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2009年2月5日(木) ヴァーラーナスィ ( ガンジス河 ② ) [アジア]

25710383,000年以上の歴史をもつヒンドゥー教の聖地であるヴァーラーナスィのガンガー河に船を出してから40分、東の空が朝焼け色に染まり始め、辺りの闇が徐々に力を失い、ガンガー河の西岸より輝き始めた朝日は、ヴァーラーナスィの街に光と力をゆっくりと注ぎ込む。

インドの宗教的精神の象徴であるガンガー河より見るご来光は、想像以上のインパクトで私の心を捉えた。

ここガンガー河で沐浴をする人々は、いったいどのような罪に怯えて、何を清めようとしているのか・・・・・・
私は聴聞で、「なすことすべてが地獄行きのタネ(因)」と聞かせてもらっていても、これに怯える心も無いし、何を清めたらよいのかもわからない。
ただ漠然と、「いつか罰は下るだろう」と一時的に不安になるのみである。
この末法の時代に、自力の苦行によって解脱を望み修行をする人もすごいと思うけれど、わが身の罪を罪として認め、輪廻転生からの解脱を心の底より求める人も、ある意味すごいことだよな~と思った。

2571039ガンガー河のガートは、北のラージ・ガートから南のアシ・ガートまで、4kmにわたって連なっており、その84あるガートの中でも最も神聖とされるマニカルニカー・ガートでは、ヒンドゥー教徒の火葬が執り行われている。
ヒンドゥー教徒にとって、ガンガー河畔で荼毘に付され、その遺灰を河に流してもらうというのが最大の喜びなのだそうだ。
また、ヴァーラーナスィのガンガー河近くで死んだ者は、輪廻から解脱できると考えられているため、この地での火葬を願いながら、カーシーラーブ・ムクティ・ババン(死を待つ館)で、ひたすら死を待つ人々もいる。

火葬場のあるガート、マニカルニカーとは、「宝石の耳飾り」という意味だそうで、その名はインドの神話に由来するらしい。
さて、死体を燃やすには薪代が必要となるが、富者は質も香りもよい薪で燃すことが出来るが、貧者や、赤ん坊、妊婦、蛇に噛まれて死んだ人はそのまま川に流されるのだそうだ。
マニカルニカー・ガートの南にあるハリシュチャンドラ・ガートでも火葬が行われているが、火葬場と言っても日本のような建物があるわけでも、囲いがあるわけでもなく、河畔のガート(石段)に積み上げられた薪に遺体を乗せてそのまま焼く、野ざらしの火葬場である。
マニカルニカー・ガートを見下ろすように建っている黒くすす汚れた寺院の中には、絶えることのない聖火が守り受け継がれており、すべての死体はこの一つの炎によって焼かれる。
そして人の形を失い灰と化した死体は、そのままガンガーへと流されるのだ。
マニカルニカー・ガートにはおびただしい数の薪の山が置かれ、その脇には年中絶えることのない煙が立ち上り、その光景を見ていると無意識の内に鼻を覆い言葉を失ってしまう。
ヴァーラーナスィは別名、「マハーシュマシャーナ」とも呼ばれており、これは「大いなる火葬場」という意味なのだそうだ。
私たちは暫し無言のままガートの火を見つめた。
この火葬場は間近での写真撮影こそ禁止されているものの、誰でも近に行って死体の焼かれ行く様を見ることができるそうだ。
もし、その光景を目にしたら、私はいったい何を思うのであろうか・・・・・ そんなことを考えていた。

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すっかり顔を出した朝日が水面を照らすガンガー河は、たくさんの観光客を乗せたBoatでごった返していた。
それに混じって土産物売りたちのBoatもワンサカと出没して、美しいガンガーの景色の視界を遮る。
船上からのガンガーを1時間ほど楽しんだ後、私たちは再び元のガートから船を下りて街の中へと歩き出した。
街の中は夜明け前とは比べ物にならないほどの多くの人々で溢れかえり、物乞いや物売りを蹴散らしながら進んでいくと、朝をむかえた牛や猿たちも今日の生活をスタートさせていた。

途中、バスが停車している大通りまで、人力リキシャーに乗って向かうことになった。
初体験に I’m HAPPY ~ [るんるん]
風をきり、ちょっと上目線から眺める街の風景はとっても気持ちよく、朝食をこしらえる店々から香る美味しそうな匂いにお腹の虫がク~~~と鳴いた。

Hotelに戻って8時近くに朝食を済ませる。
今朝の朝食はMENUも豊富で、いつも以上に美味しくたくさんいただいた。
さっき見た火葬場の風景など、チットも思い出すこともなく・・・・・

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