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灌仏会 (花まつり) [随筆日記]

旧暦の4月8日は、お釈迦様がお生まれになられた日であると伝えられている。

お釈迦様の御誕生を祝う行事が灌仏会(かんぶつえ)であり、通称、花祭り(はなまつり)として知られ、この他にも、降誕会(ごうたんえ)、龍華会(りゅうげえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、などの別名もある。

2706009左の写真は、ネパール・ルンビニのお釈迦様がお生まれになった場所に建てられた遺跡である。
(詳細は、 http://namuamidabutsu.blog.so-net.ne.jp/2009-03-02 )

お釈迦様がルンビニ園の花園でお生まれになられた時、その御誕生を喜ばれた龍王が天から飛来して甘露・香湯(ソーマ、アムリタ)の雨を降り灌ぎ、これを産湯とされたという故事にちなんで伝えられた行事が灌仏会であり、日本では推古天皇の時代(606年頃)に始まったとされている。

子供の頃、私はこの花まつりの行事が好きだった。
但し、仏教的な意味ではなく、ただ単にお菓子がもらえるからという理由からである。

母方の曾おじいちゃんがお寺の出身だということもあって、何故かは知らないが、当時羽振りのよかったおじいちゃんが、自宅の横にお寺を建ててしまったそうな…。
でも、お寺と言っても住職がいるわけではなく、特に宗派には囚われず、地域の集会場のような感覚で建てたそうで、町内の寄り合いや、子ども会の行事、葬式など、多種多様に町内の人たちに開放していた。
祖父亡き今は、町内の人が交代で管理をしており、古くはなったが今も現役の庵である。

私の実家は、その庵の境内の一角をおじいちゃんから譲り受けて両親が家を建てた訳で、庵の境内に家があるのか、家の庭に庵があるのか、といったところだ。

その庵で、毎年花まつりの行事が催され、本堂の中央には花御堂(はなみどう)が設置され、その色とりどりの花々で飾り付けられた花御堂の中に灌仏桶を置いて、甘露の代わりに甘茶を注ぎ、その中央に安置したお釈迦様の像に柄杓で甘茶をかけてお釈迦様の御誕生を祝う。
当時の私は、花まつりの意味も、お釈迦様も、何も知らずに参加していたが、ただ仏様の行事であることだけは何となくわかっていた。
なぜならば、花まつりの日は、町内の仏壇のある家々を訪問して、その家の仏壇に向かって合掌するとお菓子をいただけるので、この日ばかりはお仏壇が有り難く感じられたものだ。
穏やかな春の日差しの下で、袋いっぱいに詰め込んだお菓子をほおばりながら、花々で彩られた花御堂を眺めていたあの頃の光景が、今も鮮明に思い出される。

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