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2009年2月9日(月) カトマンズ ( ボダナート(ボウッダナート) ) [アジア]

「カンティプール(栄光の都)」とも称されるネパールの首都カトマンズ市は、街自体が世界遺産である。
ヒマーラヤの麓、標高約1,350mの大地に、東西25km、南北20kmほどのカトマンズ盆地には、カトマンズ、パタン、バクタプルの3つの古都と、4つのヒンドゥー教および仏教寺院が世界文化遺産として登録されている。

2617911私たちが訪れたのは、Airportからほど近い「ボダナート」というネパール最大のチベット仏教の仏舎利塔(ストゥーパ)で、その建物は三重の基壇の上に直径27mのドームが乗っかり、さらにその上には四方に目玉が描かれたものに帽子をかぶせたような金色の塔が聳え立ち、その高さ(全長)は36mになるそうだ。
ボダナートの「ボダ(ボゥッダ)」は、「仏陀・仏教」または「知恵」を意味し、「ナート」とは「主・神」という意味で、白いドームの上に描かれた四方を見渡す目は、「お釈迦様の知恵の目」なのだそうだ。
塔のてっぺんからはタルチョー(チベット仏教の経文が記された五色の旗)が四方に幾重にも飾られていた。

[メモ]チベット仏教は、620年代にチベットを統一したソンツェン・ガンポ王が、唐から嫁いだ文成公主(中国仏教)と、ネパールから嫁いだプリクチ王女(インド仏教)の影響で仏教に帰依したことに始まる。
当時、チベットの民族宗教であるボン教との争いもあったが、779年に子孫であるティソン・デツェン王がチベット初の仏教僧院であるサムイェー大僧院を建設し、初めて僧伽(僧団)が発足させて以来、仏教をチベットの国教として、訳経事業を起し、大部のチベット大蔵経史書を編纂させた。
794年にサムエー宗論(中国仏教とインド仏教の主導権争い)によってインド仏教を正統と定めたが、843年に王朝の統制がなくなると、当時流行していたタントラ仏教(在家密教)と中国系の禅とがインド仏教に加わったことで、ボン教や土着の宗教(天地創造の神話・生贄の儀式・死後の幸福、現世重視など)を土台に変形・融合した「チベット仏教」が10世紀頃に完成される。
その後いくつかの宗派に分裂したチベット仏教も、1409年に立宗したゲルク派が、小乗・大乗・密教を統合した修道体系を組織してチベット仏教の正統派とし、カルマ派制定したダライ・ラマ(チベット仏教の最高指導者の称号)制度に則って、宗派を越えた政治・宗教の最高権威に据えたことでチベット全域を掌握した。
チベット仏教における「ラマ」という語は魂を導く師(グル)のことを意味し、僧のことは「ダパ」という。 (「ラマ」の中には出家僧だけでなく環俗の僧もいるそうである。 日本と似てるね!)
これゆえに「チベット仏教」は、「ラマ教」とも称される。

その後1950年に中国人民解放軍の侵略によって国の全土を軍事制圧されたチベットは中国に対して抗議したが、1959年のチベット動乱の際に中国はチベット自治区を設置して宗教活動も禁止し、ダライ・ラマインドはインドに亡命。
また、チベット政策を苛烈させた中国人によるチベット人殺戮は現在も国際問題になっている。
こうした歴史背景の中、国を捨てて仏教の聖地にやって来るチベットの人々が、ここボダナートでも数多く見られた。

2617912バスから降りた私たちが、中華街の入り口のようなボダナートのGateをぬけるとすぐ正面に、焦点の定まっていない無機質な目が描かれた不思議な形の寺院(ストゥーパ)が見えた。
建物に近づくと次第にその大きさを実感し、そこには、このボダナート寺院を中心とした円形の街(寺院や土産物屋)が形成されていた。

ボダナート寺院を囲んでいる壁にはマニ車が一定の間隔でそろばん玉のように設置されている。
「マニ車(マニコロ)」とは転経器とも呼ばれ、円筒形の側面にはマントラが刻まれていて、その内部にはロール状の経文が納められているのだそうだ。
これを右回り(時計回り)に回転させると、回転した数だけ経を唱えたのと同じ功徳が得られるのだそうだ。
そしてチベット仏教徒たちはマニ車を片手に、毎朝この仏舎利塔の周りを108回もコルラする(右回りに歩く)のだそうだ。
これはよほどの暇人か、体力のある人でなければ無理だと思うし…、第一、時間の無駄遣いだと・・・・・(^.^ゞ
この他にもボダナート寺院の周りには、経を読む人、瞑想をしている人、五体投地をする人などもいた。
しかし、ボダナートの壁を背にして通路の反対側を見てみると、ボダナートを取り囲むようにして色とりどりの土産物屋が隙間なく軒を連ねている、 これでは聖地というよりも…、完全なる観光地だ・・・!!

その土産物屋の途中にはいくつかのチベット仏教寺院もあり、私たちはこの内の二つに入場したが、真っ赤な壁に中国系の色鮮やかな装飾を施された寺院の中に、ピッピカの金箔仏があっちこっちに展示され、とても落ち着いて合掌のできる雰囲気ではなかった・・・^_^;

この後、ボダナート寺院の門(というより壁の切れ目)をぬけて階段を上がり、三重の基壇の上を歩いた。
もちろんストゥーパを右手に回ったのだが、ここからは「知恵の目」がよく見えた。
円形のドームに登っている人もいて、「私も登りた~い♪」って思ったけど、後々に残る伝説(?)を作ってはいけないと思って、おとなしくしていることにした。(#^.^#)

2617913寺院内はラマ教の人しか入れないとのことだが、それほどまでに神聖な場所だというこのなのだろう。
でも、こんなに天気良いんだし、今日はこ~ゆ~所での~んびりと過ごしたり、お買い物などしたいな~って思った。
しかしど~して、信者しか入れず、仏様が安置されて、僧侶がお勤めをしているようなその上を、私たちに観光客に平気で歩かせるのだろうか・・・、  う゛~ん゛、理解に苦しむ・・・・・

ボダナート寺院の屋根から降りて、再び土産物屋を見ながら右回りに歩く。
仏具に、アクセサリーに、食べ物に、衣装、いろいろな物を売っている中に、半分顔を隠しながら路上に札束を置いている人を見かけた。 偽札でも売ってるのかな~ (ナンチャッテ!)

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