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Dreaming of home and mother <旅愁(りょしゅう)> [歌詞]

    1  更け行く秋の夜 旅の空の
       わびしき思いに 一人悩む
       こいしや故郷(ふるさと) 懐かし父母(ちちはは)
       夢路にたどるは 故郷(さと)の家路
       更け行く秋の夜 旅の空の
       わびしき思いに 一人悩む

    2  窓うつ嵐に 夢も破れ
       遥(はる)けき彼方に こころ迷う
       こいしや故郷 懐かし父母
       思いに浮かぶは 杜(もり)の梢(こずえ)
       窓うつ嵐に 夢も破れ
       遥けき彼方に こころ迷う

アメリカの音楽家 ジョン・P・オードウェイが作った曲を 日本の詩人 犬童球渓が訳詞をした唱歌です。

故郷が現在の自宅という人も多々あるでしょう。
帰りたくても帰れずに故郷を恋しく思っている人もいることでしょう。
また、故郷などない! 思い出したくもない! と 思っている人もいると思います。
どんな人であれ、故郷を心に描いた時、その絵の中に両親の姿を思い浮かべるのではないでしょうか。

作者は、恋しい故郷の中にあたたかな父と母の姿を思い描き、わびしく孤独な現実から逃避するが如くに故郷を心の拠り所としているのでしょうね・・・
私にとって故郷とは、決してきれいなモノではありません。 触れたくもない辛い想い出がぎっしりと詰まったパンドラの箱のようなものです。
その箱を地中深くに埋めた上で土砂を押し流し盛り固めたところで視界から外して今を生きているのですが、それでもその土から芽生えた小さな花の一輪や二輪はあるものです。

故郷って、現存する場所なのではなく、今の私の心に映った、記憶と夢が交差した情景の一ページなのでしょうね。
そこには、自信に満ち溢れた父の顔があって、元気で優しい母の顔があって、兄弟たちの笑い声が溢れていて、不安も孤独も存在しないような時間が流れていて、そんな理想郷なのかもしれません。

秋の夜、今夜はちょっとだけ心の故郷に帰って、懐かしき父と母との想い出に花を一輪添えましょう。

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