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霧の中  ヘルマン・ヘッセ [心]

     不思議だ…、霧の中を歩くのは…
     どの茂みも石も、皆、孤独で、
     どの樹木も、他の樹木と分かたず、
     皆、それぞれが独りぼっちだ。

     私の生活がまだ明るかった頃、
     私にとって、この世は友達であふれていたが、
     今、辺りに霧が立ち込めてくると、
     もう、誰一人として見ることはできない…。

     この世の一切のものと自分とを
     ひとり静かに孤絶する。
     まこと、暗闇を知らない者は、
     賢いとは言えまい…。

     不思議だ…、霧の中を歩くのは…
     生きるとは、孤独である。
     皆誰も、互いに他の人を知らず、
     皆、それぞれが独りぼっちだ。                             (私訳)

MRさんからいただいたMailを読んだ後に、フッと、何の意図もせずに本棚から手に取った本、ヘルマン・ヘッセ の詩集の中にみつけた、『霧の中』 という詩である。

「なっちゃんは〝孤独〟と、ど~ゆ~ふ~に付き合ってるの?」 ・・・・・

私は、〝孤独〟に背を向けて、見ないよう、聞かないよう、誤魔化しながら逃げることしかしていない…
でも、昔は違った。 
子供の頃は、独りでいることが好きで、自分が孤独であることが幸せだと思っていた。 
〝孤独〟と向き合うことが出来なくなったのは、ここ最近からかな…。 
胸ぐらをえぐって、握りつぶしたくなるような孤独感を、自分に誤魔化すことが出来なくなってから・・・・・・
それは、一人でいる時よりも、心寄り添う人、愛する人と一緒の時間を過ごしている時ほど、より強烈な孤独感に襲われる…。 
その孤独感を、自分自身が認めてしまえば、大声を上げて発狂してしまいそうで恐い…。
だから誤魔化すことに必死になっている…、 必死で、自分を守ってあげる…。

でも、ダメだった・・・・・  自分では、この〝孤独〟を癒すことなど出来ない・・・・・・

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