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2009夏 一人旅・回想録 3 ( 名古屋駅 → 静岡駅 ) [Travel]

通勤・通学ラッシュの時間をむかえても列車内の混雑は予想を下回り、横席のおばさんには気を使いつつ肩身を縮こませながらもパソコンを広げてBLOGを更新することが出来た。

ここのところ明らかに情緒不安定なBLOGが続いており、読み返してみると自分自身かなり恥ずかし~ィ と言う思いもあったが、しかし、それも これも 全部 “私” なのだと、ほんのちょびっとだけど、この世を賢く生きぬく為に無意識の内に身に付けてきた “建て前の私” というヤツをチョットくらいは肩から下してもいいかなぁ、というような心持ちになったので、そのままにしておくことにした。
ただ、「もう、仏法に関することは一切書くまい…」という心づもりに変わりはなかった。

BLOGにて今回の旅のプロローグをUPした後は、いつも携帯しているメモ帳とシャーペンを膝の上に置いて流れ行く車窓からの風景を楽しんだ。
緑豊かな田園風景を見下ろし、通勤ラッシュの車の列を横目に、散歩中の人を目で追う。
木立の合間を抜ける時にはセミの鳴き声が列車内にも入ってきて、夏旅を感じさせてくれた。
こうした五感でとらえた“感じ”を 時折メモにとっていくと、視線は車窓から外の風景を追っているのに、その視線の先にはいつも自分の心があって、知らず知らずの内に自己の思いにばかり目を向けていることがわかる。
心の中での一人遊び…。 幼い頃からの私の得意技だ…。
次々に移り変わる風景の中に、私は記憶の箱よりきれいな思い出だけを取り出してその景色の中に当てはめていった。

もうすぐ最初の乗り継ぎ駅、浜松駅に到着する。 今にも雨が降り出しそうな空模様であった。

名古屋から浜松までは2時間弱、 浜松から熱海までは2時間半、 熱海から東京までは2時間弱 と、乗り継ぎ時間まで含めれば6時間以上を要し、しかも今日の目的地である宇都宮までを考えるとまだまだ先は長い。

静岡県掛川市辺りで本格的に雨が降り出した。
そう言えば、先月静岡に来た時も雨曇りで富士山を拝めなかった…
「出かける日にちを先に決めるからいけないんだ。 快晴の天気になったら富士山を見に行けば何の問題もない!」と言った人がいた。 ホントにその通りだよね…!!

列車内には空席も目立ち、皆それぞれ思い思いに移動時間を過ごしている。
楽しそうにあやとりをしている母娘を見つけ、とても懐かしく、あたたかな思い出がよみがえる。
その隣には、周囲の迷惑も考えず、耳障りな機械音を発しながらDSで遊ぶ子供たち。
向かい側の席には、I-Potで音楽を聴いている人と、文庫本を読んでいる人。
デジタルとアナログ、雑音と無音、老・若、男・女、・・・・・ 見渡してみると、様々ものが相対している… と感じた。

一人旅は、誰に気を使うこともなく自分時間を自由に使える。 自分の世話だけをしていればよいので気楽だ。
たとえ体調が悪くなっても同行者に気兼ねをして我慢をしたり、取り繕って笑顔を作る必要もない。
そう思った時、前回の二人旅で互いの体調不良が原因となって散々な旅になってしまったことを思い出した。
私は争いごとが大嫌いで、相手に怒りの心が芽生えると、問題は何であれすぐに自分自身を追い込んでしまうという悪癖があって、あの時はそれが余計に相手を怒らせてしまうという結果に終わった。
その時のことをあれこれ思い浮かべていたら、今まで気付けずに悩み苦しんでいたことが嘘のように心の中で次々に紐解かれて行き、「あぁ、そうだったんだ!」と少し明るい気持ちにさえなった。
あぁ~、もし、また会うことが出来たならば、この思いを伝えたいなぁ…  そう思った。

その時、たまたま隣に腰掛けていたユメちゃんという7歳の少女に、「ほら見て! 電車がシャワーを浴びてるよ!」と声をかけられた。
あぁ! こんなに短い言葉でも自分の想いは人に伝えられる…。 
そして私は、口で言える! そして耳で聞ける!
そんな当たり前のことがひどく感動的に思えた。

静岡駅に近づくにつれ列車内は混み出してきたが、静岡駅を過ぎると車内は再び閑散とし、話し相手のユメちゃんともここでお別れとなった。

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