SSブログ

2009年2月9日(月) カトマンズ ( ダルバール広場 Ⅲ ) [アジア]

「ダルバール広場(旧王宮広場)」の北Gateから先は繁華街 「インドラチョーク」→「アサンチョーク」へと続き、ここは中世の街並みをそのまま残すカトマンズ最大のバザール・ストリートで、広場以上の賑やかさで人々が溢れかえっていた。
う~ん、行きたい[黒ハート] 行きたい[るんるん] 行きたいのに~~~ぃ・・・[exclamation]  ダメだって・・・・・[もうやだ~(悲しい顔)]

インドラチョークの入り口でUターンして、別ルートで戻る途中、カラフルな像が目に付いた。
これは1660年に作られた「カーラ・バイラヴァ神」で、ヒンドゥー教のシヴァ神の化身なのだそうだ。
「シヴァ神」は、ヒンドゥー教の根本聖典『リグ・ヴェーダ』において暴風神・ルドラの別称で、強力な破壊神であると共に病を癒やす治癒神でもあり、ヒンドゥー教の三最高神の一柱として、創造のブラフマー神、維持のヴィシュヌ神、破壊のシヴァ神と共に崇められている。

2631196「カーラ」とは、サンスクリット語で「時間」を意味し、時間 = 無常 = 破壊 を表わし、「バイラヴァ」というのは、「恐怖すべき者」という意味なのだそうだ。
「ダルバール広場」にある「カーラ・バイラヴァ神(シヴァ神)」は、部分的に見れば黒い肌を血で赤く染めて、腰や頭に髑髏を飾り、六本の手には人の腕や生首などを掲げているなど人を恐れさせる格好をしてはいるが、全体的に見るとコミカルなアニメのキャラクターにしか見えない・・・[ドコモポイント]
しかし、建造当時には、この像の前で嘘をつくと恐ろしいことが起こると言われ、「カーラ・バイラヴァ神」の前に犯罪者を引き出して裁判のようなものを執り行っていたとも伝えられる。

「カーラ・バイラヴァ神」像の斜め前にある八角形の「クリシュナ神寺院」は、ネパールの子宝寺のようなもので、年に一度のクリシュナ神聖誕祭の時にしか扉は開けられないが、この時、寺院前に設置されるゆりかごを揺らすと、息子が授かると言われているのだそうだ。

この後「クマリの館」を見学する。
「クマリ」とは、ネパール王国の守護神である女神・タレジュの生まれ変わりであるとされ、また、ヒンドゥー教の女神・ドゥルガーと、密教の女神・ヴァジラ・デーヴィーとが宿った化身であると言われている。
その「クマリ」の選出にあたっては、まずネワール族で仏教徒の僧侶・金細工師カーストであるサキャ家系の少女であること、「クマリ」としての32の条件に全て叶っていること、心身とも傷の無いことなど、多数の用件を満たした少女の中より選出され、選ばれたた少女は初潮を迎えるまで、「クマリ」として務めなければならないとされている。
しかし、たとえその条件に当てはまったとしても、最近では親の反対によって「クマリ」の成り手は少ないという。
なぜならば、3,4歳で「クマリ」となったその日から、少女は特別な儀式がある時以外の外出を禁止され、侍従達に囲まれながら薄暗い「クマリの館」の中だけでの生活を強いられるため、学校へも行く事もできず、世間の常識から隔離されて生きなければならないからだ。
それなのに、初潮や多量の出血がみられれば「クマリ」を解任され、外の世界に放り出されるのである。

「クマリ」の起源はマッラ王朝時代に遡り、マッラ王が国の守護女神・タレジュとサイコロ遊びをしながら王の仕事を占ったことに始まったとされている。
しかしマッラ王朝が三国に分裂し抗争を続ける中で、「クマリ」の儀式は、最高権力者たる国王の象徴として「クマリ」にひざまずくのだという国家権力の正統性を裏付けるための意味を持ち、またこれが土着信仰と合体したことで現在まで存続してきたこともあり、ネパール国内の至る所に多数の「クマリ」が存在する。
それら村や町のクマリは「ローカル・クマリ」と呼ばれ、ここカトマンズのクマリだけが「ロイヤル・クマリ」と称され、最も重要なクマリであるとされる。

2631197「クマリの館」は、1760年創建のレンガ造り建物で、木枠の窓に美しい彫刻が施された3階建ての館であった。
入り口には白地に彩色を施された2頭の獅子の像が両脇に鎮座していて、その間から小さなGateをくくりぬけると、中庭を取り囲むような造りになっていた。
しばらくこの中庭でGuideさんより説明を受けていると、入り口より向かって正面三階の真ん中の窓から、生き神様と崇められている女神の化身「クマリ」の少女が顔を覗かせた。
近くにいた侍従に写真は禁止されて撮影することは出来なかったが、不似合いな化粧を施されたまだあどけない少女に思わず手を振ったKY夫妻に照れるようにしてすぐに奥へと引っ込んでしまったが、幸運にも「クマリ」の姿を見ることができた。

2631198「王制廃止後 初となるロイヤル・クマリが2008年10月、新たに選ばれた」というニュースを見つけた。
先代のロイヤル・クマリが思春期(11歳)に近づき引退するため、その後任として選ばれたのが私たちに姿を見せてくれた「クマリ」・3歳の少女マティナ・シャクヤちゃんであった。
写真は母親に抱かれたマティナ・シャクヤちゃんである。
[Photo by REUTERS ロイター 2008年10月7日 ] 

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。