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台風よりも恐いもの… [随筆日記]

昨夜というか、今朝というか…、 台風18号が我が家の上空をお通りになった。

深夜1時頃には、雨も小降りになり風もそよぐ程度…、いわゆる嵐の前の静けさという状態であったが、2時頃になると次第に風も強まってきて、3時を過ぎた辺りから本格的な台風風が吹き始めた。
しかし、まだ雨は降っていなかったので、私は一人バルコニーに出て夜闇に染まった薄灰色の雲を見上げながら、ただボ~ッと風の音を聞いていた。
何を考えていたのか覚えてはいないけど、何だか心地よかった… ような気がする…。
しばらくすると雨が降り出してきたので私は室内に戻って…、でもライトは付けずにテレビだけ付けて台風情報を確認すると、既に我が家は暴風域にスッポリと包まれていた。

しかし…、 台風報道って、見ているとケチの付け所がすごくたくさんあるな~ぁ。
人間の裏の部分と表の部分がハッキリと表面化しているところなど、ついついテレビに向かってツッコミたくなる…。 もちろん、そんな自分の性格の悪さに、自分自身にツッコミを入れたりしながら…(^.^ゞ

繰り返される同じような台風報道にも少し厭きてきたのでテレビを消して、私はそのままソファーの上で横になった。 ライトは付けていないのに、今夜は雲が白いおかげで室内は薄明るかった。

風の声がする・・・・・
その風に、メチャメチャに振り回されている木々たちがざわめく声もする・・・・・
私は台風の声を聞きながら、眠れない目を見開いたまま、薄暗い天上をただぼんやりと見上げていた。

明け方の4時を回ると、家を揺り動かすほどのすさまじい強風が吹き荒れ、大粒の雨は窓を殴りつけ、そして時おり雷の光が夜空を青白く照らした。

早朝、5時少し前、再びテレビを付けると、もう間もなく台風が上陸するとの情報。
こちらが望まなくても、拒否しても、あちらさんから勝手にやって来てくださるんだね…。
そこで見えて来たいろいろなものを一つ一つ味わいながら、台風と共に一夜を過ごす。

しばらくして、ブランケットだけでは寒さを感じたので、私は寝室のベッドの中へともぐりこんで小さくうずくまった。
枕上の窓のシャッターを下しておいたことがかえって強風の音を増幅させ、寝室はものすごい騒音となっていたが、眠りの王様(夫)はモノともせずに爆睡中であるσ(^.^;)

私は布団に入ってからも引き続き、妄念・妄想に馳せていたが、そこでやっと一つの答えを拾った・・・
「あぁ、私はこうやって自分を騙し・誤魔化しながら、私自身を護って来たんだ」 って…。

ただ…、 台風が来るからって、みんな何をそんなに怯えているんだろう~って考えてた…。
それに、私はどうして、「台風が恐い」って思えないのかな~って考えてた…。
そして、私は台風よりも恐いもの、怖ろしいことを、いっぱい いっぱい 考えてた…。

不安?・・・   そうね…、 きっと不安にならないために・・・  そして不安を隠すために・・・

私は恐いんだ…  この世で一番、 私自身が恐いんだ…

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