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常ならぬ世に よそへてぞ見る [和歌]

古い話ではございますが、三月も後半に入って木蓮の花が咲き始め、梅の花もそろそろ終わりを迎える頃、梅まつりの終わった佐布里公園の梅園へと再び行ってまいりました。
ちょうど月曜日ということもあって、市の施設なので駐車場も閉まっていていたのですが・・・_(^^;)ゞ、
ありがたいことに、どなたかが悪さをしてくださったようで・・・(^.^ゞ、駐車場入口のポールを一本下ろしてあったので、車一台分が通れるほどのスペースあり、それに便乗させていただいて…(((^^;)、そちらから侵入いたしまし、梅の花も終わりかけの少しもの寂しい園内を、のんびりとお散歩させていただくことができました。

3.14  佐布里公園の梅園.JPG

梅の花というのは、古来より日本人に愛され続きてきた花でございます。
『新古今和歌集』の中には、梅の花を詠んだお歌が32首ございますが、その中より一句。

      色香をば 思ひも入れず 梅の花   常ならぬ世に よそへてぞ見る

これは、花山院の詠まれたお歌にございます。
【私釈】 美しき色、かぐわしい香り、これらに思いを寄せることなく梅の花を見ようとしても、やがて散りゆくものだとの無常を余所において見ることなどできるものではない・・・。

花というのは不思議なもので、人の心を癒してくれます。
そして花は人に教えてくれます。 必ず、必ず、散り逝く運命なのだよと・・・。
私は、お花って仏さまだと思うのです。
この地球上には、たくさんの花が咲いています。 たくさんの仏さまが、心を和ませ、癒すために咲いてくださっています。 でも同時に、「死んで行く…、ということを外してはならないのだよ」 との厳しさも教えてくださっています。 その花ではなく、この私がです・・・・・。

園内に咲く梅の花の半分ほどが既に散り落ちて、風任せに流れ飛ばされ土に帰って行きます。
縁あれば、いつかはそこから新芽が芽生えるかもしれませんが、でも、一旦死した花は、決して生き返ることはありません。 それが生まれさせていただいものの定めなのです。

さあ・・・、私の番はいつかしら? 今も無常の嵐は吹いています。 その風にさらされながらも生き耐えてはいますけれど、ポロリ…と枝から散り落ちたその瞬間から・・・、 それが今生との縁が尽きる時にございます。


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