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仮通夜 [随筆日記]

我が家から三軒ほど隣の道向にある会社の会長さんが亡くなられた。
一年ほど前、余命2ヶ月と宣告され抗ガン剤治療を続けていた会長夫人よりも早く、元気だった会長さんの方が同じく癌で先に亡くなられるとは予想していなかった。
まさに、死は時を選ばず…

日頃、会長夫人や社長と懇意にしていることから、この度葬儀のお手伝いを依頼されて、今夜さっそくご自宅の方へご挨拶にうかがった。
外から見てもかなり大きなお屋敷で、ドデッカイ岩を敷き詰めたエントランスから、車が5,6台は収まっているだろうガレージの前を通って、その先にある立派な門をくぐると、まずは大きな洋館がある。
その玄関だけでも15,6畳はあり、チョットした応接間のようになっていて、ここまでは以前にも入ったことがあったが、今日は、その洋館の横手から中庭を抜けたところにある、これまたすごく立派な日本庭園を抜けて、敷地の一番奥にある日本家屋へと通された。
玄関を入ると、数々の美術品が所狭しと置かれ、品の良い骨董品店のような趣であった。
お金持ちと言うのは、こんなふうにお金を使うんだな~と、勉強にならない学習をする。

故人は奥の仏間に安置され、その前で会長夫人や社長とお話しをしていると間もなく仮通夜が始まった。
宗教は浄土宗で、私が仏教と出遇ってからは初体験となる他宗での葬儀である。
浄土真宗と同じなのは、「南無阿弥陀仏」というお念仏だけで、見たことのない浄土宗ならではの儀式に興味の虫がうずいた。
仮通夜が終わってから簡単な打ち合わせを済ませて帰宅をする際、なんとなくお念仏が口からこぼれた。 
なまんだぶつ、 なまんだぶつ、 ・ ・ ・ ・ ・
こんなご縁でもなければ出てこぬお念仏に、「人の死を縁として、法を頂く」という教えを有り難く受け取る。
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