのわずか 青空の覗いた週明けの午後、少しだけ色付き始めた古木の並木道を本殿に向かって ぶらり ぶらりと散歩道。
七五三参りの幼子たちが可愛らしくも艶やかに装って花を添えた熱田神宮の参道。 
そんな親子連れを眺めながら、私は自分の七五三参り時のことを想い出していた…
想い出したと言っても、その時の記憶を今でもハッキリと覚えているというわけではなく、断片的な情景と、瞬間的に湧き上がった強い感情だけが、ただボンヤリと頭をよぎったに過ぎない。
そんな薄っぺらな記憶の中で鮮明によみがえってきたのは、アルバムにあった、少しセピア色にあせた七五三参りの時に撮った写真たち…。
三歳の時の写真には、義兄弟と共に宮参りに出かけた神社で無邪気に微笑む私の姿、 五歳の時は、少し不安気な表情で玄関前に一人立つ私、 そして、澄し気な面持ちで妹と二人で迎えた七歳の時の七五三参り。
それぞれの写真が、不思議なほどにハッキリと脳裏に浮んだ。
この時、私の隣で我が子との七五三参りの思い出話しを懐かしそうに語る金山さんの話を聞きながら、私は父のことを思い出していた。
そういえば・・・  私の七五三参りの写真には、父の姿がどこにもない…  なぜだろう?・・・・・
あぁ、そうか! 父はカメラを構えていたから、父が撮ってくれた写真だから、父はどこにも写っていなくて当然なんだ…!  と…、 自分で出したその答えに、小さな安心と、大きな寂しさを感じた・・・・・

先日来より、‘叱られる愛情’というのが理解できずにいる…、 と言うよりも、‘愛情’って何? という疑問が心に引っ掛かったままになっている。

父は、異常なほどに私にだけ厳しかった。 他の妹弟とはあきらかに区別された父の私への対応…
私は、毎日 毎日 父からの‘しつけ’と称した暴力に怯えながら・・・・・・・・

そんな父が口にする、「おまえを誰よりも愛しているから叱るんだ! 一番に愛しているから叱るんだ!」という言葉を、どうして信じられようか…、 ど~やって信じろと言うのか!!
‘愛’って何?!  
「好きだ、愛してる」と言ったって、そんな感情などアッという間に風化しちゃうじゃない!
「愛してる」って…、「愛する」って…、相手を傷つけることが‘愛’なの? 愛していれば何をしても許されるというの? ‘愛’って何様よ!?!

‘愛’ ・ナ・ン・テ・ シ・ン・ジ・ラ・レ・ナ・イ・・・・・・
‘愛’ ・ナ・ン・テ・ ワ・カ・リ・タ・ク・ナ・イ・・・・・・

それでも、‘愛’にすがり付こうとしている私がここにいる・・・・・・

七五三参りの写真…  ファインダー越しに、父はいったいどんな気持ちで私を見ていたのだろうか…
そんなことを考えながら遠い記憶の参道をトポトポと歩いている私に、私自身が問いかける…

「私、ず~っと愛されてきたよね?  私は、いつだって愛されているよね?」 ・・・・・・

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