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2009夏 一人旅・回想録 5 ( 熱海駅 → 上野駅 ) [Travel]

熱海駅を出てからしばらくは、海岸沿いの風景が続く。 
曇り空でなければ、少しは感動できたかもしれないのに…、と思った。

列車内はかなり賑やか。 でも、乗客で混雑しているというわけではない。
所変わればマナーも変わるということ。
列車内での携帯通話や、イヤフォン未使用でのワンセグ視聴。 人前で恥ずかし気もなく化粧をするご夫人に、つり革でストレッチ体操をしている老夫婦。 また、車内で大騒ぎをしている子供たちを注意する大人はいない。 
そんなモラルの無法地帯に軽いショックをおぼえ、苛立った心が頭をもたげた…。

茅ヶ崎を越えると風景は住宅街へと変わり、車内にはビジネスマンの姿も目立ってきた。
そして横浜まで来ると車窓からの風景はビルの林と化し、その四角く無機質なコンクリートの箱の表面に整然と並べられたいくつもの小さな窓を見ていると、その一つ一つの窓の向こうに、いったい幾つの人生が存在しているのだろうかと思い、何だかとても息の詰まる思いがした。

私は・・・・・・・   不恰好な木々や、 水音のする川や、 草花をなびかせる季節の風を感じられない場所では、生きていくことなんて出来ないかもしれない… と 思った。

数日前の眠れぬ夜に、こんな言葉が突いて出た。

   本当は、ただ ボーッと、風を感じていたいだけ ・・・・・
3099602   本当は、ただ ボーッと、水の流れを見ていたいだけ ・・・・・
   本当は、ただ ボーッと、光の中で穏やかに微笑んでいたいだけ ・・・・・
   何も考えず ・・・・・・   
   植物の如く ・・・・・・ 
   ただ  地球は、 回る、 回る、 回る ・・・・・・・・・・・・
   枯れ行くままに、無常の大河に身を委ねた植物になれ!
   心なんて ・・・・・・、  持つもんじゃない ・・・・・・・・・・・・

都心に近づくにつれ列車内の混雑は激しくなり、目に映るものといえば背広か手荷物くらいなものだ。
時折顔を上げると、必ずと言ってよいほど誰かと視線が交わるが、一瞬で目をそらされてしまう。
そんな露骨に逃げなくてもいいのに…、と心の中でつぶやきながら、暇つぶしにその人の人となりを勝手に想像して、頭の中で見知らぬ他人を弄ぶ。 悪趣味だね!

いつの間にか品川駅まで来ていた。 あと二駅で東京駅だ。 さぁ~、 今日、三回目の乗換となる。
久しぶりの東京駅だが、ぶらりとお散歩をする時間もなく、すぐに上野駅へとむかった。
上野駅ならホームに近い場所で食事ができるため時間のlossが少ないと思い、この日はここでLaunch time。
しかし、食欲が全然なかった為に入りたいと思う飲食店をなかなか決めることが出来ず、結局かなり迷った挙句、飲食コーナーのある駅弁屋さんでHalf Sizeの駅弁を購入して急いで食べることになった。

上野駅からはいよいよ東北本線だ。 これを乗り継ぎ、乗り継ぎ行けば、北の果てまで行ける…。

でも、 私は、何の為に北の果てを目指しているのだろう・・・・・・
そして、 北の果てには、いったい何があるというのだろう・・・・・・

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